当ブログをご訪問いただき、ありがとうございます。

今回は、歯列矯正の安定と親知らずの抜歯について書きます。

歯列矯正をお受けになる方の多くは、多少なりとも下顎前歯部にクラウディング(叢正、凸凹)があると思います。

下顎前歯部は、クラウディングが非常に起こりやすい部位です。

それは以下のような理由によります
●乳歯から永久歯への歯の生え変わりに際して、萌出(ほうしゅつ;歯が生えること)するスペースが不足している
●下顎前歯は歯根が細く、歯が動きやすい
●親知らずがあると、親知らずの萌出力により歯列が奥から押され、下顎前歯部が凸凹になる
●上下の前歯の噛み合わせが緊密だと(強く当たっていると)、下顎の前歯が凸凹になって噛み合わせの力を逃す


10代後半~20代にかけて、親知らずは歯根の発育と萌出をしてきます。

したがって、元々歯並びが綺麗であっても、下顎前歯部にクラウディングを高確率に生じます。

また、親知らずの成長と萌出は、既に生えている大臼歯(奥歯)を挺出(ていしゅつ;押し出すこと)させる効果があるため、時に開咬(オープンバイト)を引き起こします。

歯並びに関心の高いアメリカでは、これらを見越して早期に親知らずを抜歯してしまうのでしょう。


歯列矯正をした方は、無論、後戻りを生じようとしますので、保定を終了する前に親知らずは抜歯しておくのが得策です。

そうしないと、必ず下顎前歯部にクラウディングを再発してしまうでしょう。

受験や就職、妊娠などの重要な時期を避け、親知らずは早めに抜歯しておくことをお勧めいたします。


                  ブログランキング・にほんブログ村へ