今日は久しぶりに、本の紹介です。

 

親族の親達は、発達障害の子供にあの手この手でコミュニケーションが円滑にいくような「情報・知識・ツール」をいつもさがしています。ですので、

 

「こんな本があったよ」とか

「うちの子は、これだとすんなり受け入れてたよ」

 

という情報交換はよくされています。

 

発達障害の子供を持つ親の苦労の一つは、子供が「興味を持てば聞いてくれる」けれど「興味がなければ完全無視か拒否」という、極端な特性ゆえに、親が子に教える、という当たり前の育児が成り立たないところにあるのではないでしょうか。

 

基本、私達は親が子に話す・説明する場合は「子が聞いても聞いてなくても」淡々とやっていくことが多いです。聞いていないようで聞いているケースも多いですし、淡々と同じことを粘り強く説明することで、何年後かにひょんなことから、子供が「急に親が説明したことを受け入れる」瞬間があるからです。

 

でも手っ取り早い、楽な方法もたくさん使っています。その手段とは簡単で、絵で描いてポスターのようにして壁に貼っておくことや、親が言いたいことを上手く代弁してくれているような絵本や本を子供に提供する、動画を用いる、などです。

 

共働き家庭も多いので、毎日あれこれと気になることが多い子供のことに、いちいち「子供が受け取ってくれない」説明であけくれるのも非効率ですし、効率のよい方法として、本や動画などのツールに頼ることは多いです。

 

その場合、親が子供に教えたいこと・伝えたいことがダイレクトにヒットするような本や絵本を「チョイスする」ことが大事だと感じています。

 

あと、「子供には聞ける・受け取れるタイミングというものがある」と私達は思っています。

 

どういうことかというと、親側が子に本を渡したり、こう工夫すれば上手くいくよ、というような指南書的な絵をポスターにして子供に見えやすいように壁に貼ったところで、「その日、その瞬間、その場で」子供が活用してくれる・聞いてくれる・理解してくれる・やってくれる、とは限らないからです。ですので、そうした期待は一切持とうとはしません。そうでなければ、本を選んだりポスターを描いてまで「教えよう、子供が楽になる方法だろうし」と頑張って考えていろいろ手配した親の方も、がっかりしてしまうからです。

 

もともと、子供に「これだけ考えて用意してあげたのだから」と親側の勝手な思惑や行動で、子供に感謝されたいとか子供が親の思うように動いてほしい、と期待している時点で、私達は子供と同じく特性持ちなので、「親である自分の自閉の思い込みやおしつけを子に行っているのではないか」という自分達の言動の方が気になったりします。

 

親の、自分の能力の範囲でしか子供が活かされない

親の、自分の知っている範囲・情報しか子供が受け取れない

親の、自分の特性の影響で、子供が極度にコントロール・支配され、子供オリジナルの能力の伸びや子供の「一人の人間」としての自由がない

 

などの状況になることを、私達は恐れている部分もあります。自分たち親が自閉の特性があって、どうしても定型一般の親よりも「閉じている」「見識が狭い」「偏りがある」思考回路の人間であるのだから、その影響で「自分とは全く異なる特性や性質、性格を持った子供」をまるで自分と同等に扱ってしまうこと、親だけの視点や情報のみで育ててしまうこと、の弊害を恐れています。

 

その恐れもあって、親族の親たちが家庭での様子や子育てのことについての情報を交換しあったり、外部の主治医や心理士、発達相談センターのカウンセラー、支援学校の相談窓口の先生、定型の親御さん、ご近所の皆さんとつながるようにして、自分が好むと好まざるとに関わらず、広く情報を得ようと意識はしています。

 

その一つとして、世間一般的に出版されている本やNHKの子供向けのコミュニケーションを学ぶ動画などは、とても「一般的な基準」を知るツールとして重宝するわけです。

 

あと必要なのは、親である自分への戒めでしょうか。

 

「親である自分には必要ないけれど、全く関心もないけれど、子供には必要なのだろう、子供は関心があるかもしれないのだ。」

 

という視点を忘れないように戒めています。最初は習い事を選ぶときでしょうか。自分がしたことのない、まったく関心のない習い事でも、インターネットなどで「習い事」と検索して出てきたものは先入観を持たず、「子供に合いそうか、興味を持ちそうか」という子供の特性や日々見せる興味の対象などを照らし合わせて体験教室などになるべく広く申し込みます。

 

親が子供時代にピアノを習っていて、楽しく有意義だったからといって、自分の子がそうとは限りませんし、親がスポーツが得意で野球をしていて友達がたくさんできて最高だったからと言って、自分の子がスポーツが好きでチームワークが実になって友達を作れるのか、というとそうじゃない場合もあります。

 

親が料理が不得意だから、と教えられないままでいると子供は「親の能力の範囲内」でしか伸びない可能性もあります。学校の家庭科以外にも、祖母のところで料理の手伝いをさせてみたり、興味があるかどうかクッキングの体験に入れてみたりします。他人の上手な大人から学んでもらえれば、子供たちはやすやすと、親の能力の範囲をも越えられることがあります。

 

発達障害の、自閉の特性を持つ親が「適切なコミュニケーションの会話やルールを教えられるのか」という疑問もあるかもしれませんが、本や動画、映画など情報を仕入れることや、不適切な言動を知ること、定型の友人や他人とのやりとりで「良かった例」を大事に積み重ねていくことで、子供に教えられることもあります。

 

最近では、親が経験不足でも本や動画などのコミュニケーションに役立つツールはたくさんあふれているので、子供と一緒に学べたり、逆に子供が先に先に進歩して親に助言してくれたりもしています。

 

最近の親族の子の例ですが、小学校での学びでも、「敬語」の学びを機会に「よくわからない」と言ってテストでも理解できないまま、あやふやな感じだったので「敬語が理解できそうな本はないか」と親がリサーチしたところ、よさげな漫画本を見つけて子に提供したところ、その子は気に入って読み漁り、親よりも詳しくなり、親も「敬語を学びなおししてみる」と、毎日少しずつ子に教えてもらっています。

 

そんな風に親子で相互補助していければ、少しでも亀の歩みでも発達障害、自閉の特性がある親でも子でも、伸びていけると感じています。

 

今回、紹介するのは最近よく親族の子達が読んでいる本です。

 

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上がコミュニケーションで悩む「定番の返事の仕方」が学べる本と、下が「敬語」がわかりやすく漫画で読める本です。小学生高学年の子に向きそうですが、高校生の親族の子が読んでいたりもするので、家に置きっぱなしにしておいても「その子が必要とするタイミング」で読んでくれたなら役に立つかもしれません。

 

(*追伸です。「返事の仕方」というよりは雑談の際のコメント、自分から発する一言が適切であるように、という点を確認するための本、というほうが適切かもしれないので訂正しておきます)

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