こんにちは。アメリカ大家です。

前回は海外のニュースが、十分に詳細が検証されずに、表面的に
解釈され、伝えられているという問題点を指摘しました。

アメリカの経済指標や株価は日本の株価を左右する重要なものと
なっていますので、堅実なみなさんにはぜひ、多角的に、
できれば現地の生の情報に触れていただきたいと思っています。

米国雇用統計の裏に潜む真実

日米共に金融緩和から株高、不動産高などの
資産価値の上昇(バブル?)を引き起こし、アメリカでは一部、
実体経済の回復も見られるものの、日本では昨年は
実質マイナス成長だったとか。

日本ではこれから、第三の矢による実体経済のてこ入れ
行われていくものと思います。

それでは前回の続きとして、日本で誤解されている
可能性のあるアメリカ不動産関連の情報として
アメリカの不動産市場は「バブルに向かっているのかどうか
という点を見ていきたいと思います。

まず、みなさんはあの米国株高をどう見ておられるでしょうか。
これも意見の分かれるところですね。
しかし、米国は2015年に利上げがほぼ間違いなく実施され
そうなので、そこで真価が問われることになると思います。
米国株に追随する日本株が実体経済が改善する前に、
下落に転ずるようなことにはなってほしくないと思っています。
まあ、大丈夫でしょうけど。

本題に入りますが、アメリカ不動産がバブルであるという
根拠」はまず、どこから来ているのでしょうか。

確かに不動産価格は順調に上昇しているのですが、
バブルの根拠として論じられているものは実は
Affordability(入手しやすさ、値ごろ感)なのです。

カリフォルニアやテキサスの一部地域でずば抜けた
価格上昇があることはこのブログでも紹介していますが、
それらは大手不動産情報会社のRealtyTracによると
全米の1%ほどだそうです。しかもテキサスに関しては
雇用や所得の上昇などの経済指標の裏づけもあり、
バブルとよぶにはふさわしくないとの見方もあります。

バブルの懸念をAffordabilityの観点からみてみると、住宅価格の
上昇が賃金の上昇を上回っている
という理屈になります。
そしてそれは事実として実際に起こっています
これに関しては以前、以下のブログ記事で紹介しています。

大統領に提出された衝撃のレポート

現在の「所得の伸びが鈍い状況」からすると住宅価格は
12%から15%ほど下落してもおかしくないという意見です。

これが私がしつこく、若い世代の活力の云々を
取り上げる理由であって、株高や失業率改善に見られるような
よい指標が、人々の収入面にはまだ現れていないのです。

ホワイトハウスに提出されたレポートですから、インパクト
それなりにあったと思います。しかも誰かがこういった見出しで
記事を書いてしまうと詳細を吟味する前に、それが真実として
一人歩きしてしまう
のが怖いところです。

上のブログ記事の中でも述べたのですが、株価と比較すると
不動産価格はまだまだ上昇余地があるといえるのですが、
所得の伸びから見ると「値ごろ感」は消えつつあるといえます。

しかし、それが「バブルなのか」というと、
どうなんでしょうねー金融緩和の局面では
昨今の日米の事例からも明らかなように、
株や不動産といった資産価値が先に伸張します。

現在の不動産価格がバブルであるとするならば、
株価に関してはどうなのかがもっと活発に議論されてもよいと
思うのですが、それほどでもないようですね。

日本でも実体経済がマイナス成長である上に、
円安によって対外的に資産価値が目減りしている
にもかかわらず、(円安だからこそ?)高騰している
株価や不動産に警鐘を鳴らす声があるわけです。

両国政府はこれがバブルで終わらぬよう経済の成長戦略
重ね合わせていくわけですね。

私も以前、以下のような「議論を呼ぶ記事」を書きました。

米国は再び金融危機に向かうのか?

この記事では「住宅取得のハードル」を下げるために、
融資基準を緩和する新しい政策について書いています。
この政策が「危険な賭け」ではなく、有効な成長戦略
一つとなるものと政策立案者、並びに今後の運用を
信じたいと思います。また、そう願ってやみません。

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こんにちは。アメリカ大家です。

米国は量的緩和が奏効し、株高から雇用回復を含む
実体経済の回復へと上手く舵を切ったように見受けられます。

日本のニュースでも概ねそのように報道されている
のではないかと思います。

劇的な改善をみせる失業率の推移(下図)

UnemploymentRate

海外のニュースなどは大雑把に表面だけが捉えられがちです。

実際はデータを集計する機関、報道機関の考え方、それを記事に
書く人の主観などによって見方は大きくばらつきます

これが日本語に翻訳されて皆さんに届けられるものによっては
少し、違うんだけど。」と思えることがあります。

この言われてみれば当然のことを意外と見落としがちで、
信用のある個人や団体から説明を受けると結構、
真に受けてしまうものです。

米国雇用統計の裏に潜む真実

この記事では政府系金融機関であるファニー・メイの
チーフ・エコノミストの話として、就業率は1999年以来の
回復だとしながらも労働市場への国民の参加率
1977年以来、最低の水準である側面を問題にしています。

12月の雇用統計の結果

労働市場への国民の参加率が減少すると当然、競争が減るため、
現在の雇用数が増加する局面では
就業率が劇的に改善しているように見えます
名目と実質の差見極めねばならないということです。

女性の就業率上昇が一服した後、労働人口の高齢化
若年層の高学歴化により、近年では労働市場参加率
下がる傾向にあるようです。

減少傾向にある国民の労働市場参加(下図)

ParticipationRate

それと同時に賃金の上昇が鈍い点も取り上げられています。
特にミレニアル世代と呼ばれる若年層の活力が乏しく、従来は
主だった住宅購入層と考えられていた若者の住宅市場への参入
目立って減少していることを私も度々、論点としてきました

こういった懸念材料に対して、すばやく対応してきた
アメリカ政府は今回も、「はじめて家を買う人」に対して
融資基準を大幅に下げるという荒治療に乗り出しました。

米国は再び金融危機に向かうのか?

