ドンウ第18話~もうひとりのヌナは~ | INFINITE妄想小説☆彡

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初めての小説に挑戦しています。
名前やキャスティングなど全て個人的趣向での
人物としています。
ファンの皆様の御理解をお願いします。

※最近の動画は作ったものです。






これは・・・・
ユカリンのヌナの葛藤の話・・・・

ヌナの苦悩が綴られた日記が、
俺にも・・・誰にも知られないまま
時をひっそりと刻んでいた。

俺に何が出来るかなんて、知る由もない
もう一つのストーリー・・・

ヌナの孤独は、誰の手で?

それは、俺にも誰にも分からないストーリー



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ユカ・・・早く目を覚まして?
お願い・・・

もう、これ以上父さんや母さんを説得出来ない・・・


以前からずっとお父さんは
ユカを楽にしてやりたいってお母さんに言ってた。

でも、ドンウ君の努力を見てると、勝手にそんな事は
出来なくて・・・
ドンウ君の思いや、ユカを心の支えにしている今を
考えれば、到底私達家族だけで決められることじゃない・・・

それなのに、お父さんはとうとう決心を固める勢いだった。

助けて・・・

私はそう叫びたかった。
あいつに言ったら楽になれるかな・・・?

でも、無理ね・・・

こんな私を見られたくない。

好きな人にも頼れないなんて
なんてバカな女なんだろう・・・私。
仕方がない。
私はそういう女なんだから・・・。

またあいつの泣きそうな顔を見るのなんて
嫌だから・・・
それでも素直になれない私がバカなんだから・・・

あぁ・・・どうしよう・・・

ドンウ君に伝えるべきだった?

もっと早く。

だけど、ドンウ君だってギリギリだって
分かる。ユカのお見舞いも体のしびれを押して
来てるはず・・・

なんでもないようにしてるけど、
必ず後で身体はこたえてる筈だから。



「・・・・ユカ。お父さんを許してくれ。
みんなお前がいて幸せだった・・・でも・・・
ずっと何も話さない、目も開けないお前を見ているのが
辛いんだ・・・。もう・・・限界なんだよ。お前もこれで
きっと楽になれるよな?これで・・・こんなものに
繋がれなくたっていい・・・・だから・・・。」

「お父さんっ!!待ってよ!!勝手に決めないで!!
お母さんっ!!なんとか言って!?」

「ごめんね・・・・?お父さんが決めたことに、
お母さんも賛成したの・・・。」

「待ってよ。自分はっ!?お母さんはそれでもいいって言うの?
お母さんも勝手過ぎる!!お父さんの意見に合わせるだなんて
逃げないでちゃんと考えてよ!!」

興奮する私になんの言葉も出ない両親・・・

とにかく腹が立った。

なんて弱い・・・・

なんて脆いの?

花瓶に挿したチューリップの花が、私の視界に
入ると、ユカの思い人が浮かんだ。

静かな病院に、一歩廊下を出れば少しだけ
騒がしく聞こえて来て・・・
なのに、この部屋だけの空気は
この部屋だけの世界の様に変わっているんだね。

「お父さんも・・・お母さんも自分勝手よね・・・
ユカの命はユカが決める。それに、ドンウ君の気持ちが
何処にも入ってないじゃない。」


「ドンウ君には色々済まないと思ってる・・・
入院費まで出してもらって・・・。」

「お父さん、何言ってるの?それもそうだけど、
ドンウ君の気持ちは?聞いたの??そんな勝手・・・
許されると思ってるの?ドンウ君に一生恨まれるわよ?」

「悪いが・・・もう決めたんだ・・・済まない。
お母さん、先生を呼んでくれ。」

「はい・・・。」


ドンウ君・・・お願い。
早く来て!!




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その頃俺は INFINITE Hのインタビューやら
バラエティのゲストで色んな番組に出演していた。

ヌナからのLINEにはまだ目を通していなかった・・・

「やぁ~・・・なんかドンウの携帯、やたら通知
来てないかぁ~?」

マネージャーがドンウの荷物の傍で呟いた。

「そう?」
近くにいたスタッフが聞き返す。

「うん・・・さっきからブンブンブーブー鳴ってるんだよなぁ・・・」

「何それwww動物?」

「いやっそうじゃなくてwww携帯の音だよ。振動の・・・。」

「分かってるし・・・。」


「あっ!お疲れ、ドンウっ!
お前の携帯、ガンガン鳴ってるぞ?
ブーブー言ってるよ。ブーブーと。」

「豚?クククッ・・・」

「うるさいってのお前はぁ~・・・」

「豚・・・ケケッ・・・」

「まだ言うかっ!待てこらっ!!」

ヒョンがスタッフとジャレ合ってる中、
俺は返事をした。

「あ、ヒョン、分かったぁ~ありがとぉ。」
多分、もう聞こえてないかもだけど。

なんだろ・・・?

