「テラフォーマーズ」 ★★★~ウワサほど悪くない、ダメなのは演技 | そんなことより恋をしろ

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※※※ 注意 ※※※

 「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
 これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2016』の掲載にあたって」



ウワサほど悪くない、ダメなのは演技

★★★

テラフォーマーズ

(C)貴家悠・橘賢一/集英社 (C)2016 映画「テラフォーマーズ」製作委員会




(2016年/日本/109分)

【 監督 】
三池崇史

【 原作 】
貴家悠
橘賢一

【 出演 】
伊藤英明
武井咲
山下智久
山田孝之
小栗旬
ケイン・コスギ
菊地凛子
加藤雅也
小池栄子
篠田麻里子
滝藤賢一
太田莉菜
福島リラ




【あらすじ】

 人口爆発を迎えた近未来の地球。人類は火星移住計画を実行すべく、火星にコケと、ある生物”を送り地球化を図ろうとしていた。
 それから500年後、その生物を駆除するため、日本は火星に15人のならず者の隊員を火星に送り込む。しかし、その生物は人型に異常進化して凶暴化しており、隊員たちに襲い掛かってくる。
 絶体絶命の彼らだったが、それらを駆除すべく彼らの身体にはある秘密兵器が仕込まれていた―


【コメント】

 さて、GW本番!ということで、僕は恒例の岩手県は盛岡の実家へ帰省し、家族の健在を確認のうえまったりとした休暇を過ごしているわけですが、そこはもちろん映画鑑賞をしないわけにはいかないだろうと「盛岡フォーラム」に足を運んだ次第。ちなみに、盛岡には“映画館通り”という名があるくらい、映画館は他の地方都市より多くあるんです。
 今回は、公開前からどこぞの映画評論家のおかげで悪評が高い本作をチョイス。そんだけ酷いのなら観ないわけにはいかないだろうという心理ですね。原作は相変わらず未読ですが、友人に勧められアニメ版は鑑賞しています。


テラフォーマーズ

(C)貴家悠・橘賢一/集英社 (C)2016 映画「テラフォーマーズ」製作委員会



ウワサほど悪くない、バカSFアクションとすればOK

 うーん、なるほど。いや、ぶっちゃけ僕は前評判ほど悪くはなかったと感じましたね。CGも申し分ないし、それなりのストーリーテリングもあるし盛り上げる部分はしっかりと盛り上げる。中弛みも特段しないし、アクションの百戦錬磨である三池崇史監督はしっかりとエンタメのセオリーを踏襲していたと思いますよ。
 そもそも、異常発達した凶暴なゴキブリに対抗して、人間が昆虫化して立ち向かうという設定自体がブッ飛んでいるわけだし、途中、昆虫の説明が入るのもアニメのとおり。アニメ版は国際色豊かなキャラが揃っているのに対し本作は日本人ばかりですが、そういう改変に目をつぶったとしても僕は特段酷い映画だとは感じませんでしたし、最高とは言い難いものの“バカSFアクション”としてそれなりに楽しんで観ましたね。


CGは違和感なし、ゴキブリ軍団は見どころ

 日本製SFアクションということで、どれほどのレベルに達しているのか、また妙なミニチュアや着ぐるみでも見せられるのかと思いきや、さすがにそこはそれなりのCG技術を駆使しているようで、ゴキブリ軍団はうまく表現できていたと思います。ゴキブリの波はちょっとした見どころですね。
 昆虫ヒーローはちょっと間抜けな感じもしないでもありませんでしたが、まあSF表現に違和感はありませんでしたし、邦画のCGの進歩は感じられましたね。


ダメなのは役者の演技

 とはいえ、やっぱりこりゃダメだなーと感じた部分はあって、それは紛れもなく役者の演技。ぶっちゃけ、主役の伊藤英明は「あれ、キャリア長いはずなのになぜこんなに大根演技なんだ?」と感じずにはいられませんでしたね。同じく山Pのインチキくさい英語も違和感アリアリだったし、ケイン・コスギの片言日本語もこれまたしかり。ブッ飛んだ設定に役者の演技が浮きまくってて全然マッチしていない。
 小栗旬のギャグ的な位置付けはギリギリ許せたかな、あと山田孝之と菊池凜子はさすがの堂々とした演技。問題は主役ですね。


輝かなかった女優陣たち

 役者でいけば、女優陣たちももったいないというか、イマイチ輝きに欠けていて残念だったところ。
 武井咲はしょっぱなで退場してしまうし(ラストにまた登場しますが)、篠田麻里子も目立った活躍なく殺されちゃう。唯一小池栄子はクライマックスでリアル蟷螂拳を炸裂させていますが、ここという場面があまりない。ハリウッドでも活躍した福島リラも、結局は小栗のギャグに付き合わされただけでしたしね。
 意外に豪華な女優陣だったはずなのに小物的な扱いだったのは非常にもったいない。


いつまで迷走する三池崇史監督

 そんなわけで、僕的には悪くはなかったと思いますが、世間的には駄作のレッテルを張られてしまった本作。これでは、続編も難しいところでしょう。
 しかし、ここ最近の三池崇史監督の迷走ぶりはいかがなものかと感じちゃいますね。昨年の『極道大戦争』は本当にひどい映画でしたが、どうも「これぞ三池印!」といった作品がここ数年現れていないんですよね。好きな監督のひとりなだけに、作品は乱発せずじっくりと練ってほしいです。


テラフォーマーズ

(C)貴家悠・橘賢一/集英社 (C)2016 映画「テラフォーマーズ」製作委員会



【2016年度 Myランキング】(4/30時点)

 本作は、本年度のベスト10ワースト3ともにランキング外。
 実家寒ぃーよ!


(ベスト)… ★★★☆以上が基準

  1位:オデッセイ ★★★★
  2位:アイ アム ア ヒーロー ★★★★
  3位:マジカル・ガール ★★★★
  4位:さらば あぶない刑事 ★★★★(思い出補正あり)
  5位:ボーダーライン ★★★☆
  6位:ヘイトフル・エイト ★★★☆
  7位:スポットライト 世紀のスクープ ★★★☆
  8位:ズートピア ★★★☆
  9位:ちはやふる -上の句- ★★★☆
 10位:
  次点:
     
     


(ワースト)… ★★☆以下が基準

  1位:セーラー服と機関銃 -卒業- ★★
  2位:X-ミッション ★★☆
  3位:信長協奏曲 ★★☆


<その他ランク外一覧>
ブリッジ・オブ・スパイザ・ウォーク残穢-住んではいけない部屋-白鯨との闘いスティーブ・ジョブズドラゴン・ブレイドゾンビスクール!珍遊記パラドクスザ・ブリザード僕だけがいない街デッド・オア・リベンジバットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生インシディアス 序章あやしい彼女暗殺教室 ~卒業編~ルームテラフォーマーズ






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