常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

瀧山

2018年06月12日 | 登山


山登りには色々な楽しみ方がある。飯田郷土史研究会が毎年実施している瀧山登山もそのひとつだ。瀧山の登山口のある放牧場の近くに、古式豊かな石鳥居がある。かつて瀧山が修験道の山として、多くの信者を集めていた頃、この一帯には三百坊と言われる宿坊があった。この登山口の下の集落である元木や成沢にも石鳥居が現存している。このような地域の歴史に触れながら、山を登り、登山道を踏みしめるのも興味深い。

この地に杖を曳いた西行法師の歌碑もこの地に建てられている。春になると咲き誇るオオヤマザクラを詠んだものだ。出羽紀行というべき「山家集」に「出羽国に越えて、たきの山申す山寺に侍りける。桜の常より薄紅色こき花にて、並みたてりける」と記して

たくひなきおもひ出羽の桜かなうす紅の花のひほひは 西行

当時も今と変わらぬ桜が咲いていたことが分かる



二日続けての山行とあって疲労と雨の予報で心配であったが、この登山はあまり登っていない人も参加していたので遅いペースに助けられた。姥神の前の急坂には、足場にこのような鉄のピンが打たれ、ロープ張られているので、安心して登ることができた。心配された雨に降られることもなく、地中から這い出してきた春セミを見つけて、小学生のような喜びの声がわき起こった。山中で聞く春セミ鳴き声は声は大きく、この姿の小さいことに驚く。



頂上から温泉に下る山道にたくさんの花が見られた。ツマトリソウ、アヅマギク、イチヤクソウなどいずれも可憐である。なかでもハクサンチドリの鮮やかな紫の花が所々で咲き、この山歩きで一番印象的であった。

頂上で弁当を食べた後、蔵王温泉の「かわらや」で汗を流してさっぱりして懇親会。今年の初物である「笹タケ」の鯖缶汁。何よりも、冷えたビールが最高のご馳走であった。
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