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緑高の楽屋

BL小説書いてます。
本家「まっちゃまろまん文庫」の整理ブログです。
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時々考える。
もし中学の時水原さんとペア組んでたのがオレだったら、オレの方を好きになってたりしなかったかな。
だってよりによって充だし。オレと顔も性格もほとんど同じで見分けがつかない。じゃあ、ペアを組むのも別にどっちだってよかったはず。だからもしオレが水原さんと組んでたら、そしたらもしかしたら、
……ないか。

でもペアは一緒でもよかったんじゃないか?オレと充、どっちがうまいわけでも、スタイルが違うわけでもなかった。顧問だって実はオレらの区別ついてなかったし。どうせくじ引きだか鉛筆転がしだかで決めたんだろ。そういやじゃんけんしたようなしなかったような……。

いつもそうだ。どっちでもいいのに全部充の方に行く。
他の誰にとっても、充にとってもどうでもいいこと。だけどオレにとっては大事なこと。

「こないださ、練習試合でウチに来た時……」
「ん?」
「誠いた?」
「ああ、うん。高校はウチに来たみたい。てか、来てる。あの辺から来てるヤツけっこういるよ。」
まあ、これはかなりありえるパターン。家から程よく近い普通科高校だし。
だけどバリバリの進学校でもないし、よっぽどのバカ校でもない。中途半端なとこだから似たような学校は他にもある。他の学科とか私立とかを含めると選択肢なんていくつもある。なのに何でよりによって四摩高?

「オレが仲良かったヤツってさ。何でかみんなオマエの方に行くよね。」
仲良かった……ってのはちょっと違うけど。
「たまたまじゃない?」
「たまたまだけどね。」
けど何でよりによって、オレとウリ二つの別人のトコに?

クラス分けとか班分けとか……ホントどうでもいいこと。同じになればラッキー、違ったとしてもまあ、そんなもん。一喜はするけど一憂まではしない。
だけどそこで充と一緒だとなると、惜しかったんじゃないかと思ってしまう。どこか別の所で運を使いすぎてしまったのか。それとも何か悪いことをしたツケなのか。代われそうだけど絶対に代われない。無駄に大きく「一憂」してしまう。

ホントにたまたま以外の何でもない。それはわかってるんだけど。