Le Jardin Ensoleile ~ウヒョン~⑫ | K-POP恋愛小説(INFINITE/防弾少年団/etc...

K-POP恋愛小説(INFINITE/防弾少年団/etc...

amblo.jp/vanilla7creamより
引っ越しました。

今までINFINITE ONLYでしたが
これからは他のグループにも
挑戦致します★
暖かく見てくださると嬉しいです^^

Fantasy/恋愛/日常
短編集・・・など。

 

 

『1年は・・・365日・・・・365日は8760時間。

8760時間は525600分・・・』

 

『手が届かなくても・・・いつも一緒にいられなくても

       しばらく挨拶を交わして

    今日別れる間柄だとしても

     1年・・・また、何年・・・

     恋しい限り、待つことがある限り

      あなたと私の仲・・・

 

そんな気持ちを愛だと言ってもいいなら

私もあなたを愛だと呼びたい

 

手が届かなくても・・・・

今日別れるそんな出会いでも・・・』

 

 

『待ってる・・・』

 

 

 

 

 

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ねぇ・・・

君が現れてからというもの、僕の心はずっと囚われていたんだね。

君という鎖に・・・・

 

でも、それはとっても心地よい鎖。

そんなバカなって人は言うかも知れないけど、僕の存在する意味を

君が教えてくれたから。

 

繋がっていて・・・いいんだよって。

 

君の笑顔を見れる日がきっといつか来るって、ただそれだけを

夢見て今日まで走ってきたから・・・・

 

勝手に君を鎖だと言ったら怒るかい?

 

自然と溢れる涙に、もう何度川や空へと還しただろうか。

届かない想いは、届けようとはしない誰にも言えない僕だけのもの。

君はどうやってここまで来たのか、聞いてみたい。

 

僕が消えてからあの部屋で、1度は全て溶けて蜂蜜になってしまったのだろうか?

もし、そうならどうやってここまで来たのか。

知りたい・・・・。

 

でも、僕はなかなか聞けないんだ。

本心を聞くことは、その人を全てを抱える事でその責任が負えると

自身が持てるまでは決して安易に聞いてはならないと思うから。

 

もちろん、世の中には何の気なしに、そして無責任に話を聞こうとする者も

いるだろう・・・・でもそれは世間話。

それは、自分勝手な心を満たすためのただのネタ。

 

1つの話しを10倍にして、10倍にした話を、地平線が見せるほどの

大地に轟かせて、満足するだけだ。

僕はそうしたくない。

大事な君だから・・・・

 

傷つかないといけない時だってあるけど、その傷は僕が埋めてあげるって

もうあの蜂蜜瓶に誓ったから。

 

僕は溶ける・・・・

僕は溶けてた。

 

一緒になら、・・・怖くないよね?

 

マリー・・・何故なら僕はね・・・・・?

 

 

 

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マリー、いよいよその時が来たね。

 

何があるんだろう?

何かあるのかな?

 

俺たち二人はそんな期待と不安で胸を躍らせながら、さっきまでいた部屋から

漏れる陽の光を眺めた後に、それを見つけた・・・・

 

そう・・・・それは俺達に隠されていた秘密。

 

俺も知らなかった自分の事まで、俺達は知ることになった・・・・

 

最初は、マリーへの愛情や両親が残した秘密みたいなものが

あるのかと思ってた。

秘密と言ったら、同じことなのかも知れないけど、

それは予想もしないことで・・・・

 

 

ウヒョン:「マリー・・・写真が・・・・。」

 

マリー:「えっ?どれどれ?ほんとだ・・・私?でも・・・もう一人は?」

 

ウヒョンとマリーは顔を見合わせる。

ウヒョンはそれから手に持った写真を裏返すと、手を震わせた。

 

ウヒョン:「これって・・・俺?・・・嘘・・・・だろ?」

 

マリー:「えっ待って・・・・ウヒョン?」

 

写真の裏に書かれた、日付と二つ並んだその名前は、確かに

ウヒョンとマリーだった。

 

ウヒョン・7ヶ月

------・7ヶ月

 

マリー:「何これ?・・・・何これっっっ!!!!」

 

ウヒョン:「マリー!!落ち着けっ!!落ち着けって!!」

 

マリー:「何よこれ・・・・私とウヒョンが・・・兄弟だって言うの?

