今週から朝練が始まっています

今週は気道の話が中心です


救急の基本は気道です

気道確保ができなければ数分で患者が死にます



いろんなデバイスがあることを知ってもらい、使えるようになってもらい、目の前の患者さんが挿管困難であることを予測できるように成長してほしいと思います



で朝練で

気道管理が重要な疾患が一つ扱われました


急性喉頭蓋炎

です


【症例】
60代男性

【現病歴】
受診前日夜間から咽頭痛あり
来院日朝は朝食摂取できたが、同日夕方から咽頭痛が強くなり嚥下困難となってきたので当院受診

【既往歴】
高血圧、脂質異常症
喉頭蓋炎

【アレルギー】
なし

【来院時現症】
BP159/92mmHg HR106bpm
BT39.3℃
SpO2 98%
口腔内唾液貯留あり
扁桃腫大軽度 白苔なし
左優位に前傾部圧痛あり
呼気時にやや狭窄音
わずかに嗄声あり

【検査所見】
<頚部レントゲン>


<ファイバースコープ>



出ました!!

上のぷっくりしているのが喉頭蓋

もう声門が見えません・・・汗


【経過】
気管支鏡を気管に通してガイドにして挿管

その後入院して抗生剤投与

第10病日に抜管して翌日退院




無事良くなってよかった喉頭蓋炎ですが、症例集積を見ると世に知られる臨床像とは異なる姿が見えてきます

Acute epiglottitis in adults: Analysis of 129 cases. Frantz TD, Tasgon BM, Quesenberry CP. JAMA. 1994;272(17):1358-60


Stridorとかくぐもった声とか言われますが、それぞれ12%、54%にしかみられません

嚥下痛や嚥下困難は94-95%に認められます



Stridorは吸気時の気道狭窄音ですが・・・

まぁStridor出るころにはOutになりかけてますよね・・・汗



挿管困難の予測因子としては、前述のStridorと三脚位

背を真っすぐにして座って前傾して開口状態で下顎を前突させて頸部を過伸展した姿勢のことです

こうしないと気道が閉塞してしまうのです

おそらくこんなのが認められることには喉頭蓋はパンパンにはってしまっているでしょう



喉頭鏡以外のデバイスで気道確保できる

気管支鏡を使える

いざとなったら外科的気道確保ができる


そういう準備がないと立ち向かえない手強い相手です