テレビで三夜連続で《永遠の0》を放送していた。
家事の合間の視聴だったが、じぃばぁの人生の一コマを見ているようだった。
戦時中のじぃの人生。
じぃはまだ戦争に行く年齢ではなかったが、上の兄たち6人が戦死したと聞いていた。
じぃは長男の役目を負い、3人の弟妹の面倒を見たそう。
母親が再婚した継父に疎まれ、母親にも可愛がってもらった記憶はなかったと聞いていた。
じぃの母親代わりはおばあちゃんだったよう。
料理、洗濯、掃除に子守り。
子供にも出来る仕事をしながら家族を支えてきたという。
じぃの父親違いの妹に当たる叔母からも聞いたことがある。
じぃが寝たきりになる晩年近くまで、私たちの服も繕ってくれていた。
ばぁは年老いたばっちゃんとの2人暮らし。
双子の妹は自ら希望して奉公へ行った。
結局は奉公先で辛い思いをしたそう。
じぃばぁは戦時中の食料難を体験している。
ばぁは北海道の端から端まで汽車に乗り、お米の配給に行ったという。
三日三晩、混雑した汽車の中で立ったまま仮眠を取りながらだった。
当時のばぁは19歳だった。
外国人による恐怖もあったと。
その時に助けてくれた若い警察官に求婚されたとか。
無事に帰宅した後、同じく三日三晩汽車に乗りその警察官がばっちゃんの前でばぁに求婚。
まだまだその気のなかったばぁはお断りした。
そんな話を思い出した。
じぃばぁの苦労もさる事ながら、戦争を経験した高齢者のお一人お一人に幸せだった、と思える出来事が一つでもありますように……。
誰しも歳をとる。
誰もが通る道。
私もあなたも……。
目の前にいるお年寄りの辿ってきた人生の一コマ。
少しでも寄り添いながら過ごしていきたい。
じぃばぁ、もう少し話を聞きたかったな……。
冗談好きのじぃの優しい笑顔に、ばぁの少女のような可愛い笑顔……。
また会いたいな……。
おやすみなさい……。