金融量的緩和が株価を押し上げ雇用を軌道に乗せるまでの
実績
を上げたように、この融資基準の緩和が住宅市況の
起爆剤として不動産市場を底上げし、
ひいては自信を失いつつある若者に「住宅と家族と夢」を与え、
経済循環を促し、賃金の上昇にまでつながっていくことを
私は心から期待しています。

これと関連して日本で誤解されている可能性のある
アメリカ不動産関連の情報としてアメリカの不動産市場は
「バブルに向かっているのかどうか」というものがあります。

これに関しては次回、取り上げてみたいと思います。

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こんにちは、アメリカ大家です。

もう数ヶ月前の話になると思いますが、当時取り組んでいる
案件として、以下の物件を披露しました。

ネット利回り10%の高利回り物件

いろいろ考えた結果、購入を見合わせることにしました。

アメリカ不動産投資においてもこういった多世帯アパート
(Multi Family)が富を構築する上で、手っ取り早い手法である
ことは事実です。それは少ない自己資金でレバレッジを効かせ、
大きな物件、高いキャッシュ・フローが狙えるからです。
短期間で規模を拡大するにはとても効果的な方法の一つです。

上記が利点であるとすると、欠点は以下のようになります。

1. キャピタルゲインが家賃上昇との相関関係程度ににとどまる。
(収益還元法でレントロールから物件の価格が決まってしまう。)
2. 入居者の質が高くない。家賃も低め。
3. 兼業大家が自主管理するには手間がかかる。
4. 一棟アパートは売却にも時間がかかる。
5. 三世帯以上は役所のインスペクションが
定期的に行われるなど、面倒も責任も増す。

簡単に言ってしまうと戸建てやコンドが人気なのは、
値上がりしやすく、売りやすいからです。
投資の妙味は「値上がり益」とも言えますからね。
規模が小さく、扱い易いのも素人には取り掛かりやすいですね。

戸建てのほうがアパート一棟より、値段が高く売られいたり
するのは私の活動する地域ではよくある光景です。

やはり、素人がやるアメリカ不動産投資の王道
Single Familyとよばれる戸建てやコンドミニアムなのか?

日本では不動産投資というとほぼキャッシュ・フロー狙いと
同義語で論じられていますが、海外、特に新興国では
キャピタル・ゲイン狙いが主流ではないでしょうか。

アメリカでも地域によりますが、戸建て投資家には
そういった感覚の人が少なからずいます。
キャッシュ・フローがそれほど出なくても
構わない
といった人達です。しばらく保有して
高値で売り抜けることを目的としているからです。

それにしてもアメリカ不動産投資は単純です。
なぜなら、家賃も不動産価値も右肩上がりで、
上昇していくからです。家賃もたとえネガティブ・
キャッシュ・フローから始めたとしても値上げできるので、
そのうち、ポジティブになります
賃貸需給も逼迫しているため、なおさらです。

- 伸び続ける家賃と不動産価格 -

HomeRentValue

アメリカでは不動産は減価しないので日本でいう積算という
考え方がありません
。役場のTax Record上では積算価格
(みたいなもの)は基本的には年々増額され、固定資産税も
増えていきます。リーマンショック後には不動産価格が
下がったので、役場に文句を言って税金を下げてもらった人も
それなりにいたようです。また、どんな築古でも30年ローン
おりるので、融資も単純明快です。帳簿上、減価償却
築何年でも一律、購入時点から27.5年という
日本の感覚からすると不可思議なものです。

米国株も暴落時の振舞い方さえ身に付けていれば、
とても安定した資産であるということが下図から分かりますね。
これもただ長期保有さえしていれば、
勝手に何倍にも上がることが歴史的に証明されています。

- 伸び続ける株価 -

DowChart

「値上がり益」を当てにするのはギャンブルと同じで私が
株取引を嫌う理由の一つです。いくらかっこいいことを
言っても99%の人は相場が上昇しているときにしか、
利益を上げていません。暴落時に丸裸になるのが、素人
というものです。私は長期保有のインデックスや投資信託だけ
勝っていて、短期取引や個別銘柄では相場が上昇しているとき
だけしか、勝てないという典型的な負け組みです。

私の株取引の例でも明らかなように、私でも長期保有すれば
勝てる
のです。不動産は短期売買する衝動に駆られることが
ないのが、私に向いている投資法だといえます。

アメリカの不動産や株式のように長期的に上昇しているものを
長期保有している限りは誰も負けようがないのです。
そうすれば、大きなキャピタルゲインを得られ、
賃貸経営にありがちな処々の問題に囚われることなく、
不労所得を得ることになります。

キャピタル・ゲインを最も狙える戸建てやコンドに傾倒する
合理的な理由はここにあります。

不動産を保有している間は賃貸運営のわずらわしさから
離れることはできませんが、将来の値上がり益が
期待できるのであれば、それも相殺できて余りあるのでは
ないかと思います。

これが、一棟多世帯アパートとなると賃貸による収益が
主だった収入となるため、アメリカのような
キャピタル・ゲインを狙えるマーケットでは魅力が
乏しい
ということもできるわけです。

ただ、この先どうなるかまでは誰にも分かりません。
アメリカ人のメンタリティーとしては今後も経済も人口も
資産も伸び続ける
であろうという確信のない、しかし
それでいて楽観的なものではなかろうかと思います。

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