ほとんどの患者さんは、患者さんにとってよいと思われる治療計画をいくつか提案すれば、それぞれのメリット、デメリットを比較検討の上、その中からご自身の希望に沿う治療法を選ばれます。

ところが、中にはあまりにも希望が多すぎて、きちんとした治療計画が立案できない患者さんもいます。

特に、矯正治療では、非抜歯での治療を希望される方が多くいますが、現実的には非抜歯できちんと治療できるケースはそう多くはありません。

それでも非抜歯を希望されるのであれば、矯正用のインプラントを併用することで、非抜歯治療が可能になるケースがあります。


矯正治療において患者さんの希望が多いものは、
●非抜歯治療
●目立たない装置(舌側矯正やマウスピース矯正)
●短期期間での治療
●矯正用インプラントを使わない方法
●低料金


表側からの治療でも困難なほど複雑な歯列不正の場合、裏側(舌側)矯正ではきちんと仕上がりませんが、どうしても舌側矯正を希望される方もいます。

また、非抜歯ではきちんと治る見込みがない歯並びであるのに、抜歯はもとより、インプラントもしたくないという方もいます。

もしかしたら、そのような患者さんの要望に沿った治療を引き受けてくれる歯科医師もいるかもしれません。

しかしながら、治療ができるということと、治療の仕上がりが良いということは、全く別次元の話です。

正直に申し上げますと、無謀な治療計画で治療をするくらいなら、しない方が身体への害が少ないでしょう。

無理な治療を行うことで、歯がダメになったり、噛み合わせが悪くなったり、しいては体調不良を起こすこともあります。



治療へのご要望は、治療計画を立案する上でとても重要となるため、遠慮なく伝えていただいた方がよろしいと思います。

しかし、必ずしも要望に沿う治療計画が、患者さん自身にとって良い結果をもたらすものではないこともご理解いただければと思います。


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