     嘘よ・・・そんなの信じないっっ!!」

 

ウヒョン:「まだそうだと決まったわけじゃないだろっ!?マリー!!俺を見ろっ!

      俺を見ろってっ!!」

 

マリー:「!!」

 

マリーのあまりの動揺に、ウヒョンはマリーの顔を両手で掴み、

そのうるんだ瞳に目を合わせた。

大きな瞳に長いまつげ・・・そんな瞳だったか?と思うほどに目を細めて

今にもこぼれ落ちそうな透明な不安が、俺の心にも押し寄せて

先にこぼしたのはどちらかも分からないままにキスをした・・・・

 

一体、俺達は気持ちも打ち明けぬまま、何度キスをしただろう?

 

苦しさから逃れるために、俺はそうしてしまったのだろうかと、

自問自答して、マリーがそれを受け入れてくれる事で言葉なんか

いらなかったのに・・・・

 

その写真が物語る何かを知るのが怖いのは、引き裂かれようとするのかと

五感が感じているからか・・・

 

勇気を出さなきゃ・・・一歩前へ。

 

ウヒョンは手に持った写真を1番後ろにして、次の写真を目に入れた。

 

ウヒョン:「マリー・・・・。」

 

マリー:「やだよっ!!やだよっ!見たくないっ!!やめてっ!!」

 

ウヒョン:「マリー・・・・もうさ・・・前に進も?何があっても俺はマリーを

      受け止めたいんだ。ううん・・・俺はもうどんなことがあってもそうするって

      決めてるから。だから、一緒に見よう?」

 

マリー:「・・・・・・。」

 

ウヒョン:「フゥーッ・・・・。」

 

めくられていく度に、二人は成長した・・・・

 

そして最後には、マリーの両親が微笑む写真があった。

その腕に抱えられているのはウヒョンとマリー。

 

ウヒョンは、震える唇を懸命に閉じようとする・・・・

泣きじゃくるマリーの頭を片手で抱え、片方の腕には写真。

 

全ての写真を見終わると、ウヒョンの腕は脱力していった・・・・

天井を見上げて、何度も息を吐く。

最初の1枚目を見た時に入ったヒビが、最後の1枚を見た後に粉砕して

辺りに散らばったように、何も考えられなくなった。

 

俺は何の為にここまで来たんだろう?

こんなことってあるのか?

俺は・・・・俺の両親は・・・・・?

 

俺と、マリーが兄弟・・・・???

 

嘘だ。

 

何のつもりでこんな写真を・・・・

マリーの両親が例え事故に遭わなくとも、これじゃまた蜂蜜瓶じゃないか。

 

頭では分かってるのに、恨めしい気持ちが沸き起こって、オーナーに

いますぐ講義したくなる。

 

そうだ・・・・そうだよ。

オーナーは知ってたのかよ?

俺達がいつかこうなることを分かってて、ずっと見守ってきたってのか?

じゃぁ、どうして俺はマリーと離れて暮らしてたんだよ。

 

ふざけてる・・・・

何もかも大人たちに滅茶苦茶にされた気持ちだ。

 

そう思った時、マリーは氷のような表情で俺の胸からゆっくりと顔を起こした。

パキパキと音を立てながら、マリーは伏し目がちに俺のお腹を見ているようだ。

 

 

マリーはもう蜂蜜瓶にはならないんだ、と、感じた瞬間でもあった。

 

その時、マリーのポケットから振動音が聞こえてきた・・・・

マリーはポケットから携帯を取り出して着信相手を確かめるとすぐに

その電話に耳を充てた。

 

マリー:「もしもし・・・・今、家です・・・実家の隠し部屋にいます。」

 

受話器の向こう側では何か大きな声が聞こえる・・・・

何を叫んでいるのだろうか。

 

あぁ・・・・隠し部屋にいることか・・・?

