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理化学研究所のプレスリリースから


「時間スケールの異なる2種類の可塑性の効果を組み込んだ理論モデル」

従来の理論モデルでは、2種類の可塑性がつりあうことで安定状態に達すると考えられてきました。しかし、共同研究グループの解析の結果、もしそうだとすると、2種類の可塑性の時間スケールに違いがある場合にはシナプス結合が不安定になって眼優位性の可塑性を忠実に再現できないことが示されました。この問題点を克服するため、共同研究グループは、「ヘッブ型可塑性は短い時間スケールで、整調型可塑性はより長い時間スケールで働き、それぞれ独立に安定状態に達する」という新しい理論モデルを構築しました。そして、そのモデルが、「眼優位性の可塑性」の実験結果を、可塑性に関わる分子メカニズムへの依存性を含めて、非常によく再現できることを確認しました。

経験による脳の変化を司る2つの可塑性が相互に調整しながら働くメカニズムが明らかになったことで、脳の成長や記憶のメカニズムの理解が進むだけでなく、薬剤が脳の発達障害や学習障害に与える影響を予測して、医療現場などにフィードバックすることも可能になると、期待されます。

「経験による脳回路の変化を新モデルで予測」理化学研究所プレスリリース2014

こういった基礎研究の積み重ねが、メカニズムを明らかにし、そのメカニズムに働きかける方法や化合物が見出されあるいは開発されていくことで、治療方法や薬剤がもたらされるわけですが、実際には、その過程で多くのものが辿り着けずに開発候補から脱落していきます。
残念ではありますが、そういった積み重ねがなければ、最終的な成果に到達できないのも事実です。
基礎研究の段階で治療の期待をするのは早計ですが、基礎研究の成果が、臨床に成果をもたらすことを祈ります。

今回の話は、純粋に、メカニズムとして興味深いです。
それを解き明かす人間の知恵に感心しますが、これが進化で出来上がってきたというところに、生物の凄さを感じます。
本当にすごいな…