歯周病は、成人の80%が罹患しているとも言われています。
しかし、本当にそうなのでしょうか?
確かに、高齢になればなるほど、歯周病に罹患しているヒトは増えるでしょうし、歯が無いヒト、虫歯や治療済みの歯も増えます。
年代別に見れば、20代や30代などの若い年代では、本当の歯周病に罹患しているヒトはかなり少ないのです。
臨床的には、40代になってくると、歯周病的な症状がよく見られるようになってくると感じています。
当然ながら、50代、60代になれば、免疫力の低下と骨密度の低下(骨粗しょう症)が重なり、歯周病に罹患しているヒトはどんどん増えていきます。
一般的に、若い年代のヒトは代謝が活発で、免疫力も高いため、病気にかかり難いし、病気になっても症状が軽い、あるいは症状も出ずに治癒してしまうと思われます。
もし、20代、30代で重度の歯周病に罹患しているとすれば、全身疾患との関連や、食習慣を中心とした生活習慣の乱れが原因でしょう。
一方で、60代、70代でも歯周病に罹患せず、何でもバリバリ食べられるヒトもいます。
そのような方は、ブラッシングの良さもさることながら、きちんとした食生活を営んでいるのです。(野菜の摂取が多い)
ちなみに、1~2本の歯が揺れるのは、歯周病ではなく、咬合性外傷(噛み合わせが原因で骨が溶ける)であることがほとんどです。
歯周病は、口の中で起きている病態のひとつに過ぎません。
歯周病になる歯茎や骨も、全身とのつながりのある組織の一部です。
もし、歯周病を予防したいのなら、ブラッシングの励行はもちろんのこと、食事のこと、運動のこと、睡眠のこと、生活リズムのことなど、全身の健康についても考える必要があるでしょう。
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