俺はさっきまで番組に出てた勢いで
気分は上がってた。
まさにルンルン気分のような・・・
でも、ホヤと二人だけで出演するのも
緊張するな・・・

ただでさえ、7人で出演しても
黙ってしまうのにw
俺はいつも観客のように見てて、メンバーの面白い
発言に大笑いしてしまうんだ。
だから、話すことって難しいんだって
尚更身に染みた・・・

携帯がうるさかったって?
そんなに?

俺は不思議だった。
だって、音とか鳴らないように
してるのに・・・
それでもその振動がうるさかったのかなぁ・・・

そう思いながら携帯を見てみると、
ヌナからのLINEだった。

物凄い数のLINEが届いている。




『ドンウ君ッ!!』

『気づいて!!』

『緊急!!』

『お願いっ!早く!!!!!』

『ドンウ君っ!!お父さんが
ユカを楽にしてやるって・・・
前から本当は言ってたんだけど、
心配させたくなくて言えなかったの。
ごめん!!早く来て!!』

『ドンウ君急いで!!』


『なんとか今誤魔化しながら
止めてるけど、時間がないよ!』

『ドンウ君!!まだなの??』

『早くして!!』

『ドンウ君、仕方なくお父さんと喧嘩した。
でも、もう駄目かもしれない・・・』

『ドンウ君。お母さんまで弱気で
私じゃどうにも・・・』

『仕事抜けられないよね・・・』

『あぁ~~早く気がついて!!』





ヌナからのLINEは延々とこんな風に
何十件も続いていた・・・


まさか・・・なんで急に??

ヌナ・・・なんでもっと早く言ってくれなかったんだよっ!!

「ヒョン!この後、フリーだよね?」

「ん?あぁ・・・。」

「俺、ちょっと用事!!着替えて挨拶してくる!!」

「えぇ?どこ行くの?」

「病院!!ホヤッ!ホヤッ!!ごめんっ俺、行かなくちゃ!!
ユカリンのお父さんが・・・ユカリンを・・・!」

「ドンウヒョンっ!落ち着けって!
大丈夫。後は俺が言っておくから。
早く挨拶だけしてこいよ。」

「うっうん。ありがと、ホヤっ!」

「あ、ヒョン!!気をつけて!」

俺は頷いてすぐに出演者達に
挨拶をしてから、スタジオを飛び出した。

「おいっ!ドンウ待てっ!!」

マネージャーヒョンに止められてしまった。
時間がない・・・時間がないってのに!

「乗れ。近くまで送ってやるから。」

「ヒョンッ!!サンキュッ!!」

「ホヤ、後で迎えに来るから待ってて。」

「あ、じゃぁ俺もこのままで行くよ!」

そう言ってホヤは着替えた服のボタンを留目ながら
出てきてくれた。

挨拶もそぞろに俺達は駐車場に走った。

今日はやけに駐車場が遠い。

走っても走っても無限に広がる砂漠のようだ・・・

やっと追いついた先には、まだ距離があって、
この砂漠の中を走っているんだ。

半分枯れそうなアロエ・・・
誰が折ったのか、先の切れた
アロエから、透明な液体が出ているようだ・・・
そのアロエで胸の傷に塗って欲しい。

ははっ・・・そんなの無駄なのに。
目に見える程に俺は傷ついてるのだろうか?

