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2015.11.10
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カテゴリ:和訳

ボックスアート
浪費家倶楽部ボックスアート.jpg

ゲーム全景
浪費家倶楽部全景.jpg
 日本のボドゲシーン向きでないのは確定的に明らかw

 2011年にVladimír SuchýがCzech Games Editionから出した傑作「おかしな遺言(以下「遺言」)」は、その「お金を使い切って破産する」という愉快なテーマが好評を博し、海外では拡張も出ている。日本語版は出なかったけど。日本語版は出なかったけど! その「遺言」をさらに発展させたのがこの「浪費家倶楽部」だ。

 プレイヤーは上流階級の若き紳士となる。先祖代々築き上げた莫大な財産があり、社交界では大物に気に入られ、仕事は公職に就いていて有権者の支持も厚い。ぶっちゃけ順風満帆である。我々のような下々の者がその胸中を推し量ることは難しいが、どうやらこういう人生は退屈らしいw そこでプレイヤーたちは「浪費家倶楽部」を結成し、3つの目標を掲げた。すなわち「財産をすべて失うこと」「社交界での評判をどん底まで落とすこと」「選挙で落選すること」だ。5ラウンドプレイするか、誰かがこれらの目標のうち1つ以上を達成した(そのジャンルでの得点を0点以下にした)時点でゲーム終了。その時点で、自分が持っている3種類の得点のうち一番高いものが最終得点となる。「チグリス&ユーフラテス」などで使われている最小比較システムの逆だ。この最終得点が最も低いプレイヤーが勝利する。

 「遺言」では財産を減らすだけだったが、「浪費家倶楽部」では社交界での評判低下と選挙での票の喪失もバランスよく行わなければならない。実に3倍の要素だw さすがに初見で3倍はきつかろうということで、最初のうちはこのうち任意の2つの競争(特に一番最初は社交界競争と選挙競争の2つ)だけを行うことが推奨されてる。

 ゲームの流れは「遺言」とほぼ同じだ。だが、さすがに単純に要素3倍(簡易ルールでも2倍)では超重ゲーになってしまうので、簡略化されているところもある。特に大きいのは「準備フェイズの簡略化」と「アクション数の撤廃」だ。

 「遺言」では、準備フェイズ中の計画ステップで計画マーカーを置き、獲得カード枚数・手番順・アクション数・使用人駒数を選んでいた。ワーカープレイスメントゲーなので先手有利だが、先手ほどカード数やアクション数が減るというジレンマがあったため、もう1ラウンド目から悩ましかったわけだ。しかし「浪費家倶楽部」ではここがばっさり削られ、準備フェイズ中にはボード上にカードやタイルを用意するだけとなった。手番順は次のフェイズで使用人駒を置いて選択することとなる。

浪費家倶楽部中央ボード.jpg
 各ゲームで必ず使うことになる中央ボード。真ん中あたりにあるのが手番順トラック。下段にあるのが手番順を確保する使用人スペース。使用人駒を置いたスペースに応じて、次ラウンドの手番順が決まる。ついでにボーナスアクションタイルも取ることができるので、手番順を選ぶ動機付けもされてる。

 アクション数も使用人駒数も選ばなくなったので、じゃあそれらの数はどうなったかというと、使用人駒数はプレイ人数(および競争を2つやってるのか3つやってるのか)によって固定。アクション数は無制限となった。使用人駒スペースはプレイ人数に対して充分にはないので、ここの部分での絡みはきっちり残されているだろう。対してアクション数無制限はかなり思い切った変更だ。持ってるカードを好きなだけ使うことができるわけだから、それはもうダイナミックに盤上が変化することになるだろう。

 3つの競争のうち、財産競争は「遺言」の簡易版と言える。現金以外の財産を処分し、現金を使い切ることを目指すが、新たに「交換」というシステムが加わった。自分が持ってる財産をボード上にある財産と交換して、その価値を目減りさせるというものだ。ただし、スペースに応じて減らせる価値には限度があり、それを越えた分は銀行からお金の形で得なければならない。

浪費家倶楽部財産競争ボード.jpg
 財産競争ボード。右側の4スペースに交換用の財産タイルが置かれる。交換なので、先手番プレイヤーが交換に出したタイルを後手番プレイヤーが取ることもあり得る。もちろん、財産を交換するのではなく売却することもできるし、現金を消費することもできる。

