リロ、最期のとき。その4 愛 | ちびとゆっくり・・・

ちびとゆっくり・・・

どちらかというと犬のほうがずっと好きだったのに、ちびと出会ってすっかりネコちゃんのとりこに・・・
ちびの成長を残したくて、始めました。
ちびとゆっくり・・・この先の人生をあゆんでいきたい。

少しでも楽になるのならと、毎日 通院へ通いました。
しかし、リロは日毎に弱って行きました…
ある日、シンクへ登ろうとして踏ん張りが効かず、滑ってしまい
床に落ちてしまったのです。
慌ててステンレスの部分に滑り止めのマットを敷きました。
しかし…2度と使うことはなかったです。
キッチンを見上げ
「僕はもう登れる力はないんだ」
そう悟ったようでした…。

それでも、キッチンのシンクが冷たくて気持ちが良いのでしょう。
寂しそうに見上げてると、抱っこしてシンクに置きました。
少し寝て、移動したくなった様子を見たら
シンクから降ろして…。
玄関にもよく行っていました。
私はいつもリロの側で座っていました。
まだ肌寒い季節なのに、冷たい所へ行くリロ。
冷たいところは良くないと言われていましたが、リロが穏やかに過ごせるならと
好きなようにさせました。
この頃にはもう…強制給餌もやめ、口を潤したり、好きなものに反応しないか、目の前に置いたりする程度でした。

{FF13F72B-954B-4E31-A859-35403FBAB2DD}

嫌なことをいっぱいしていたのに
「おいで」っていうと大きなお腹を引きずって
お膝に乗り、甘えます。
私のそばにいたいのか、私が長くいる事の多いキッキンで横になることが多かったです。
あんなに可愛い声をしていたのに
私の姿が見えないと
かすれた、声にならない声で、私を呼びます。
出来るだけ側に…

{37F6B80A-7159-4546-840C-E0A7A5113A46}

胸水も溜まり始め、夜は本当に苦しそうでした。
一生懸命息をしているのが分かりました。
「リロ…ごめんね。頑張って。
    ママ、リロの側にいたいよ…。」
リロは悲しそうに見つめてきます。
しんどいよ、ママ…そう言ってるようでした。
もう、どんな体勢でも辛いのです。
抱っこも出来なくなりました…。

仕事から戻って来たサトに
「リロを楽にしてあげたいの…。」
声を絞り出して伝えました。
リロはそれを横で聞いていました。

「リロ…。お前はよく頑張ったよ。偉かったな。」

そういうと、サトは静かにリロを撫でました。
すると、突然リロが起き上がり
私の膝を通過してサトの腕の中に入って行きました。
サトに抱っこされに行ったのです。

{01A6E71A-114B-4689-865B-8F31F6E632B4}

怖がりのリロは、仕事で朝早くて夜遅い、ほとんど家にいないサトに懐いていませんでした。
撫でようとすると逃げ
無理やり抱っこすると迷惑そうな顔をし
何とか逃げ出そうともがいていました。

そんなリロが、初めて自分から抱っこされに行ったのです。
サトの目から、大粒の涙がこぼれ落ちました。

その日、サトとリロは
リビングで一緒に寝ました。

{E8616596-C838-4D26-9EEB-56B07303EA54}

朝を迎えました。
体温は34.1度しかないのに
冷たいところへ、冷たいところへといくリロ。
まだ風の冷たい季節でした。

{88DEE25C-B515-447D-B5D5-B5E2379C87E8}

窓を開けてあげると、お日様にあたりに行きました。
気持ちよさそうに風を感じ
ひんやりした空気を楽しんでいるようでした。

{9CDB7C93-70A0-4649-BB1D-4203E4238A18}

呼吸が落ち着いていました。
私は…決心が揺らぎました…。
まだ大丈夫なんじゃないか。
側にいたい…!