『違う。』

この鍵は確かオーナーから預かったとマネージャーは言ってたんだし。

 

星が瞬く頃に、信号のないトンネルが、早く早くと急かしているようで焦る。

曲がりくねったそのトンネルの中には、ジェットエンジンの形とよく似た

空調が車を見送りながら澱んだ空気を追い出している。

 

そこは一本径で、降りるまでは何も車を止めることはなくて・・・

”そんな”気持ちとよく似ていた。

 

電話を切ったマリーがこちらに振り返ると、あのトンネルに似ている口調で言った。

 

マリー:「オーナーが・・・今から行くって。」

 

ウヒョン:「オーナーが・・・・?それで・・・なんて?」

 

マリーは首を振って分からないと意思表示をする。

俺はどうしたらいいんだ・・・・

 

急に突きつけられた真実に翻弄されて頭が回らなくて。

 

マリー:「なんだか焦ってたよ。もう、真実を知っちゃったし、

焦ったってどうにもならないのにね・・・私と・・・ウヒョンが兄弟ってさ。」

 

ウヒョン:「やめろっ!!やめろよマリー・・・・やめてくれっ・・・・頼むから・・・

      だってそうだろ?ただの写真じゃないか。」

 

マリー:「そう・・・ただの写真だね。私とウヒョンがまたこうして出会うことも

     決められていたことだった。だって私達・・・・・。」

 

ウヒョン:「やめろっ!!言うなっ!!それ以上言ったら・・・・俺っ・・・・。」

 

マリー:「ウヒョナ・・・・受け入れなきゃ。私達は両親や大人達が造った身勝手な

迷路の塔に閉じ込められていただけ・・・今それが崩壊して、

私達は本当の意味で自由になった・・・・それに、ウヒョンとこうして出会わなくても

真実は変わらないし、私に起きた過去が変わることもないんだから。」

 

ウヒョン:「待って。それじゃ俺の両親は?俺の両親は別にいるんだぞ?

      マリー・・・写真だけで判断するには危険すぎるよ。まだ答えを自分で

      出さないでくれ。ちゃんと・・・・ちゃんとオーナーに聞こう?これから

      向かってるなら話してくれるんだろ?」

 

マリー:「そうかもね・・・でも、あんなに焦ってるオーナー・・・見たことないもの。

     ウヒョンの両親?きっと・・・理由があってウヒョンと私は引き離されたのね。」

 

ウヒョン:「だから待てって!!そう言ってるだろ?またお前はそうやって殻に

      閉じこもるつもりかっ!?」

 

マリー:「殻・・・・?そんな風に私を見てたの?まぁ、間違いではないけど・・・・

     私を救ったつもり?それで自分の心が満たされた?

     私は何も頼んじゃいないわ・・・。オーナーを待つまでもないわ。」

 

そう言ってマリーは俺に背を向けて出て行こうとする。

 

 

『くしゃくしゃの顔をしたのはどっちだったのかな・・・・?』

 

 

精一杯の腕を伸ばして、マリーの行く手を阻んだ。

 

ウヒョン:「行かせない・・・・・。」

 

マリー:「ウヒョン・・・放して。」

 

ウヒョン:「嫌だ・・・・行くな、マリー。」

 

マリー:「ここにいて、オーナーが来るのを待ってどうするの?

     結果はもう出てるじゃない。」

 

ウヒョン:「結果?結果がなんだってんだよ。それに結果がどうあれ、それでマリーは

俺に対して何か変えるのかよ?違うだろっ??少なくとも俺は違うっ!!」

 

マリー:「ウヒョン・・・結果が全てよ。何にしたって、結果で判断されるものでしょ?」

 

ウヒョン:「違うっ!!結果も大事かもしれないけど、その後だっ!!

