名曲百選第二章(79)涙は人間の作る 一番小さな海です・・・ | 日々の生活(くらし)に音楽を♪

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まだ梅雨は明けませんが、梅雨が明けたら いよいよ今年も海の季節ですね。

涙は人間の作る 一番小さな海です

この言葉は、寺山修司さんが戯曲 「人魚姫」 の中で書かれたもので、素敵な言葉ですよね。
人間の体内の塩分濃度は、生物が誕生した時の海の塩分濃度と同じぐらいだそうです。
太古からの人間と海との命の繋がりも感じるような言葉です。
人は、悲しい時、辛い時、嬉しい時・・・色んな感情で心が満たされた時、涙という小さな海を作るんですね。
本当に素敵な名言だと思います。
大好きな言葉ですので今回の記事のタイトルにも使わせていただきました。

この言葉を知ったのは、かなり昔読んだ、寺山修司さんの「ポケットに名言を」 という名言集からです。
映画や詩や小説や歌の歌詞や色んなジャンルから名言が選ばれていて、ためになりますし面白い本です。
寺山さんは、小説や脚本も書かれたり作詞もされたり、優れた言葉のセンスの持ち主でした。

夏は波の音が恋しい季節でもありますので、今回はこの曲をお届けします。

はぐれそうな天使 / 来生たかお


前回に続き私のカラオケの定番曲ですが、いいですね この歌も。
曲自体は、軽快でポップな曲だと思うのですが、彼のメロディは、翳りと言うか哀愁があるんですよね。
その翳りや哀愁が、好きです。

そして、このサビの歌詞が素晴らしいです。

恋したら騒がしい風が吹き
はぐれそうな天使が私のまわりであわててる
恋したら雲の流れも速く
はぐれそうな心があわててる


恋した時の気持ちを直接的な言葉で綴るのではなく、感覚的な言葉に置き換え比喩的な表現で綴られてますね。
恋をすると心がざわめき その人の事で夢中になるあまり、相手の気持ちが把握できずに不安になったりしてしまう、そんな感情で揺れる心が 巧みに表現されています。
来生えつこさんも多くのヒット曲の歌詞を手がけてますが、その中でもこのフレーズは秀でたものだと思います。

恋した時の喜びや不安や戸惑いや色んな感情が凝縮された名曲です。

はぐれそうな天使

作詞 来生えつこ
作曲 来生たかお

足元くすぐる波さえ少し遠慮がち
私は無邪気になれずに海と話してる

あの人のこと気にしすぎてる
友達が言い笑うつもりが泣きそうになった


恋したら騒がしい風が吹き
はぐれそうな天使が私のまわりであわててる
恋したら雲の流れも速く
はぐれそうな心があわててる

見つめているだけでふいに熱くこみあげる
あの人にも気づかれてる隠せない心

夢はいくつも飛び越えたのに
まるで少女のときめきほどにはがゆい気分で


潮風に体ごとさらしたら
少しは楽になると思いたった私が不思議
潮風に逆にあおられそうな
あやうい恋心にあわててる

恋したら騒がしい風が吹き
はぐれそうな天使が私のまわりであわててる
恋したら雲の流れも速く
はぐれそうな心があわててる



今回は、寺山修司さんの名言の話と来生たかおさんの 『はぐれそうな天使』 をお届けいたしました。
早くジメジメした梅雨が明けて、抜けるような青空が待ち遠しいですね。