昨日、まだサラリーマンだったころの友達がぎっくり腰でやばいということで来院しました。
掌庵では、腰痛治療の時には、腰は触っていません。
といいますか触る必要がないかんじです。
ぎっくり腰ですと特にそうです。
触ると悪い結果が出ます。
寝違えもそうで、首が痛いからと首を和らげるために少し揉んだりすると痛みが増します。
肩こりもだいたい肩は揉みません。
最初にどれだけ凝っているか確認するために揉んで、最後にどれだけ柔らかくなったか確認するために揉むくらいです。
腰痛から話がそれましたが、
腰が痛い時は、だいたいは腰の筋肉(筋膜)が他の部位から引っ張られて痛みが出ています。
掌庵では筋膜にアプローチしたり、筋筋膜経線(アナトミートレイン)を利用して治療をします。
ですが、全て筋膜で治せるという訳では当然ありません。
たとえば、腰の痛い部分を筋筋膜経線を通してふくらはぎの腓腹筋が引っ張っていたとしましょう。
腓腹筋の筋膜の状態が硬くはないけど水ぶくれのようにむくんでパンパンだった場合は、腓腹筋の筋肉の状態が、老廃物や水分、リンパ液などが溜まって筋肉の中に滞っている状態と考えます。
この場合は、風船の中にたくさん水を入れてパンパンになっている状態と同じで、風船が筋膜と考えると、たくさんの水(老廃物など)が入っているために風船(筋膜)がふくらみ過ぎて張った状態になっています。
その腓腹筋の筋膜の張った状態が、筋筋膜経線を伝って腰の部分を引いていると考えられます。
アナトミートレインでいえば、SBL(スーパーフィシャル・バック・ライン)です。
腓腹筋 → ハムストリングス → 仙結節靭帯 → 腰仙椎筋膜・脊柱起立筋
というつながりで、腰仙部などの痛みを誘発します。
この設定の場合では、腓腹筋は筋膜の異常な硬さや収縮ではなく、腓腹筋の筋肉自体の張った状態からの引っ張りなので、腓腹筋をマッサージして老廃物や水分を流してあげ、腓腹筋が緩んで小さくなると自然と腰の張りが緩んできます。
ただし、これが筋膜の異常であれば、この後に筋膜リリースをして正常な長さにしてあげないと腰はそんなに緩んではきません。
また、ふくらはぎから腰までの間のハムストリングスなど他の部位にも異常があればそれも解決しないと腰の痛みは取れにくいでしょう。
これで、腰の痛みの直接的な原因は解消できます。
掌庵では、この「直接的な原因=腓腹筋の張り」はどこからきているのかまで考え治療していきます。
それともう一つ、どの症状の時の治療でもそうですがインナーマッスルの調整も必要となってきます。
アナトミートレインで言うと、DFL(ディープ・フロント・ライン)です。
あと、内臓調整もけっこう必要になってきます。昨日の友達も、内臓下垂の施術をしたらすっと腰が軽くなったと言いました。
ほかにも筋膜のラインとラインのバランスが崩れていたりなどあります。
上半身から腰への影響を考えていくと、AL(アームライン)も考えていかないといけません。
腰痛治療は、簡単そうでとても複雑にいろんな要因が混ざり合っていて難しいです。
でも、1時間くらいしっかり時間をかけて治療すると、1回の施術で済む人がほとんどのようです。
2回も来られません。(だいたい数ヵ月後にご来院されたときに聞きますと、次の日には良い感じや、次の日には違和感とかでるけど2~3日で良くなるとおっしゃられます。仕事で次の日もハードな生活をされたりする方などは3回くらい来られましたが。)
腰痛はそんなに通わなくても改善していく症状が多いんですよ。
出来れば、5回も10回も通わなければ痛みがとれないようなところではない治療院を探しましょう!
(ケアのために定期的に通うのは別ですよ。ひどくなる前にケアすることはいいことだと思います。)
おしまい。