ノストラダムス 第5章54番 ビザンチウムに血まみれの鞭を置く | 浅利幸彦の預言解読講座

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預言書(主に聖書とノストラダムス)を解読して未来を明らかにしていきます。
未来において艱難が起きますが、その前に天使軍団(天使的未来人)による義人救出=携挙、が行われる、と預言されています。

昨日はノストラダムスの2-29の解説をしたのだが、ブランダムールが2-29の解説のところで
これは内容的に5-54と照らし合わせることができよう
と指摘していた。


それで5-54を見ると、確かに共通する行がある。
ブランダムールは、ノストラダムスの作品を文字通りに受け取って、

「それに似た歴史的事件を当てはめる」という作業しかしていない。
象徴的解釈を全然していない。
象徴的解釈ができないのか? 彼の信念としてしようとしないのか?
とにかく、「文字通り」にしか受け取っていない。
彼の解釈は全然参考にはならないのだが、解釈とは別のところで参考になる部分は僅かだがある。

では、5-54を考えていこう。


ノストラダムス 第5章54番


Du pont Exine, & la grand Tartarie,
Vn Roy sera qui viendra voir la Gaule,
Transpercera Alane & l'Armenie,
Et dedans Bisance lairra sanglante gaule


大いなるタタールと黒海の彼方から
ひとりの王が登場 フランスを見にくるだろう
アラニア アルメニアを越え
ビザンチウムに血まみれの鞭を置く
(山根和郎 訳)


ポントゥス・エウクシヌスと大タルタリアから、
一人の王が現れるだろう。彼はガリアを見に来ようとして、
アラニアとアルメニアを貫通し、
ビュザンティオンでは血塗られた鞭を残すだろう。

(ノストラダムスの大事典の訳)
http://www42.atwiki.jp/nostradamus/pages/498.html


ちなみに昨日取り上げた2-29は、


東方の者がその座から出立するだろう、
アッペンニーノ山脈を越えて、ガリアを見るために。
彼は天の水と雪とを突き抜けて、
おのおのをその鞭で打ち据えるだろう。
(ノストラダムスの大事典の訳)

である。


2-29の1、2、4行目 

東方の者がその座から出立するだろう、
アッペンニーノ山脈を越えて、ガリアを見るために。
おのおのをその鞭で打ち据えるだろう。


5-54の1、2、4行目

ポントゥス・エウクシヌス(黒海)と大タルタリアから、
一人の王が現れるだろう。彼はガリアを見に来ようとして、
ビュザンティオンでは血塗られた鞭を残すだろう。


は確かに関連している。ほとんど同じといってよい。
同じ語、共通した表現が出てくる詩は、ペア、グループを形成している
と考えられるので、2-48、2-29、5-54はひとつのグループ、詩群を形成している、と考えられる。
昨日

>お互いに「持ちつ持たれつ」の関係になっている。
ペア、グループを形成している詩群を併せて、照合して解読していって初めて、その真意が明確に解るように作成されているのである。


と書いた。
では、2-48と2-29の解釈をふまえつつ、ノストラダムスが5-54で、更に付け加えたかった情報とは何だろうか?
ということを考えていこう。
まず、1行目、


大いなるタタールと黒海の彼方から
ポントゥス・エウクシヌスと大タルタリアから



ポントゥス・エウクシヌスとは「黒海」である。
預言書では海は宇宙の暗喩である。
黒は闇、ブラックホール、闇の子、サタン、悪魔軍団を連想させる。
そうすると「黒海」とは「宇宙にいる悪魔軍団」を暗示している、と考えられる。
「黒海の彼方から」というと、これだけで

「遥か遠い宇宙(未来の宇宙)から来た悪魔軍団の襲来」という意味ではないか、と考えられる。


一人の王が現れるだろう。彼はガリアを見に来ようとして、


ここにガリア(ゴール)が出てくるが、ガリアはケルト人から「地球の原住民、過去人を指している」と思われる。
また、2-48と2-29と関連付ける為にガリアを出して、こういう書き方をした、と考えられる。


アラニアとアルメニアを貫通し

アラニア Alane について、ノストラダムスの大事典は、


>アナトール・ル・ペルチエはアストラハン(現ロシア・アストラハン州)などを含むコーカサス北部の地方名としていた。彼は語源上の説明をしていなかったが、マリニー・ローズは、古代にアラニ人が住んでいた地域として、この呼び名を使ったのだろうとした。
英語圏の文献では、アラニア(Alania)と訳されることがしばしばである。それはかつてアラニ人たちが建てた国の名前である。



と注釈しているが、Alane Alania というスペルは何となく Alien エイリアンを連想させる。
Alien のアナグラムかな?
ちょっと遊び心でエイリアンを暗示したのかな?
という気がする。

そして、この詩の最も問題となるのは4行目である。


ビザンチウムに血まみれの鞭を置く
ビュザンティオンでは血塗られた鞭を残すだろう。



Bisance とは、ビザンチン帝国である。
これは、コンスタンチノープルと訳されることも多いが、コンスタンチノープル、現イスタンブールを首都とした東ローマ帝国のことである。
これについては、昨日

>イスタンブール(コンスタンチノープル、原典ではビザンチン)は、西洋と東洋の接点、ヨーロッパとアジアの接点に位置しているので、ミレニアムの接点にあたる1999年の暗喩、象徴として代用されている。

と説明した。


コンスタンチノープルはビザンチン帝国(東ローマ帝国)の首都であり、ビザンチン帝国の象徴である。
かつては地中海の東半分を占め、広大な領土を誇ったビザンチン帝国もオスマントルコなどに蚕食されて領土を縮小して、ついにコンスタンチノープルは1453年に陥落した。


かつてのビザンチン帝国はコンスタンチノープルを首都としながらも、主にその東側、今のトルコを領土としていた。
預言では、東は未来を象徴するので、ビザンチン、ビザンチン帝国とは預言的には「1999年よりも後、21世紀以後」を暗示している、と考えられる。


ビュザンティオンでは血塗られた鞭を残すだろう。



鞭というと、「主人が奴隷を懲らしめる為に使った道具」だし、
「血塗られた」とあるので「言うことを聞かなかった奴隷は容赦なく殺害し処分した」
と考えられる。
この詩は「黒海、血塗られた鞭」とあるから、前史の描写、悪魔軍団が地球を襲来し、地球人を征服して奴隷化していった過程を記述したものだと解釈できる。


では、5-54の詩に込められた「この詩特有の情報」を考えてみよう。
2-29と2-48では、
未来人による襲来、訪問と歴史変更があった、と解る。
第1波が悪魔軍団による襲来であり、第2波が天使軍団による来訪である。


だが、この二つの詩には、時を推測する語がない。悪魔軍団の襲来がいつなのか?は判らないのである。
それが、この5-54には、ビザンチンという「1999年以後、21世紀以後」を暗示している語が入っている。
だから、悪魔軍団の襲来、そして悪魔支配=悪魔帝国は21世紀に起きる、と判る。

しかも、


ビュザンティオンでは血塗られた鞭を残すだろう。


という虐殺と虐待、奴隷化を暗示している言葉があるので、
「21世紀以後の地球人は悪魔軍団によって征服され、虐殺、虐待されて、奴隷にされてしまっている」
とまで判るのである。


このグループを形成している三詩を比較、照合、総合していくと、
ひとつの詩だけでは判らないことが、かなり鮮明に判ってくる、という構成になっているのである。