★しかし、再来年2019年の5月には元号が変るようですが、やはり年度替わりの4月1日付で変わって欲しいと思う人が多いでしょうね。新年度の1ヵ月だけが平成で5月からの11ヵ月が新元号というのは何かと不便だし判りにくいので困るという人も多いことと思います。2019年4月に行う学校の入学式などは、31年度は1ヵ月だけになってしまうので、平成31年度入学式とせず新元号の元年の入学式とするという風に一定の決まりが作られれば問題はないかもしれませんね。そもそも元号でなく西暦表記ならば何も問題は起こらないとも言えますよNE☆
★しかし、もう今年も12月ですね。忙しくて大変だよという人が多いことと思います。ワタシも忙しくあまり時間が取れませんので、今日は極く簡単に戦前のいすゞのポストカードと藤沢の「いすゞプラザ」について御紹介します。今回はカタログではなくポストカードの御紹介のため「自動車カタログ棚から」シリーズではおかしいという話になりますが、並のカタログ以上に貴重な印刷物と思われ、スペックも掲載されていることから、自動車カタログ「戦前」のカテゴリーでアップすることとします。また今回は本文で沢山ミニチュアを掲載しますのでオマケはなしとしますNE☆
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★戦前いすゞ車ポストカード (サイズ: 各 縦8.7×横13.5cm)
並のカタログより遥かに貴重かつ史料価値も高いと思われる戦前いすゞ車のポストカード(戦前のいすゞのカタログについては第239回記事「1939年いすゞTX/BX」参照)。
いすゞの社名が現在の「いすゞ自動車株式会社」となったのは戦後4年目の1949年(昭和24年)のこと。戦前は紆余曲折を経て1941年(昭和16年)から1949年に「いすゞ自動車」となるまでは「ヂーゼル自動車工業株式会社」と呼称されていました。今回のポストカードはこのヂーゼル自動車工業時代に発行された戦前物4枚です。全てのポストカードにスペックが印字されています。しかし、カタログではなく、あくまで裏に切手を貼って投函できるポストカードであること、4枚が同時に発掘されたことから工場見学の折などにセットで配布されたものだったのかもしれません。
●ポストカード(1) 1943年 いすゞ大型乗用自動車PA10型
欧米からの自動車輸入が途絶え上層部用の自動車を必要とした 陸軍省及び商工省の命令により製作され1943年(昭和18年)9月に2台が完成した大型乗用車。量産されていないためカタログは存在せずスペックの掲載された一般に配布された印刷物はこのポストカードのみかもしれない・・・と思っていたのだが、何とカタログは発行されている。PA10型専用カタログの表紙とスペック箇所の画像データを自動車カタログ蒐集の大家である某氏よりお送り戴いた。カタログのサイズや頁数は不明、現物は未確認の幻のカタログである。いすゞを名乗る戦前の乗用車はこのPA10が有名だが、最初のいすゞ名の乗用車はPA10ではなく、1940年(昭和15年)9月のPK10型四輪駆動乗用車(スミダJC型の改良型:4.4L6気筒ガソリンエンジン搭載98式)と1941年(昭和16年)11月のPK50型四輪駆動乗用車(5.1Lディーゼルエンジン搭載:98式)が存在した。このポストカードには裏面にヂーゼル自動車工業株式会社の他に昭和19年4月を示す印字。この大型乗用車から19年後の1962年(昭和37年)にデビューした、英ヒルマン・ノックダウンを除く最初のいすゞ製乗用車「ベレル」も型式名称はPA10型。
【主要スペック】
全長5500㎜・全幅1800㎜・GA60型4.4L水冷6気筒ガソリンエンジン・最高出力95馬力/3000回転・乗車定員7名・最高速度124km/h
1943年いすゞ大型乗用車PA10型 専用カタログ表紙
ポストカード
●ポストカード(2) 1941年 いすゞBX60型ヂーゼルバス
戦後まで続く名車BXは1933年(昭和8年)に登場し、BX35・BX40・BX45・BX50、そしてこのBX60を経て、戦後はBX80、BX91と進化した中型バス。
【主要スペック】
全長7455㎜・全幅2170㎜・DA42型5Lヂーゼルエンジン・最高出力85馬力/2500回転・乗車定員:横向き(ロングシート)42名、前向き(ロマンスシート)32名・最高速度70km/h
●ポストカード(3) 1942年 いすゞBB60型ヂーゼルバス
8リッターDA60型デーゼルエンジンを搭載した大型バス。このBB60と同じエンジンを搭載したTB60型トラックは何れも十字型グリルが特徴。
【主要スペック】
全長8450㎜・全幅2300㎜・DA60型8Lヂーゼルエンジン・最高出力110馬力/2200回転・乗車定員:横向き(ロングシート)54名、前向き(ロマンスシート)45名・最高速度80km/h
●ポストカード(4) 1942年 いすゞTB60型ヂーゼルトラック
上掲のBB60型バスと同じ8リッターDA60型デーゼルエンジンを搭載した大型トラック。BB60型バスと同じ十字型グリル。
【主要スペック】
全長7810㎜・全幅2300㎜・DA60型8Lヂーゼルエンジン・最高出力110馬力/2200回転・最大積載量7トン・最高速度70km/h
★いすゞプラザ ISUZU PLAZA