 選挙競争では全プレイヤー共通の得点ボードを使い、現時点で見込まれる得票数を記録する。ラウンド終了時、プレイヤーはハイドパークで糞みたいな演説を行い、この票を減らそうとする。全プレイヤーが負けじと演説を行うため、声が大きいプレイヤーほど多くの票を失うことができる。まあ周辺住民はたまったもんじゃないなw このために、ラウンド中に獲得した拡声器シンボルの数を比較して順位を決める。

浪費家倶楽部選挙得点ボード.jpg
 選挙競争用の得点ボード。

浪費家倶楽部選挙競争ボード.jpg
 選挙競争ボード。基本的には1票減らすか、カードを取るだけだが、政治団体タイル(緑色の四角いスペースに置かれる)を集めてさまざまなアクションで使えるシンボルを得ることもできる。

 社交界競争では各プレイヤー個別の影響力ボードを使い、4人の大物がそのプレイヤーのことをどれだけ評価しているかを示す。

浪費家倶楽部社交界得点ボード.jpg
 社交界得点ボードの上側3分の2くらい。下の方までマーカーを下げることができればマイナス点を取ることもできる。最終的には全マーカーを下げきりたいが、特定のスペースにマーカーがあると有用なシンボルを得ることができるので、どのスペースにどれだけのあいだマーカーをとどめておくかを考える必要があるだろう。

 この4人に嫌われることを目指すわけだが、社交界にはデイム・ビアトリス(デイムとは大英勲章の1位か2位をもらった女性の尊称だそうだ)という人のいいおばあちゃんがいて、この人がことあるごとにプレイヤーのいい話を吹聴して回っている。たぶん「あの子はほんとにいい子でねえ……このあいだもこんなことがあったのよ」と同じ話を繰り返してるんだと思われるw このため、ただ評判を下げるアクションを実行するだけでなく、ビアトリスおばあちゃん対策もしないと、せっかく下げた評判が勝手にがんがん上がっていってしまうw

浪費家倶楽部社交界競争ボード.jpg
 社交界競争ボード。各使用人スペースではカードを取るか、マーカーを矢印の方向に下げることができる。

浪費家倶楽部デイム・ビアトリス.jpg

 ラウンド開始時に公開されるデイム・ビアトリスタイルの1枚。このラウンドの終了時、社交界得点ボード上の同じ段に2枚以上のマーカーがある場合、そのすべてのマーカーを1スペース上に移動させなければならない。このため、ラウンド中にすべてのマーカーを異なる段に移動させるべく努力することになる。

 こうしてプレイを5ラウンド(または誰かがいずれかの得点を0点にするまで)続ける。ゲーム終了時点で、そのゲームで行った競争2つか3つのうち一番高い得点が最終得点となり、これが一番小さいプレイヤーの勝ち。このため、一点特化型のプレイで勝利するのは不可能だ。たとえ破産しても、選挙で当選したり社交界での評判が高かったりしたら復帰は容易なので、「浪費家倶楽部」のメンバーとしては失格ということだろう。

 3つの競争を異なる方法で管理し、そのすべてをバランスよく進めなければならないわけで、もうこれだけでも大変なのは想像に難くない。しかし、中には「『遺言』の手番順決めのジレンマがよかったのになあ」とか「アクション数無制限とかヌル過ぎてあくびが出るわ」という強者もいるだろう。しかしご安心を。「浪費家倶楽部」では、財産競争の部分を完全に「遺言」で置き換えてプレイすることができるのだ。この場合、手番順は「遺言」のルールに従って決めることになり、「遺言」のカードプレイについては引き続きアクション数が必要になってくる(「浪費家倶楽部」のカードはノーアクションでプレイできる)。フルゲームでプレイする場合、これは「遺言」(+「遺言」拡張)+選挙競争+社交界競争ということになる。「遺言」で破産するだけでも一苦労なのに、さらに2つの分野で得点を減らさなきゃならないとか、考えるだけでクラクラするなw

 要素が多すぎて、プレイしてみないと面白いかどうかはさっぱり分からん。BGGの評価では「テーマを追ってる余裕がなく、多すぎるパラメータを管理してるだけ」という意見も見られた。まあそうなる危険は多分にあるだろうが、そこはプレイヤーの想像力で充分に補えるんじゃないかな。美麗なアートワークもそれを後押ししてくれるから、重ゲー慣れしたメンバーなら大丈夫だろう。だいたい、そんな心配が必要なヌルゲーマーがチェコゲーに興味持つわけないしなw 「遺言」と混ぜてのフルプレイが、デザイナーが目指したこのゲームの真の形だと思われるので、真のゲーマーならぜひその心意気に応えてあげてほしい。

BGGの和訳ルール






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Last updated  2015.11.11 09:43:01
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