昨今、御朱印集めで神社仏閣を回られる方が増えてきましたね、良いことですね。
御朱印なんて始めはスタンプラリー感覚でいいと思いますね、あまり大業に考えると
億劫になりますし発願するのだなんて大志を抱かんでもいいとおもうんです、私は。
参詣客のもつ集印帳も近頃いろいろ華やかなものも販売されるようになりました。
みていて綺麗で素晴らしい本を持たれている方も多く微笑ましい限りです。
そういう皆さんはご存じないでしょうが、同じ折本(おれほん)でも集印帳と経本
では作り方(製本のやりかた)が違います、集印前、印刷前の白紙段階では違い
中々がわからないでしょうが、まったく違った製本方法を執ります。
技術的秘密になりますので詳しくは説明しませんがお寺など行く機会があれば経本
とご自身の持っている集印帳を見比べて頂ければ一目瞭然かと思います。
今日は
「集印帳の折り山を増やし経典を書き込める長さにしてほしい」
との依頼があった話となります。

この手の仕事、素人さん(一般客)からの依頼はすべからくお断りしておりますが
今回はプロ僧侶からの依頼の為、よくお話を聴かせていただいてからお受けしました。
表紙持ち込み(中身を外して)新しいく折山を3倍程度のページ数作成装填してほしい
とのことでし。歴史にも名を遺す有名寺院の数ある塔頭寺院の依頼です。
※依頼者がわかるとまずいので画像は修正してあります。
僧侶ご自身の手で経文を入れていく「本」とするので遊び半分の集印帳ではないので
作成することにしました。

 

            
 

その寺院の記念品として作成された凝った集印帳を三冊お持ち込みになりました。
表裏(表紙)6枚裏打ちごと直します、表紙を外して新規の紙を希望枚数山折打ち込
みします。
通常の集印帳作成用の糊入紙では厚さが出すぎてしまいます、百科事典みたいなもの
作ってもしょうがありませんので、少し薄口の紙を選定しました、御朱印帖ほど滲みが
出ないようにドーサ引きの薄口糊入紙を使用しました。

でもかなり厚くなっちゃったな~。


書味が良いことを期待します。生きた経文が書かれれば幸甚です。

たまには和紙屋の仕事をする、和紙屋オヤジの独り言でした。

では。