わにの日々-中西部編

在米30年大阪産の普通のおばさんが、アメリカ中西部の街に暮らす日記

Hoodを知っていますか?

2018-05-03 | アメリカの街の暮し
私の住むコロンバス郊外の市内で、銃による殺人事件がありました。この事件をめぐって、フェイスブックの市民グループは喧々囂々、ある意味、市内で殺人事件が一軒あったら大騒ぎになるほどに平和なんだと、ちょっと安心した私が問題。ジュリアーニ市長の大規模な改革や、9/11以前の治安の悪かったNYCに始まって、ワシントン、D.C.や、LAに住んでいると、あっちで人が撃たれた、こっちでも銃声がしたってのは、日常茶飯事すぎて、被害者数が大量とか、警官絡みでもない限り、いちいちニュースにならない。

 事件があったのは、市内でも治安が悪いとみなされているエリアで、フェイスブックのコメントに「あそこは“hood”だから、というものもありました。この「フッド」は、多分、neighborhoodの略、ご近所という意味合い。ですが、スラムとまでは言わずとも、あんまりお上品な場所ではなく、ギャングのシマ的なタフなエリアを指します。

 映画「Boyzs N the Hood」は、LAのサウスセントラルを舞台に、黒人青年たちをめぐる厳しい環境が描かれます。映画は1990年ですが、現在も状況は変わらず、さらに過激なラティーノ・ギャングも増えている。貧しさゆえに犯罪に手を染めるものがい多くて治安が悪化し地価が下がる、家賃が安いその地域以外には住むこともできず、危険と知りながらも地域に囚われる隔離された地域、逆によそ者は踏み込めない、それがHoodです。

 さて、今住んでいる市に話を戻すと、彼らが「Hood」と呼ぶ地域は、ちょっとフンイキ悪いかもよ?だけなのではないかと思う。この地域にあるスーパーの駐車場で、先にスポットを取られたおじさんが怒って中指立ててるのに遭遇しましたが、確かに普通のNeighborhoodじゃ見られないかもね。でも、本当のHoodでもないと思う。そんなんしたら、いきなり撃たれますがな。

 もちろん、どんな場所に居ようが関係なく常に注意は必要だと思いますし、危機意識を持つのは重要だとは思いますが、それとは別に、自分達とは異なるもの、地域であれ、人間であれ、簡単にレッテルを貼って恐れ、極端な話、そこの住民を自動的に犯罪者と見なすような発言や態度も如何なものかと思います。この辺りでギャングの抗争や、流れ弾に当たって子供が傷付くなんて聞いたこともないし。

 因みに、私が以前住んでいたLA郊外の「普通の住宅地」では、昼間に自転車で通りを走ってる黒人青年は訳もなく警官に止められて尋問、隣の住民は年に数回ハイになりすぎて暴れてムショに引っ張っていかれ、夜中パトカーの音が聞こえるのが普通(むしろ静かな方が不安)、銃声も珍しくはなく、ゴミ出し日にはアルミ缶を集める集団がおり、高校の塀は3mほどあり塀の上には鉄条網が張られ、暗くなってから外に出るのは危険だと警告されました。ここの標準から見れば、立派にHoodですが、ホント、昔から住んでるお年寄りの多い、普通の住宅地なんですよぉ…


サウスセントラル出身の元野良、本物のGirl from the hoodな愛娘

最新の画像もっと見る

コメントを投稿