      その後が大事なんだって・・・」

 

マリー:「そうとも言うわね・・・でも、出来ない事もあるよね。結果が出ても

その後にどうするかって考えたって、変わらない事実に私は・・・・。」

 

ウヒョン:「関係ないっ!!関係ないんだってっ!!少なくとも・・・俺には・・・

      マリー・・・・お前が好きだ・・・マリー・・・俺からもう離れないでくれよ・・・

      こんなの・・・辛すぎる・・・。」

 

マリー:「ウヒョン、何言ってるの?好きだなんて・・・・変な事言わないで。

     キスしたからって、私が同じ気持ちだと思ってるの?」

 

ウヒョン:「なっ・・・・・。」

 

オーナー:「おいっ!いるのかっ!!?」

 

カタン・・・・

 

マリーはその小さなドアの前に立つことによって、

そこに居ることを見える範囲で伝えた。

 

オーナー:「・・・・二人共いるんだな?」

 

ウヒョン:「はい・・・います。」

 

背の高いオーナーには相当キツイであろうその扉。

それでも体をねじ込んで二人がいる部屋へと入ってきた。

 

マリー:「オーナー・・・フランスにいたんじゃないの?」

 

オーナー:「いや・・・まぁ色々あってな。実は日本にいたんだ。

それよりマリー・・・そんな目をするな。」

 

ウヒョン:「オーナーさん・・・これ・・・。」

 

ウヒョンはオーナーに二人が見た全ての写真を差し出した。

 

オーナー:「ん?これがどうしたんだ?はははっ二人共可愛いなぁ~

       昔を思い出すよwウヒョン君、君も驚いただろう?」

 

ウヒョン:「はい・・・なんで俺が写ってるんですか?俺の両親って・・・・。

      オーナーさん・・・違いますよね?マリーと俺が・・・・。」

 

オーナー:「ん?二人が何?それよりウヒョン君・・・今まで黙ってて

済まなかった・・・君の本当の両親から連絡があったのはつい最近でね・・・・。」

 

ウヒョン:「えっ・・・・本当の・・・両親って・・・・?」

 

マリー:「えっ・・・・最近連絡があったって・・・どういう事???」

 

オーナー:「どうした、そんな顔をして・・・確かにウヒョン君に直ぐに伝えられなかった

事は悪かったと思ってる・・・仕事が忙しくてね。私もマリーの両親とウヒョン君の両親が

知り合いだったなんて知らなかったからねぇ・・・。」

 

マリー:「えっ??えっ???どういう事・・・ちゃんと説明してくださいっ!」

 

ウヒョン:「俺の・・・本当の両親・・・・?」

 

オーナー:「そうだなぁ・・・何から話せばいいんだか・・・・。」

 

ウヒョン:「順番はどうでもいいですから、早く教えてくださいっ!!」

 

マリー:「えっ?待って。私とウヒョンは兄弟なんじゃないの???」

 

オーナー:「えっ?なんでそう思ったんだ?そんなワケないだろう・・・。」

 

それをオーナーの口から聞いた俺とマリーは、

ポカンと口を開けたまま顔を見合わせた。

 

拍子抜けした。

さっきまでの悲劇の舞台はまさに、舞台上でのことだった。

想像力に長けているとしか言い様がない。

逃れられない恥ずかしさに俺たちは互いにそっぽを向く。

視線の先にはマリーの思い出たちがにわかに笑っているように見えて

俺たちは急に吹き出した。

 

マリー:「プッ・・・あたしって・・・。」

 

ウヒョン:「マリーって・・・・・。」

 

マリー:「あはははははっwwwwww」

 

ウヒョン:「バッカじゃないのぉ~っ?wwwww」

 

マリー:「うっさいよ!!wwwww」

 

オーナー:「はぁ~?なんだお前ら・・・・。というかいつの間に

そんなに仲良くなったんだ?暫くぶりでも顔を合わせてた二人だからそうなのかねぇ・・・。」

 

そんなオーナーの疑問する声も届かない二人の笑い声は、

部屋中に広がり、跳ね返ってはまた響いた・・・・