家で、園や小学校で、または中・高校生のぎょっとするような空気を読まない言動について、どう教えていけばいいかという悩みを持つ方に、一つ具体的なツールをご紹介します。


お値段がはるので、私たちのように大人数の家族、親族で使える時はいいのですが、核家族だときっとこのシリーズはいくつも欲しくなると思うので、可能なら発達支援センターなどはきっとおもちと思うので見せていただいて、まねをして手書きしてもいいかなと思います。


カードのタイトルは「ソーシャルスキルトレーニング絵カード」で、本屋やネットのブックストアで手に入れることができます。




上は園児~小学生中学年ぐらいまでにいいかなと思います。こちらですと以下のような状況の認知を促すことになります。以下、カードの状況説明を抜粋しますと、(編・著:ことばと発達の学習室 Mより)



1)“立入禁止”と書いてある。座った姿勢で入ればだいじょうぶ?
  “アヒルのえさ 百円”と書いてある。アヒルが百円玉を食べるのかな?

(2) あのおじさんの頭は禿げている。頭には髪の毛があるものなのに、なぜ?

(3)部屋におもしろそうなおもちゃがあったので、手にとって遊ぼうとした。
  そうしたら弟が急に泣き出した。お父さんが
  「何をやっているんだ!!何回言えばわかるんだ!」
  と聞いた。だから
  「おもちゃで遊んでいるんだよ。2回めだよ。」
  と答えた。

(4)クラスにとても太っている子がいる。
  そのお母さんに、太りすぎだから子どもの栄養を考えてあげなければだめだ
  と説明してあげよう!

(5)お母さんに「お皿を運んでね。」と言われた。だから、お皿だけ運ぼう!

(6)お母さんと訪問した家で自分の嫌いなにおいがした。だから
  「この家、くさいね。」と言った。

(7)「絵の具を持って帰りなさい。」
  と言われた。絵の具セットから絵の具を出して持って帰ろう!

(8)病気で休んだら、友だちがお見舞いカードを持ってきた。
  だけど気に入らないので、「こんなのいらない。」と言った。

(9)徒競走で一番になりたい。でも、なれそうもない。もう走るのはやめたい!

(10) 中学生が数名集まって、タバコを吸っている。 
  「20歳にならないと吸ってはいけない。」と教えてあげよう!

(11) 持って来たはずの筆箱がない。先生にも
  「筆箱を忘れたのかな? 忘れ物をしないようにしようね。」と言われた。

(12) テストを返してもらった。僕は100点なのに友だちは80点なので
  「なんだ、80点か。」と言った。

(13)「ねぇ、遊びに行こう。」と友だちに言った。
  でも、遊んでくれない。

(14)電話で「お母さんいますか。」と聞かれたので
  「はい、います。」と答え次の質問を待った。
  でも、相手は何も言わない。

(15)友だちに話しかけた。
  それなのに友だちは「ダメ!」と言った。
  「ダメって言ったあ! 頭に来た!」

(16)「お風呂、見てきて。」
  と言われたのでお風呂場を見に行った。言われた通りに見てきた。

(17)たこ焼き屋さんに、「次のぼくは、いくつ?」と聞かれたので
  「7歳です。」と答えた。

(18)教室の入り口の所に立っていたら、友だちが「じゃまだ、どけ。」
  と言った。 じゃまだって? 腹が立つ!

(19)先生に「友だちをたたいてはいけません。」
  と言われた。たたくのがいけないのなら、かんでやろう!

(20) 友だちが「そこ、持って。」と言ったので、言われた通りに持った。

(21)朝の支度時、「服を着て、ランドセルを背負って。」
  と言われた。だから、服を着てランドセルを背負った。

(22)色々な気持ちや表情があります。
  人はどんな時にそんな気持ちになるのかな?
  教えてもらったり考えてみたりしてみよう。


です。こうした状況に、自分、または他の子もであうことがある。

そこで


「絵カードの子はどういう状態か」を明らかにして、自分の子どもが誤解していたり歪んだ見方(認知の歪み)があるようなら、そこを丁寧に解説します。その上で「ほとんどの人が考えるやり方」、いわゆる常識というものの存在を教えてあげると、例えば「なぜ自分だけがはじかれたのか」ということもわかりやすくなります。


ソーシャルスキルのトレーニングは、通常公的または民間での療育が一般的です。なぜかというと、こうした説明を子供にわかりやすく、丁寧にしていく必要がある事と、子どもが「聞ける」ようなしかけ(カードをちら見させたり、ゲーム方式であてっこしたり)を教える側がしないといけない、というスキルというよりは「教える準備」が必要だからです。どう説明したらいいか、という手助けとしては付属の指導例の分はよい説明準備の手立てとなると思います。


慣れるととても「これは使える」と感じると思います。カードにある状況が、子どもが現実社会でまさに「これで嫌われた」とか「それ、それやって友達と雰囲気が悪くなった。わけがわからず困った」という状況のカードばかりで「なぜなの?」「聞きたい、知りたい」と思う事が多いからです。


親族の親の例ですと、カードをストックしておいて、現実に園や小学校でトラブルになったり、まさに「これをやらかしたんだな」という時にタイムリーに「その状況にドンピシャな」カードを出してきて、なぜそうなったかを子供に分かりやすくひもとく、というやり方で使っています。


既製品のカードなので、プライドが高いタイプの子でも、「カードになって売ってるぐらい、あるある、っていう失敗例だから、あなたも知っておく必要はあると思うよ。知っておくからみんなやらなくなってるんだから。」と言うと、ああそうか、なら他の子もやっちゃうことがあるんだ、でも教えてもらって知ってるんだな、と理解するので教えられるのが嫌な子でも「皆と同じがいい、もしくは負けたくない」と思うタイプにも十分使えます。


他にも、もっと小さい子用や思春期用があります。以下にその一部を参考としてご紹介しておきます。思春期用では上手く利用されてお金をまきあげられる、というような例も取り上げられています。





ご参考まで。


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