その左に首を回せば、
痛々しく刺を生やすサボテンが
俺は笑っているように見える。

砂の中から現れたトカゲやサソリに
睨まれながら、俺は負けずに睨み返して
走り去るだろう。

自分に負けない。
心に負けない。

ただひたすら待ち望んで頑張るしかないんだって
言い聞かせてる。
なだめて騙し騙し、しているだけでもまだマシだろう。

そう自分に暗示をかけたほうがマシだろう。

君を失くすことよりもね。

白昼夢から抜け出した俺は、ホヤはいるのか
気になった。でも、今は走らなきゃ。


車に乗って、ホヤが俺の顔を
チラッと見たのが分かった。

「ドンウヒョン・・・俺も祈ってるから・・・。」

「ホヤ、ありがと。」
俺はこの時、らしくもなく首を下にもたげてしまった・・・

潤んだ瞳が早く乾くように、車の窓を全開に開けた。

目の周りが熱くなって、唇を震わせても
ホヤは静かにただ傍に居てくれた。

そっとタオルを渡してくれて、後は窓の外ばかりを
眺めているようだった。

そんなホヤの優しさにまた目を熱くさせてしまうけど、
俺はタオルにだけ涙を見せて、それからは
ただ黙って座った・・・。

そうだ!ヌナに連絡しなくちゃ!!
俺は急に思い出して、ヌナに連絡を入れた。

『ヌナ!俺さっきLINE読んだんだ。ごめん!!
仕事中だったんだ。』

そう書き込んで、暫くすると、ヌナから連絡が
入ってきた。

『ドンウ君っ!急いで!!今どこ??』

『ヌナ!今、マネージャーヒョンが車で送ってくれてるんだ。
そっちに向かってるとこ!!待ってて!!
お願いだよ!急いで行くから!』

『分かってる!!分かってるけど、こっちも限界よ!
とにかく何か状況が変わったらお互いに連絡しよう!!』

『分かった!!』

暫くするとなんだか車の停止時間が長くなっている・・・

渋滞だった。

「ヒョン、ありがと!もう、ここでいいよ。
間に合わないからここで降りるね?!」

「オゥ!気を付けて行けよ!!」

「ドンウヒョン!何かあったら連絡して?帰りでもいいし。
俺、迎えに行くから!!」

「分かった!ホヤありがと!!
皆に言っといて!」

「OK!分かった!」


俺は車を降りて走った。
練習でもこんなに息が上がる程のスピードは
なかっただろうって位、本気で走った。

途中、息が切れて膝に手を置いて
止まってしまったけど、息が整うまで
そうしていられないから、また俺は走ったんだ。

あっ・・・そうだ!ヌナに・・・

『ヌナ、車が渋滞しちゃったから、
俺今走ってる!でも、もうすぐ着くから!!』


『分かった!気をつけてよ?』

それを見た時には、すぐ目の前に
病院が見えて来た。

頭の方から額へ・・・
額から目のすぐ横を通っては落ちていく汗が
俺の心を焦らせる・・・

痛い・・・痛いよ・・・

待って・・・ユカリンと俺を
引き裂かないで・・・
頼むから、そんな事しないで。

もう、足も膝もガタガタとして
今にも転びそうだ。

でも、今はそんな事気にしていられない。
建物についた俺はそのまま
階段を飛び乗るように駆け上がり
ユカリンの部屋まで一気に走り込んだ。

はぁはぁはぁはぁ・・・・
はぁはぁはぁ・・・くっ!はぁはぁはぁはぁ・・・

やっとドアの前までたどり着き、
一気にドアをスライドさせた。

「ユカリンっ!!」

「ドンウ君っ!!」

その瞬間にユカリンから呼吸器が取り外されようと
している所だった。

「やめろっ!!やめろぉおおおお!!!」

ドンウの大きな声が部屋に響き渡った。

ガシャーーーンっ!!
ガターーーーンッ!!!

ドンウは医者の体を押しのけて、
ユカリンのベッドを動かした。

「あっ!」
「あぁっ!!」

ドサッ・・・ゴンッ!

「きゃあああああああ!!!」

「先生!!早く手伝って!!早く!!」
ドンウは急いでユカリンをベッドに寝かせた。

「何やってるんだ君はっ!!危ないじゃないか!!」

「先生・・すみません・・・でも、でも、俺!・・・
ユカリンには生きていて欲しいんです!!
お願い・・お願いです・・・俺からユカリンを
奪わないで・・・くださいっ・・・お願いしますっ!!」

ドンウの涙がハラハラと床に落ちるのが早いのか
それともユカの父親の涙や母親の涙が早かったのか・・・

泣き崩れた両親が俺に泣きながら済まないと
謝るんだ・・・

苦しい・・・苦しい言葉が胸に突き刺さって・・・離れない。

「済まない・・・わる・・・っった。
ドン・・・ウ君・・・・・・。」

ユカリンのお父さんは嗚咽しながら泣き崩れて
なんて馬鹿な事をしたんだといつまでも
俺に頭を下げた。

「いいんです・・・いいんですよ。皆辛かったんですから。
誰が悪いんじゃない・・・俺も頑張りますから、
諦めないでください・・・。」

「ドンウ君・・ごめんなさい・・・母親の私まで
こんなふうになってしまって・・・あなたは・・・強いのね・・・。」

「いいえ・・・お母さん。僕は強くなんてないんです。
僕の気持ちがそうさせているだけで、僕は今にも
自分が死んでしまいそうです・・・。すいません・・・
こんな事言って・・・。」

「いいのよ・・・私が悪いの・・・。ユカを見てるともう
起きないんじゃないかって思ってきちゃったのよ。」

「そうですね・・・もう、1年も経ちますもんね・・・。」

「ほんと、お母さんが弱いからお父さんが決心したんじゃない!
お父さんだってそんな事はしたくなかった筈だよ。
お母さんの辛い顔を見たくなかったんだってば!!
全く、信じられないっての!」


