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江差追分節・魂の唄を聴く

2014年09月18日 03時32分23秒 | 江差追分の街・江差町の話

江差追分節魂の唄を聴く

北海道江差町は 江差追分を宝物とする町です

この本場地域で師匠としてあるいは日本一として

活躍する指導者の歌が響いた

時 4月26日 ところ 江差町文化会館

その記録を紹介します

「七節に追分の人生を載せて」

舞台に立ったメンバーは 全国大会などで頂点に立ち

現在指導者として文化継承に尽力しています

師匠 棚橋健蔵さん

本唄 沖の波間に帆かげが見えりゃ 又も気になる主の船

後唄 沖は寒かろ早よお帰りとネ 祈る心の蝦夷の海

師匠 坪田昭信さん

本唄 櫓も櫂も波にとられて見は捨小舟どこにとりつく島もない

後唄 浪に千里のおもいをのせてネ 月がなかせる浜千鳥

師匠 萩原克彦さん 昭和54年全国大会優勝者

本唄 恋の道にも追分あらば こんな迷いはせまいもの

後唄 つらい思いに泣くのじゃないがネ 月がなかせる浜千鳥

師匠 木村正二さん 昭和60年全国大会優勝者

本唄 忍路高島及びもないがせめて歌棄磯谷まで

後唄 連れて行く気はやまやまなれど 女通さぬ場所がある

師匠 佐々木潔志さん 昭和58年全国大会優勝者

本唄 せめてこの身が鴎であれば ついて行きたい主の船

後唄 なぜにお主を乗せたる船はネ 帰り来ぬのか便りない

正師匠 菊地勲さん 昭和62年全国大会優勝者

本唄 夢の白帆に逢瀬をかけて 渡る千里の波まくら

後唄 波のしぶきに濡れよとままよネ 荒波育ちの血が踊る

正師匠 高清水勲さん 昭和50年全国大会優勝者

本唄 けぶる渚に 日はたそがれて 沖に漁りの灯がともる

後唄 江差恋しや南の果てにネ 平和を願う主がいる

正師匠 浅沼春義さん 昭和52年全国大会優勝者

本唄 江差の五月は江戸にもないと 誇る鯡の春の海

後唄 姥が神代の昔も今もネ 土地の華なり鴎島

「次代を担う」

準講師 西川俊昭さん

本唄 船は船頭の唄声のせて はやる心も波まかせ

後唄 沖のかもめよ伝えておくれネ 江差むすめの胸の内 

道高睦子さん 平成5年全国大会優勝者

本唄 竹ならば割ってみせたい私の心 中にくもりのないわたし

後唄 恋にこがれて鳴く蝉よりもネ 鳴かぬ蛍が身を焦がす

準師匠 沢口一雄さん 昭和55年全国大会優勝者

本唄 沖のかもめよ流るる雲よ せめて伝えよこの心

後唄 主の船唄夜ごとに聴いてネ ともに暮らすはいつじゃやら

掛け合い

木村香澄さん  平成3年全国大会優勝者

寺島絵里佳さん 平成15年全国大会優勝者

前唄 波は磯辺に寄せては返すヤンサノエー 沖は荒れだよ船頭さん

    今宵一夜じゃ話はつきぬネ 明日の出船を延ばしゃんせ

本唄 泣いたとて どうせ行く人やらねばならぬ せめて波風おだやかに

後唄 泣くなといわれりゃなおせきあげてネ 泣かずにおらりょか 浜千鳥

寺島絵里佳さん 

木村香澄さん  

 

進行役のお二人も江差追分実力者

木村香澄さん  平成3年全国大会優勝者

寺島絵里佳さん 平成15年全国大会優勝者

指導者の師匠制度には資格者格付けがあるようです

その中の上席師匠は僅か10人

このうち檜山管内にお住まいの方が7人います

今回は6人の方が

北辺の地で歌い継ぐ心境を唄とともに披露されました

進行役の若いお二人の問いかけがじょうずで

大先輩も思い出話をノリノリで話されてました

上席師匠 渋田義幸さん 昭和49年全国大会優勝者

三味線 江差追分上席師匠 浅沼和子さん

越後追分 披露

 

写真左・上席師匠 青坂満さん 昭和43年全国大会優勝者

浜小屋節 披露

上席師匠 小笠原次郎さん 昭和39年全国大会優勝者

五目節 披露

上席師匠の浅沼和子さんは全国大会準優勝者 

ご主人は全国大会優勝者

この日は 新地節を披露

江差追分は 尺八・三味線・そい掛けと

息が合わなければうまく歌えないようです

大会審査では 唄だけでなく伴奏やそい掛けも審査対象です

尺八や三味線で生計を維持できるのは 一握り範囲

働きながら ボランティア的な方が多いように映ります

江差追分が大好きだからこそできるのでしょう

後継者の育成は急務

少子高齢化の波は江差追分の本場にも容赦なく押し寄せる

本唄 かもめ鳴く音にふと目を覚まし あれが蝦夷地の山かいな

魂の唄を聴く

掛け合い

上席師匠 浅沼和子さん 昭和49年全国大会準優勝者

安澤望さん 平成20年全国大会優勝者

浅沼さんは 安澤さんの師匠です

前唄 鴎来て鳴く江差の浜にヤンサノエー 灯影ゆらめく岸の宿

本唄 花も実もある追分節を 唄い世界に広めたい

後唄 人は一代 名は末代よネ 誉れ有る名を世に残せ

上席師匠 渋田義幸さん 昭和49年全国大会優勝者

本唄 尺八の音聞くたびに思いは江差 心乱れて目に涙

後唄 はぐれ鴎があかねの空にネ 鳴けばひかれる後髪

掛け合い

上席師匠 青坂満さん 昭和43年全国大会優勝者

上席師匠 小笠原次郎さん 昭和39年全国大会優勝者

前唄 国を離れて蝦夷地が島へヤンサノエー 幾夜寝覚めの浪まくら

    朝な夕なに聞こゆるものはネ 友よぶかもめと浪の音

本唄 かもめの鳴く音にふと目をさまし あれが蝦夷地の山かいな

後唄 沖でかもめの鳴く声聴けばネ 船乗り稼業がやめられぬ

追分名人の貫録は 表情にも表れる

追分名人の語りは 説得力がある

掛け合い

上席師匠 近江八声さん 昭和38年 第1回全国大会優勝者

 

上席師匠 房田勝芳さん 昭和40年 第3回全国大会優勝者

前唄 大島小島の間とる船はヤンサノエー 江差がよいか なつかしや

    船も新らし船頭乗も若いネ 顔も新顔 初のぼり

本唄 忍路高島及びもないが せめて歌棄磯谷まで

後唄 主は奥場所わしゃ中場所でネ 別れ別れの風が吹く

左・近江さん 右・房田さん

江差の海 日本海のブルーは見惚れる美しさ

江差の夕日 日本海に沈むレッドも見惚れる美しさ

江差追分にブルーとレッドは 似合う

声がいい人は 予選は通るかも知れないが・・・・・

喉で歌う人は 途中で崩れるらしい・・・・・

江差追分は体で覚えなければならないよう

一朝一夕に優勝を手にすることは 難しそう

波 風 心 

表現して歌う江差追分の後世への伝承は 簡単ではなさそう

今回の催しは 

大先輩が世代交代を促すシグナルに 私は感じました


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