いざ、海へ | 防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

「防浪提に抱かれて磯の香りも生き生きと」
田老一小校歌の歌い出しです
津波が来ても二重の防浪提が守ってくれると思っていました
津波はその防浪提までも破壊して、ふるさとを壊滅さた
それでも、やっぱり海は麗しいし、川は清い

 去年の春、アワビの種苗生産施設ができてからずっと担当してきた職員が辞職して

 「どうしよう・・・・・・・」

 一体、何をどうしたらいいのか、関係者みんなでボーゼンとしておりました

 

 あれから1年と数ヶ月

 

 取水の塩分が低いだの

 海水に泥や砂が混じって来ただの

 飼育水の水質が悪化しただの

 餌となる微細藻類が暑さで激減しただの

 

 ベテランの従業員さんが体調を崩して辞め、代わりの従業員さんが入って、仕事を覚えてもらって、これで当面は大丈夫

 と思った矢先に辞められて

 養殖漁業者の奧さん達に忙しい仕事の合間を縫って手伝ってもらって、なんとか今日まで稚貝を育てて参りました

 

 いやはや、この1年と数ヶ月というもの、担当者の苦悩はいかばかりだったかと

 お盆も正月も連休も日曜日も行って対応してましたからね

 

 

 飼育水のろ過機能が十分ではなかったので、あまり水を汚さない生きたこんぶを餌にすることにしまして

 餌用のこんぶを養殖して提供してくれた漁業者

 それでも間に合わないときに、間引きワカメやコンブを快く提供してくれた漁業者の皆さん

 

 電気系統が不調になれば、時間にかかわらず、すぐに対応してくれた電気会社の皆さん

 ポンプや配管のトラブルに迅速に対応してくれた業者さん

 遠く釜石から足繁く通ってアワビ飼育の相談に乗ってくれた岩手県水産技術センターの皆さん

 「アワビの生態のことは良く解らない」と言いつつ様々な資料を提供してくれたり、各方面から情報収集してくれた宮古水産振興センターの皆さん

 アワビ稚貝の餌となる微細藻類の管理や循環濾過のご指導をいただいた東北水研の皆さん

 いつも気に掛けていただき、厳しいときにはいつも親身になって相談に乗っていただきました重茂漁協・広田漁協のアワビ種苗生産施設の皆さん、岩手県栽培漁業協会の皆さん

 

 皆さん、ほんとーーーにありがとうございました

 m(_ _ )m

 皆様のお蔭をもちまして、明日から稚貝を海に放流する予定です

 生き物を殺すのは簡単

 でも、生かすのって本当に大変

 です


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