「祭囃しがきこえる」
あの坂の向こうから、聞こえてくる撥の音、
打律に酔う酔う囃子声、軽薄なる剽軽と、
甘く溶ける飴の匂い、振りに返りし浴衣の袖と、
灯る提灯、その赤み、
酔いに任せし博打打ち、
身ぐるみ剥がれて水浴びて、
太鼓とからかう声ばかり、
祭り囃子が届く夏、黄昏れ少し早くなる、
囃されながら過ぎにて候、
祭り囃子が聞こえてきたら、
少年期の夏の日の、過ぎし想いが走馬灯、
縁日、金魚、綿菓子と、
焼ける醤油の甘い匂い、
夕刻にて夏はまた、過ぎるばかりの時期になる、
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