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今回は、歯の予防について書きます。
以前、NHKのプロフェッショナルの流儀で、山形県酒田市で歯の予防に取り組む熊谷崇先生の特集をしていました。
その取り組みはかなり徹底しており、患者さんに虫歯があっても、すぐに虫歯治療をすることはしないと決めいているそうです。
まず、ブラッシングやフロッシングの重要性を十分に理解していただき、生活習慣における注意点を説き、口腔内を衛生的に保つことが出来るようになって、はじめて虫歯治療を行っていくというもの。
もちろん、痛みがある場合には、その痛みを取り除くことはします。
この取り組みには、相当の覚悟が必要であったことでしょう。
虫歯の治療に来たのに、なかなか虫歯治療をしてもらえず、ブラッシング指導やPMTCを繰り返すだけだと、多くの患者さんはその医院を離れていってしまうでしょう。
しかし、熊谷先生は35年間ご自身の信念を貫き、予防の重要性を説き、地域の医療に貢献されてきました。
なんと、酒田市11万人の人口の約1割のヒトが、定期的な予防処置を受けるために、熊谷先生の診療所を訪れるそうです。
凄すぎます。
すべては、先生の信念や誠実なお人柄に惹かれ、信頼していることに尽きるでしょう。
ヒトは、自分のことを真剣に考えてくれるヒトに、全幅の信頼を寄せるものです。
はっきり申しまして、「予防」というものは、利益が上がりません。
それでも、医療人として、患者さんの幸せを願うなら、ここに全力で取り組むしかないのです。
予防に取り組まず、悪いところだけを治療しても、またすぐに再発してしまうことを、我々は嫌というほど知っています。
賢明な読者のみなさん、是非、きちんとブラッシングをし、定期的なPMTC（歯のクリーニング）を受けましょう。
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