Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

荒梅雨

2017年06月21日 21時07分16秒 | 俳句・短歌・詩等関連
 20時40分に横浜市域の「大雨・洪水・雷注意報」は解除になった。「強風・波浪注意報」は継続している。
 気温は少しだけ高くなり、17時過ぎに24℃となった。南風が強く、生暖かく、そして湿気を多く含んでいると思う。
 すでに雨はあがっているが、本日は結局一歩も外には出なかった。玄関の扉には触れもしなかった。

★荒梅雨や山家の煙這ひまわる     前田普羅
 広島
★梅雨さむし鬼の焦げたる鬼瓦     加藤楸邨


 第一句、雲が里山まで低く垂れ込め、家々の竈の煙もまたそれに引きづられるように低く、地に這いつくばるように留まっているのであろう。雲か煙かの区別も曖昧な水墨画のような梅雨時期のモノトーンの里山の景色ではないだろうか。景色は茫洋としているようで、荒梅雨という語によってどこかしまりのある情景と思わせる。気象が厳しいと気分も張り詰めるものである。
 第二句、広島での作であるから、この鬼の顔の部分が焦げた鬼瓦は原爆の影響で焼けたものであろう。「さむし」とは現在の作者を取り巻く気温と同時に惨劇を前にした戦慄でもあろう。「焦げたる」は惨劇のときの火炎地獄の様相。この二語の対比が過去と現在を強く結びつけている。 


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