応援クリックよろしくお願いします。
ごきげんよう、弾です。今回は文芸レビュー、テーマは森見登美彦さんです。
まだ森見さんの小説をそこまでたくさん読んだわけではないのですが最近はまってます。特に『夜は短し歩けよ乙女』はすごい良かった。森見さんの作風はとにかくユーモア、お笑い系です。それもテレビのバラエティやギャグマンガとかでは味わえない、上品さがあってピリリと効く可笑しさがあります。
よく京都の大学を舞台にした作品が多く、こんなバカな学生いるよなと思いつつ、京都のしっかりした描写を楽しみながらクスリと笑ってしまう感じです。
パンツ総番長とか韋駄天炬燵とか四畳半統括委員会とかなんだそりゃ? って感じの変なものが次々出てきて、このネーミングを見ただけで言葉の切れ味がわかります。
読後感も爽やかで、ほっこりするような良い終わり方で物語が終わります。『恋文の技術』という小説は全編が主人公の書いた手紙というちょっと変わった文体なんですが。ダメ人間まっしぐらな主人公が恋文代筆業ができるくらいの、どんな乙女でも虜にするという恋文の技術を習得するため、文通武者修行をしているという話で色々な登場人物に送った手紙から物語が立体的に立ち上がってきます。意中の好きな人には手紙が送れず、膨大な失敗作を書きます。この失敗作も作中で出てきて、これがまた爆笑クラスの失敗作ばかりなんですね。最後に一通だけ好きな人に手紙を送るんですが、これがまたいい味を出しています。僕はこの小説のエンドがかなり好きです。興味があったら読んでみてください。きっといっぱい笑った後ほっこりしますよ。
切れ味の良いユーモアがあって素晴らしく個性的な作家さんです。一押ししときます。
夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)
605円
Amazon |
最後にポチっとお願いします。