「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。
ウィル・ポールター
アルジー・スミス
ジェイコブ・ラティモア
ジェイソン・ミッチェル
ハンナ・マリー
ケイトリン・デバー
ジャック・レイナー
ベン・オトゥール
ネイサン・デイビス・Jr.
ペイトン・アレックス・スミス
マルコム・デビッド・ケリー
【あらすじ】
1967年夏、アメリカ・デトロイトで白人警官と黒人住民の小競り合いから暴動が発生。街には暴徒と化した住民たち、そしてそれを鎮圧するため警察官と兵隊までも動員され、瞬く間に街は戦場と化していく。
そんな中、アルジェ・モーテルで銃声が発生し、警察官と兵隊はモーテルに乗り込むが、そこで警察官がモーテルに泊まる黒人の宿泊客たちに不当な強制尋問を行い、自白を強要する―
【コメント】
さて、今回は『ハート・ロッカー』や『ゼロ・ダーク・サーティ』などアメリカの暗部を鋭く突いた社会派のサスペンスものを作らせたら右に出る者はいない女性映画監督キャスリン・ビグローが満を持して放った新作を鑑賞。
とはいえ、僕はどうにもビグロー監督とは相性が悪いみたいで、『ハート・ロッカー』『ゼロ・ダーク・サーティ』ともにピンとくるものではなかったので、本作も大丈夫かという不安もありつつ「立川シネマシティ」に足を運んだ次第です。
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「アルジェ・モーテル事件」に特化した展開
本作は、1967年にアメリカはミシガン州のデトロイトで実際に起きた「デトロイト暴動」について忠実に映画化したもので、とりわけアルジェ・モーテルで起きた黒人男性3名が殺された事件、通称「アルジェ・モーテル事件」に特化したものとなってますね。
アルジェ・モーテルで起きた事の発端から終息までを、とにかく事細かに余すところなく描いているので、本作のハイライトである40分にも及ぶ尋問シーンは鬼気迫る迫力。観てると辛くなること必至です。
ビグロー監督らしくドラマチックな展開はほぼ皆無で、ただただ事実だけを積み重ねているので、そこから何を言わんとしているのかを読み取る必要があると思います。本作をどう捉えるかで本作の評価は変わりますね。
ジョン・ボイエガとウィル・ポールターの演技が光る
ドキュメンタリータッチの作品なので、主役らしい主役がいない群像劇となっているわけですが、なかでも警備員役のジョン・ボイエガと自白を強要する警官ウィル・ポールターの演技が光ってましたね。
ジョンは、「スターウォーズ」新3部作にも出演しているので今や旬なアクターと言っても過言ではない活躍ぶりを見せていますし、ウィル・ポールターなんか「ナルニア国物語」で初々しかったイメージが、本作では差別主義者の悪徳警官というダーティな役柄で出演しているので、また新たなステージに上がったなと。
群像劇ながら、この2人のインパクトは特に強かったですね。
浜ちゃんのエディ・マーフィ騒動で参考になる映画
本土アメリカではこのような黒人差別に端を発した事件が数多くあるわけですが、とかく人種差別というものに疎い島国日本では年明け早々から「笑ってはいけないアメリカンポリス」で浜ちゃんが扮したエディ・マーフィの黒塗りコスが問題になっていたのは記憶に新しいところ。
これを差別だ!言われて同調した日本国民は正直それほど多くなかったんじゃないだろうか。なにしろ、それを体験した日本人もいないし、日本では人種差別自体の歴史が皆無。「え、これって差別になるの?」という感覚だった人のほうが多かったように思います。僕もリアルタイムで観てたけど、差別的な目線で全然見てなかったしね。
だけど、こういった歴史を経験してきた黒人の立場から見ればやっぱり決して愉快に見て取れるものではなかったんだと理解するべきなんでしょう。インターネットが普及し世界から日本が注目される中、日本国民もそういった世界の歴史や情勢を理解して行動しなくてはいけないということなんだと思います。
そういった昨今で、本作は非常に参考になる映画なんじゃないかと思いますね。
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【2018年度 Myランキング】(1/28時点)
本作は、本年度のベスト10ワースト3ともにランキング外。
大風邪ひいた・・・
(ベスト)… ★★★☆以上が基準
1位:
2位:
3位:
4位:
5位:
6位:
7位:
8位:
9位:
10位:
次点:
(ワースト)… ★★☆以下が基準
1位:
2位:
3位:
<その他ランク外一覧>
キングスマン ゴールデン・サークルジオストーム咲 Saki 阿知賀編 episode of side-A祈りの幕が下りる時デトロイト