54,可能性 | 緑高の楽屋

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BL小説書いてます。
本家「まっちゃまろまん文庫」の整理ブログです。
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「まー、そのうちいい相手見つかるんじゃない?」
……どこかで聞いたセリフだな。
「あ、でも女はやめといて。」
そこはふつう逆じゃないか?
「これを機会に真っ当な道に進めとか言わないのかよ。」
「オレがいいなと思った子はみんなオマエの方行くんだよ。」
「何だそれ。」
逆だろ……とは言えない。充にだけは言えない。

「てか何で女全般?」
麗佳だけでいいだろ。
「可能性はできる限り広げておかないと……。」
「……へえ。」
「オマエにゃわかんねーだろ!モテない奴の気持ちなんて!!」
「こっちは最初っからほぼないんだよ!!!」
「…………あー…………」
「納得すんのやめて……」
何ツー不毛な兄弟げんか。


可能性……ねえ。
雄太もダメ。誠もダメ。んでもって水原さんもダメ……。ついでに柏木さんもカウントしとくか。
もう嫌だ。もう失恋は嫌だ。もう誰も好きになりたくない。
……
でも幸せにはなりたい。
やっぱ水原さん今ならまだどうにかこうにか……

……サイテーだ。


恋愛なんてもうしたくない。向いてないんだと思う。
けど寂しい
でも疲れた
疲れたけど……


「はあああああ…………」
「ドデカイため息つくのやめて……」
「……へーい。」