結局、私は決断出来ませんでした…。
リロ…リロ…ごめんね…。

本当なら、ここで決断すべきだったんです。

朝は呼吸も落ち着いていて
夜になると苦しくて…
夜、苦しんでいるリロを見て、明日こそは楽にしてあげようと思い
朝になると落ち着くから、もう少し頑張って!と思う…
こんな事を繰り返してしまいました。

利尿剤をいつもの点滴に加え始めると
自分でトイレのコントロールをするのが大変だったようでした。
シーツに最初真っ黄色なオシッコを・・・
1度 失敗し、その後はトイレで3回。
オシッコが出て、おなかの圧迫が少し楽になるのか
お水とちゅーるを自分から少し飲みました。

{6D44C7CD-78B7-4313-8A68-A7A1C815D9EC}

休み休みしか移動出来なくなったリロ。
夜中の事です。
急に立ち上がり、どこかに行こうとしたリロは
必死に移動して、その場に希望する物がなかったのか
絶望的な顔をして倒れるように座り込みました。
ハッ!としました。
いつもは病院へ連れて行くキャリーをそこに置いていました。
キャリーを目の前に置くと、慌てて入り、シーツにオシッコをしました。

あぁ…トイレに行く余裕がなかったんだ…
ここにキャリーがある。シーツを敷いてるからここで。
そう思って必死で動いたんでしょう。
やっと移動して来たのにキャリーがなかった時のリロの気持ちを思うと、胸がしめつけられました。

どうか、どうか
これ以上苦しみませんように。
もう迷わないよ。リロ。

冷たい雨の日です。
日向ぼっこさせてあげたかったな…。
「サト。決めたから。もう…もう十分…。」
朝、予約を取るために一人で病院へ行き
サトが仕事を抜けれる定時後、18時に病院へ来る事を伝えました。

私達家族が決断したのは「安楽死」でした。

予約から戻ってからはリロの側にいました。
今までで一番落ち着いた顔をしていました。

{C2C42C8A-1A87-42CD-9C3E-CDC988644405}

キッチンのボックスで寝ているリロを見ながら
それでも迷い、ずっと泣いていました。
安楽死をするにあたっての心づもり。
本当に苦しまないのか。
どんな処置なのか。
リロの横で調べていました。
再び迷いが出始めた時でした。

ボックスの中で動いたので
起きたのかな、トイレかなって思っていると
ボックスの蓋が飛び上がりました。
バタバタともがき苦しむリロ。
泡を吹き、失禁しました。
「リロ!大丈夫よ、リロ!落ち着いて!ママはここだよ!」

ずいぶんと長く感じました…。
発作が落ち着くと、リロは以前のように
クリクリのパッチリしたお目目で私を見ていました。

そう…この写真が一番近いです。
こんなお顔でした。

{17C4A572-B778-4373-8914-09D629A53520}

リロに「抱っこする?」て聞くと
「あー!!」
そうチカラいっぱいに応えたのです。
声も出なくなっていたリロが
まるで病気ではないような、はっきりした意識で
本当に元気な時の顔のまま
元気にお返事しました。
涙が溢れでて、「リロ、ママのこと好き?」て聞くと
「あー!!」
と元気にお返事します。
何度か会話をして…リロはまた腕の中で眠り始めました。
もう苦しくて、抱っこもされなかったのに…
それから病院へ向かうまでの2時間半。
私も少しも動かずに、リロも抱かれたまま。
私の足はしびれて感覚がなくなっていました。
でも、私達はすごく特別な時間を過ごしました。
すごく、すごく、幸せな時間でした。

{C2D1A7CD-67E0-4210-9AFC-D42156B5FAB9}

もう迷わないから。
私の決心が変わらないように、発作を起こしたんだね。
ごめんね、リロ。
大丈夫だよ、リロ。
ありがとう、リロ…。

病院で、サトと私の腕のなかで
幸せそうに眠るように旅立って行きました。
帰ったら、美味しいご飯をいっぱい食べようね。



大好きなリロッテイーノに捧ぐ。


人気ブログランキングへ