「あれ・・?ヌナ・・・なんでこんなとこにいるの?
仕事は???」
そこにいたのは、ユカリンのヌナじゃなくて・・・
衣装を持ってきてくれるヌナだった。




キョトンとした顔でドンウがこちらを見ている・・・

まずった・・・
そういえばまだ会った事ないって
ことにしてたんだった・・・

どうしようか?
いや、どうしようかって言っても仕方ないか。

正直に言うしかない・・・

「ドンウ・・・私がユカのヌナだよ。
騙すつもりもなかったけど、言わなくてごめん・・・。」

「え・・・ほんとに?ほんとにヌナがユカリンの?」

「うん・・・。でも、お願いがあるんだ。」

「うん?何・・・。」

「メンバーにはこの事言わないで欲しい・・・。」

「ソンギュヒョンにも?」

「うん・・・。」

「ホヤは??」

「それも駄目だ。」

「ヒカリちゃん・・・・。」

「一応駄目・・・。」

「一応って・・・。」

「とにかく今はまだ言わないでよ。
分かった?」

「あ・・・はい・・・。」

「いいよ。今更敬語なんか。」

「あ・・うんw」

「普段もあんまり使ってないじゃない。」

「ああ、そっかw」

「何を今更緊張し・・・あっ!」
ヌナは今まで俺としていたLINEを思い出したらしく
顔を赤らめてしまったらしい。

「ドッ・・・ドンウや。」

「ん?」

「私たちのLINEの事だけど・・・
あんなしおらしいのは私じゃないからね?
少し演技したんだっ。分かるよね?
それとっ!LINEの事は絶対に内容を誰にも明かすなよ?」

「なぁ~んか・・・夢壊れた感ぁ~んじぃ~・・・」
俺は目を細めて言った。

「なっなんだ!その意味ありげな言い方は!!」

「ほらほら、ユカも大丈夫みたいだし、喧嘩するなら
外でやって頂戴?」

ユカリンのお母さんに呆れた感じで怒られてしまった。

「ユカリン?良かったね^^俺、また来るからね?
またこれで、一緒にいられるね?フフッ・・・」


「おい・・・Hのイベント始まるじゃん・・・
忙しくて来れないだろうが・・・。ユカに
嘘つくんじゃないよ!!」

「あっ・・・そうだったwwwwヌハハハハ
ユカリン、俺ねイベントが始まるの。
何箇所かだけなんだけど、頑張ってくるね!へへっ・・・」

「何、その緩んだ顔・・・・」

「えぇっ??なんでっwwwwあはははっ」

「そんなにユカが好きなわけ?」

「ヌナ・・・シャラップです・・・うふふっ」

「はいはいっ・・・分かりましたよ。分かりましたーだっ!」

「ヌナッwwwwギャハハハハハッ」

「なっ!何がそんなにおかしいんだ?ん?」

「そんな、楽にしてるヌナを見たのってあのメンバーの中じゃ
俺だけだなぁ~って思ってwなんか得した気分w」

「うっさいっww私だって、ちょっとは愛嬌あるんだぞ?
それをさせない奴が悪いんだっつーの!」

「あはははははっ!!あはははははっ!!!はぁ~~~
ツボったぁ~~はぁああ~~~~wwwww」

「どんだけツボってるんだ?売り飛ばすよ?」

「うははははっ!!うはははははっ!!!
売られたら困るよぉ~~~ほほほほwwww」

「おほほってお前はマダムか?」

「あぁ~~腹痛てぇ~~ぎゃははっ!!」

俺はヌナの登場のおかげなのか安心したのか、
物凄く笑った。
病院内に響く俺の笑い声・・・
ユカリンにもきっと聞こえてると思ってる。

俺のうるさいくらいの笑い声が君に届くと信じて
俺は明日からINFINITE Hの活動に専念しようと
思った。

このままでも、君がいてくれればいいんだ。
エゴだって・・・なんだって。

俺はご両親ともう一度話をして、ヌナにも
明るい笑顔で手を振って家に向かった・・・

また虚しさに襲われるだろう・・・
いつまでも続かないだろう・・・
分かってる。
分かってるよ。
いつかは別れる時が来ることくらい・・・

それまで夢見ていたいんだ。
ユカリンに告白をして、好きだって言うんだ。
それから手を繋いで・・・
春になったら必ず桜の花を二人で見たい。



それまで・・・夢を見てもいいだろう?




ユカリン・・・君がいなくて寂しいよ。
君がいないと真っ暗闇みたいだよ。

家に帰って部屋に一人きりになると、
やっぱりいつものように襲ってくる寂しさに
俺は俺と戦って・・・・・・・・






 





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