今回はゲシュタルト療法の考え方である「地と図」について書きます。
「地と図」
ゲシュタルト療法では、意識的にどこに注意を向けるかによって、意識されずに「地」となっていた部分を、意識の前面である「図」に反転させるプロセスを重視します。
人は1つの部分(図)に注目するとき、他の部分は背景(地)となって見えなくなってしまいます。
自分の体の声や感情に耳を傾け、「今ここ」で自分に何が起きているかに注意を向けます。
そして、気づきを通して、抑圧された無意識な部分を意識化させる援助をします。
これはルビンの盃(ルビンの壺)と呼ばれている図です。
白い部分に注目すると「盃」が見え、黒い部分に注目すると「向き合った顔」が見えます。
形に見える領域を「図」、その背景となって見えるのを「地」といい、「盃」を「図」とする時、「向き合った顔」である「地」の部分は見えません。
しかし、全体像としてはそのどちらでもあります。
もし、「図」に不快なことや苦痛なことばかりが存在すると、人生は、不快で苦痛なものに感じるようになりますから、「地」に回してしまうということも、場合によっては必要になります。
例えば、子育てにおいて、子供の間違いや欠点ばかりに目が行き、「図」にマイナスの感情ばかりが存在すると、いつも不快な感情に支配されて、イライラしてしまうようになります。
そのような場合は、「図」と「地」の転換をおこなって、子供の良い点や、長所、うまくいったことなどに目をやるようにして、子供の間違いや欠点は、「地」の方に回してしまうとよいのです。
また、「地」に存在する物事については、クライエントが普段は注目しておらず、背景としてしか認識していない物事ですが、実際には、「地」に押しやられた物事や感情エネルギーが、心の病を癒す糸口となることが多いです。
そこで、ゲシュタルト療法では、「図」と「地」を自由に転換できるように、クライエントの気づきを促していきます。
特に、ゲシュタルト療法家は、抑圧して目を遠ざけている「地」の部分に隠れたエネルギーを非常に重要視します。
そして、心の病のほとんどが、「地」の部分に隠れたエネルギーを「図」に浮かび上がらせて、心理的な気づきを得ることで、解消するものなのです。
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