先週の土曜日、研修員の日本語学習達成度テストを行った。筆記テストのほうは結果が数字で表れるが、会話のほうはそうはいかない。勉強が進んだ分、質問を複雑にしたり、ロールプレイをしたりして基礎力、応用力の両方をみなければならない。

ロールプレイで一番おもしろかったのは、次の問題だ。


「あなたは風邪をひいて会社を一週間休みました。今日から出社します。会社へ行ったら、何と言いますか」


期待される答えは、

「長い間休ませていただいてありがとうございました。おかげさまで、もう大丈夫です。 ご迷惑をおかけしました」

のようなもので、謝罪とお礼が言えれば及第とする。 


研修員の人たちはこういう状況での言い方を教わっていないが、さて、どう答えるだろう。


一人目。出社したら、こう言うそうだ。

「こんにちは。お元気ですか?」


私は面接官(質問役)なのに、この時点で笑いが止まらなくなり、非常に苦しい思いで受け答えをした。

「風邪は、もう大丈夫ですか」

「はい、もう大丈夫です」

これ以上やっていても意味がないので、そこで終了した。


二人目は「ありがとうございました」が言えたので、まあまあ及第点。


三人目。この人は医師で、非常に考え深く、まじめな人柄だ。

「おはようございます」

「風邪はもう大丈夫ですか」 

「はい、大丈夫です。風邪で一週間休みました・・・・・今日は、来ました・・・・あのう・・・・あのう・・・それで・・・
どうするの?」

もうダメ!!!
失礼だと思いながらも、笑いが止まらない。とても、次の質問に移れない。

こういうとき、試験官というか、面接官はどうやって自分をコントロールするのだろうか。
私には笑い転げるしか手がなく、筆記者もみんな笑っていた。
研修員の人は傷ついたかもしれない。

まだまだ修行が足りないな。