読む日々

テーマばらばらの読書日記

梅もどき

2018-05-22 | 小説・江戸時代
諸田玲子「梅もどき」





祖父が秀吉の従兄弟で、家康の再従兄弟?
両家に繋がりのある女性、お梅と、夫の本多正純との人生。

従姉妹が秀頼の乳母で、大坂城内で暮らし、関ヶ原で父が豊臣方についてしまったことで逃げて京都にきたお梅だが、家康の母、於大の縁戚と言うことで家康の側室に。

しかしその前に本多正純と出会っており、心惹かれていた。

2人の感情を感じ取った、仲良しの側室仲間お奈津の進言により、家康より正純へ下げ渡されるお梅。幸せな日々を送るも、家康の死後は秀忠に疎まれ、坂道を転がるように不幸が襲う。

横手に監禁された正純のもとを、昔お梅に助けられた踊り子キクが世話人として出入りし、昔語りをするのと、当時のお梅の物語が交互に語られる。

心のきれいなお梅夫婦に対し、於大の方に母を殺されたような感じの築山殿の娘、加納御前の謀略と、昔、跡目争いで兄、結城秀康を推した正純を快く思わない秀忠の、心の小ささ、汚さに憤りが。

いやまあ、小説なんだけど。

けど、秀忠を素晴らしいと表現する小説、あまり見ないなぁ。

結城秀康が二代将軍になっていたら、日本はどうなっていたのかな?とか空想してしまった。


ハッピーエンドではないけれど、史実は変えられないし、何となく救われるラスト。

満足度90

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