【旧 十一月四日 友引】大雪・鮭魚群(さけのうおむらがる)
今年の冬は例年になく寒さが厳しいような気がするのですが、実際の気温はどうなのでしょうか。寒い寒いと人と会うごとに言っている間に今年も残すところあと10日になってしまいました。バリバリと現役で働いている方にとっては今年一年が早く感じるだけですが、更に年を重ねると、もっと長いスパンで年の経過を感じるようになってくるのです。
Photo:円山応挙『雪松図屏風』(高精細複製品)
雪降りて 年の暮れぬる 時にこそ
つひにもみぢぬ松も見えけれ
~詠み人しらず 『古今和歌集』 巻6-0340 冬歌
雪が降って今年も暮れてゆく そんな時にこそ
最後まで色の変わらぬ松が思い起こされるのです
詞書には「寛平御時后宮歌合のうた」とありますので、889(寛平1)年ごろ、宇多天皇の母后班子(はんし)女王の邸で詠まれた100首のうちの一首です。この歌合には紀友則以下当時の代表的歌人十数人が出席していたため、詠み人知らずとはいえ、それなりの身分の人の歌に違いありません。これに返したものと思われる源宗于《みなもとのむねゆき》の歌が同じ歌合の中で詠まれていて、こちらは『古今和歌集』の巻1春歌の中に収められています。
ときはなる 松の緑も 春くれば
今ひとしほの 色まさりけり
~源宗于 『古今和歌集』 巻1-0024 春歌一
常緑といわれる松の緑ですが 春が来れば
またひとしお鮮やかな色になるのですよ
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