今年2017年4月にいすゞ藤沢工場の隣接地に開館した「いすゞプラザ」に行ってきました。現代のいすゞ車から過去のいすゞ車まで展示された施設ですが、過去のいすゞ車については、個人的には、セダンで15万3295台、GTで1万7439台も世に出たベレットが1台もないのが残念です。いすゞプラザで印象的なのは、実車展示よりむしろ1/20スケールの生産工程模型、1/43スケールの歴代車両展示、1/87スケールの自動車も実感的に自走する大ジオラマといったミニチュア群です。1/43スケールの歴代車両展示は、ワンオフのフルスクラッチビルドモデルが多数あり、まだ展示スペースが空いていることから今後も追加されるものと思われます。
【住所】 神奈川県藤沢市土棚8
【電話番号】 0466-41-5811(電話受付は平日10時~17時のみ)
【アクセス】 藤沢・湘南台駅は新宿から小田急の快速急行に乗って48分。湘南台駅東口ロータリーから毎時20分と50分に出ているガーラの無料送迎バスに乗って5分程(湘南台駅西口から歩いても15分程度)。自家用車の場合は圏央道海老名ICまたは横浜新道戸塚料金所から10キロ程度。
【開館日時】 月~金(完全予約制)の9時~17時と土曜・祝日(自由入館日)の10時~17時。日曜日と年末年始・ゴールデンウィーク・お盆期間は休館。
【入場料】 無料。
【ミュージアムショップ】 有。ミニカー、ポストカード、ミュージアムガイド本「メイキングシーン・オブ・いすゞプラザ」(但し初版1000部限定)等を販売。
【トイレ/喫煙所】 有
【館内での写真撮影】 可
【宿泊/飲食施設】有。 いすゞプラザに隣接したプラザ・アネックスにて可能。
●いすゞプラザ外観
ガーラは湘南台駅とを結ぶ見学者用の無料送迎バス
●1/43スケール 歴代いすゞ車の展示
初代エルフ、117クーペ、ベレット1600GT、ベレルなどはエブロやノレブの既製品も含まれますが、大多数はワンオフのスクラッチモデル。これを見るだけでもミニカーやプラモデルなどのモデルカーやいすゞ車に興味がある人なら行く価値はあります。スクラッチモデルは、実車・カタログ・写真・図面等の残っている資料により3Dデータを作成し、エポキシ樹脂を使った光造形法で製作されています。
1922年ウーズレーA9型
1924年ウーズレーCP型トラック
1929年スミダL型トラック
1932年いすゞTX40型トラック
1929年スミダM型バス
1930年スミダLB型バス
1931年スミダTA型92式5トン牽引車
1933年スミダK型乗用車
1935年スミダUH型トラック
1937年スミダJC型乗用車
1943年いすゞ大型乗用車PA10型
1943年いすゞTH10型20トン鉱石ダンプ・・・戦前にオフロードダンプがあったとは驚きです。
1947年いすゞTX61型トラック
1948年いすゞBX91型バス
1953年いすゞヒルマンミンクスPH10型マークⅥ
1954年いすゞTX34A型トラクタ木材運搬車(後ろは1951年いすゞTW11型トラック)
1959年いすゞTD151型トラック
1959年いすゞBC151型バス
1963年いすゞBLD10型ライトバス
1963年いすゞBU30P型バス「オバQ」
1962年いすゞBXD30型バス
1961年 いすゞTD131型トラクタ
1961年いすゞエルフィン
1963年いすゞベレット1800ディーゼル・・・綺麗なブルーメタリックは初期のベレットには存在しないカラーと思います。
1963年いすゞワスプ
1964年いすゞベレット・エキスプレス1800ディーゼル
1966年 いすゞTP81E型トラック(手前)
1966年 初代いすゞフォワード TY30型
1970年いすゞエルフハイルーフ TLD53VS型・・・トミカで出ていたのが懐かしいクルマです。
1972年いすゞエルフマイパック KUD20ZY型・・・これもトミカで出ていました。
1970年2代目いすゞフォワードTR60型
1973年いすゞSKW440型6トントラック
1972年 いすゞTZ20型クレーン車
1970年 初代いすゞジャーニーMBL23型
1977年 2代目いすゞジャーニーBLD30型
1984年 いすゞキュービックバスLV314K型
●1/87スケール 「いすゞミニチュア・ワールド」
HOスケールの巨大ジオラマに配置された650台の自動車のうち、45台が自走。右左折時にウインカーを点滅させたり、バックしたりする様は見物です。見た目には判りませんが、道路の下に鉄線が張り巡らされており、その鉄線を車体下前部に装着したトレーサーが辿る仕組みになっています。自走車両内部には集積回路(どこをどう走るかという走行プログラムや信号に合わせて停車・発車する動作プログラム)が搭載されています。ウインカーの点滅は信号部近辺の主要ポイントにマグネットが埋め込まれており、そこを通過すると点滅または消灯するよう磁気センサーが作動する仕組みです。フィギュアは3300体も配置されており、物語を感じさせる見せ場も山盛りです。走行する鉄道車両は16番の既製品のようです。ジオラマ全体の出来は素晴らしいのですが、ウェザリングがなく清潔過ぎることと海など水面の表現が鉄道模型のレイアウト(TMS誌等)で見られるレベルに比べると実感に乏しいのがウィークポイントです。
大橋
いすゞプラザ駅
寺社・・・フィギュアの配置も物凄いです。
温泉旅館・・・男湯と女湯に分かれた露天風呂も造り込まれています。
いすゞラリー表彰式
街の遊撃手・・・名CMの再現
●1/87スケール 「いすゞミニチュア・ワールド」 動画
1時間に1回(約15分)、ミニチュアの1日を見られます。