「ここに、おいしいBARがあるよ!」
フィレンツェの街中から
ちょっと離れたところを通りがかった時、
そう、友人は言った。
イタリアじゃなくても、
コーヒー好きな私は、
「じゃ、行こうよ。」
と、お茶に誘った。
こんな感じで、
気軽に寄れるのが
イタリアのBAR。
私は、大好きである。
店内に入ると、
日曜でもないのに
結構、人がいて、
美味しいところに
すぐに集まるイタリア人を思った。
イタリア人の中に、
私のようなアジア人が行く場合、
大概、
気がつかぬフリをするのもまた、
イタリア人にありがちで、
勢いをよく声をかけてくるのは、
客引きで勝負の
街中のBARぐらいなもんだ。
なのに、
「ブォン ジョォルノ〜〜」
を言うまでもなく、
店主らしき一番の長老が
いち早く、
「ブォン ジョォルノ、何にしましょうか?」
と、声をかけてきたのであった。
BARにしては、広い店内は、
それぞれのスタッフが重ならないように
機能的に設えてあって、
テキパキとこなす。
このシニョーレの「笑顔」が
なんとも言えない。
続くシニョーラまで、
「笑顔」である。
こういう風になってくると、
客もまた、
「笑顔」になるのであった。
この「笑顔」の相乗効果が
カプチーノの味にも
加わったのは、
言うまでもない。
こういうお店が
沢山あったらいいのに...
とは思うが、
少ないからこそ、
その有り難みがわかるのかもしれない...
と、
妙なことを思う私である。