先月の記事で残業時の割増賃金のことを書きました(詳しくは「残業時の割増賃金をしっかり受け取っていますか?」参照)。今回の記事では、残業など時間外労働などしたときの端数処理や、賃金計算するときの端数処理について書きます。

 

残業をした場合、その残業時間分の賃金を受け取ることになります。世の中の会社の中には、この残業の賃金計算時に労働基準法に違反していることが少なくありません。

 

従業員が残業をした場合は、働いた時間分の賃金を会社は支払わなければいけません。但し、残業時間を分単位で賃金計算をしたり、残業代をあまりにも細かい単位まで計算したりすると、賃金計算の事務作業が手間になってしまうことがあります。

 

そのため、賃金計算をするときには以下のような端数処理をすることが可能になっています。

 

 

1時間未満の残業時間の端数は、1ヶ月分合計について上記の表のように処理することはできます。しかし、あくまでも1ヵ月分合計した時の1時間未満の端数ですので、例えば1日で1時間未満の端数について切り捨てることはできません

 

会社の中には、1日の残業時間のうち15分未満や30分未満は切り捨てているところがありますが、そういった端数処理のやり方は違反になります。

 

タイムカードを使用している会社では分単位で記録が残るので、上記の端数処理に違反することは少ないですが、働いた時間を自己申告するような会社だと、知らないうちに違反をしていることがあります。

 

上記の端数処理に反していると、30万円以下の罰金となります。会社だけでなく、管理職の人も罪に問われる可能性がありますので注意が必要です。

 

先月の記事で、22時以降の深夜残業を他の日に振り替えて深夜の割増賃金を回避する会社があるということを書きましたが、時間外労働の端数処理についても、労働基準法に違反している会社も少なくないようです。

 

皆さんの会社では、どのようになっていますか?


(労働関係の記事)
○会社を辞めただけでは失業ではない?
○有給休暇の取得を請求されたら会社は断れない?
○残業すると労働基準法違反かもしれない?
○6時間以下の労働では休憩は与えなくてよい?
○休日の振替と代休は扱いが異なる
○外国人を雇ったときに届出をしないと法律違反になる
○妊娠降格という報じ方は正しいのか?
○労働者派遣は元々は労働基準法違反
○研修は労働時間に含まれるのか?
○ダブルワークは労働基準法違反の可能性がある
○休日は週に1日でも法律違反ではない
○日本と外国の人事制度の違い
○意外と知らない労働法規
○正規労働者が減った理由

○セブンイレブンでの違法な罰金について

○長時間労働を減らすには北風よりも太陽が有効?

○残業時の割増賃金をしっかり受け取っていますか?

 


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