悲しゅうございました。

そして、次に思ったのは一緒の食卓でなくて
よかったでした。

今夜の夕食のメニューは、
商店街の八百屋さんが作ったタケノコご飯に
カツオの刺身、昨日の昼食の残り、サイコロ
ステーキに玉ねぎとなすの炒めもの。
ローズマリーを加えてみたマッシュポテトに、
キャベツのサラダ。

問題はカツオの刺身。
カツオは生姜醤油か辛子醤油で頂きます。
母には辛子は刺激が強いと思い、生姜に。

とにかく、母に先に食べて貰い、アタクシは
後でゆっくり。
少しずつ、色んなものを並べるとよく食べる
ので、残った物を明日、再度出す出さないを
考えつつ食べます。

あ、余計なことでございました。

ベットで食べている母のペースを見ながら、
食後のフルーツゼリーを用意します。

用意と言っても、ぷっちんプリン方式ですが。

母の手元を覗き込んでみると、なんと・・・。
生姜醤油のカツオの上にマッシュポテトが。

エッ?!
バターに塩胡椒とローズマリーを混ぜたのに、
なんでや。
ちゃんと、お皿は分けてあるのに。
思わず、

生のカツオに、バター味のポテトをのせるん?

あら、これポテトなの?
味が濃厚になって美味しいわよ。

母は認知症になってから醤油が小皿にあると、
すべての食べ物をつけて食べています。
醤油味と強い甘味で美味しいと申します。

母も90歳ですから、やれ塩分過多だなんだと
規制するより、好きなように食べるといいと
思うのです。

胃の中に入ってしまえば、同じっちゃー同じ。
細かいことをとやかく言うまい。
美味しいなら、それでよし。

でも、カツオの上にのった生姜醤油まみれの
マッシュポテト。
驚きとがっかりが先立ちました。

形状が変ってしまった食べ物は説明しないと
食べてみてもわからないんですね。

食べているものが何であるか、わかっている
と思っていましたが、そうではなかった。

ただ、食欲だけがあり、食べ物そのものの、
味がわかって食べているわけではない。


認知症初期の頃、食卓が揃うことを待つのが
難しいとわかってから、一緒に食べることが
なくなりました。

あれだけ可愛がっていたブーケに先にご飯を
あげたことで、怒った母。

なんで、犬が先で、アタシが後なの!!

以来、一緒に食べることをせず、ひたすら、
母に先に食べて貰うようにしています。

切ない、悲しい想いが再び蘇りました。
bubuside