③しあわせの楽園・・虹に出会う桜の芽211( 嵐・ニノ | なうのこたつ保管部屋

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大好きな彼らの記憶を残しつつも、趣味な物語や日記、旅行記などを書いてる部屋です♪


【※無断に話や内容転写利用、画像利用はお断りします。別公式小説サイトにてオリジナル名にて上げています】

このお話の始まり↓
しあ楽1.


前回のお話↓
14時アップしております


途中に
(特)として
なな潤のお話が入ったりします


本日はニノくんのお誕生日
なので休憩しながらも
しあ楽ニノメインの一日になります♪





・・・・




211 しあ楽 ニノ③




また違う時間の雅紀に会えるのかと
暗闇の中で瞳をひらく



するとそこは真っ暗で
先ほどの昼間の列車の中とか大違いだった




「 はぁ疲れたぁ 」



誰かの声がし座り込んでいた自分は慌てて立ち上がる



薄暗い部屋はよく見ればロッカールームになっていて、入って来たその声の主と視線が合った





「 え・・・ 」



「 あれっ、まだ働いてた人がいたんだ。遅番の人? 」



若く見えるが学生だろうか
背は自分よりは高く色白に見えるが身体は芯があるように思えた




「 ここ・・どこ?なんか飲みすぎたみたいでさ 」



先ほどの記憶で驚きの景色にもう焦りは無かったが、突然に現れたその人に戸惑っていた




「 あ~仕事終わりじゃなかったの? 」



「 よく覚えてない 」



「 それのみ過ぎでしょ、分かったオレさバイクだから送ってあげるよ 」



何処かで会ったようで
思い出せない



見ず知らずのオレを背中に乗せ、それがカブとかいう古めのオヤジっぽいヤツで




「 腹減らない!!?オジサン! 」



「 エーっ!!?聞こえない 」



場所から言えば昔住んでいたような都心の景色



バイクは細い車道に
流れるようなバックライトを走り抜けて行く




そしてしばらくして細い路地から抜けた場所には、いわゆる提灯街のような高架下になっていて



ある一軒の店の前でバイクは停められた




「 はい降りて、ここで夕飯食うから 」




なんだろう、このマイペースな感じは
けれど嫌悪感もなく、ついその気さくな雰囲気にのまれ一緒に店に入った




「 あれ、久しぶりだね 」



カウンターだけの店
自分達の他に客は一人だけ

しかも店の上にあるテレビの野球中継に釘付けになっているようで



その子と肩を並べ背もたれもない椅子に座った




「 あータンメンひとつ、オジサンは? 」



そりゃお前に比べたらオジサンかもしんねぇけど、オレだってまだそこまでじゃ




「 あとね煮抜き玉子と葱ダブルでね、こっちの人も一緒で 」




「 ・・ちょ 」



「 良いから良いから、飲んだら食べたくなるんでしょ?ラーメンって 」




人の懐に入るのが上手いっていうのは
こう言う子を言うんだろうな



店主が目の前に置いた丼を同時に箸を割りそばをすすった




「 うっま 」



「 美味いでしょ~教えてもらったから折り紙付ってやつ? 」




けれどその味にはどこか懐かしく
記憶の隅に・・



そして店主がある昔話をその子に聞かせてくれる



「 そう言えばな、今は見なくなったけどさ。この店にいっつも来てた自分ぐらいの二人組が居たよ、まだ財布が寂しいのか替え玉ばかり頼んでてなぁ 」




いつの間にか来なくなったと思ったらテレビで毎日見かけるようになったとか・・




「 うん、だってその人に聞いたんだもんここ 」




二人の会話に箸が止まる




「 名前・・さ、何? 」



「 ん?オレの? 」



なんだよ、なな
この時間は一体



「 そう・・お前の 」



よく見ればそうだよ、
そのつむじも耳の上の方が少し尖った感じも全部さ



「 輪、苗字は訳あって秘密だけどね 」



「 輪・・ 」



今オレが居る時間は
先ほどの雅紀との昔の延長ではなく


遥か越えた先の未来で


自分の背を越えた息子がそこには居た



「 そんなに珍しくないでしょ? 」



「 あぁ、良い名前だな 」



< かぁたんぃんぇ、ひこぉきにのぅんだぉ >



そっか、お前飛行機に乗って今こっちに居るんだな



まだ二十歳にはなっていないような
少年らしさの残る輪は自分より背丈も大きいのに不思議と違和感もない




「 そうかな、でも気に入ってるよ。かぁちゃんが付けてくれたんだ 」




「 そっか、もう帰るよ今日は誕生日なんだ 」



輪の頑張る姿をこんな風に見る事が出来るなんて思いもしなかった




「 じゃあ家族がお祝いで待ってるね、駅も近いし気を付けて。おめでとう 」



一度だけ肩に手を乗せると店を出た
そして暗闇に歩き始めると見えなくなる景色




「 ・・・ぁたん 」




戻ってきたのかも
呼ばれるような声にゆっくりと目を開く


そこにはベッドに肘を置いた輪が自分を心配そうに見つめていて、シーツごしに小さな手を握り締めた




「 かぁたんいたぃの?」



「 ううん、空を飛んだお前を見てきた 」


「 ぃんが?ぃんとぇたの? 」



起き上がるとななの姿はなく
輪と手を繋ぎ雅紀の部屋も覗くけれど誰もいない


どれぐらい眠っていたんだろうか



「 輪、みんなは? 」



「 しぁない、かぁたんおきてきてって 」



そのまま階段を下りて皆が朝食を食べていると思ったのに居なくて



思わずドアから外に出、車を確かめた
んで・・いねぇんだよ



輪に何か食べさせないと
もしかして買出しにでも行ったのだろうか?


なんてドアを再び入った時
まるで何かが爆発したような大きな音が鳴り響く




「 ・・うぁっ、ぉっきいおとあぇ 」



さっきまで居なかったのに
全員がそこには居てクラッカーを上に向けて弾いたせいで色とりどりテープが落ちてくる




「 おめでとう!かーくん! 」



「 おめでとう和 」



ななを抱き上げる翔さんと
汐と廻を抱く雅紀の姿がそこにあって

自分が部屋に入った瞬間にテーブルには大きなケーキが見えた




「 ニノおめでとう、・・ずっとこれからも一緒だね 」



「 ぃんも!かぁたんとぃう 」



恥ずかしい涙が出そうで困り思わずシャツの裾で顔を隠した



どちらにせよヘソが見え、すっげぇ恥ずかしい


だけどオレの過去と未来がここにはあって今がある。ケーキを食べようと皆で座ろうとする中、ななの側に行くとウィンクをした




「 ありがとうね、なな 」



「 なな何もしてないよ、かーくんが頑張ったからだよ 」




誕生日なんて
それほどなんて思ってたけれど

それでもやっぱ家族が嬉しい



オレはその日だけは真ん中に座らされ一番に切ったケーキを選ばせてもらった
























・・・fin



では

しあ楽誕生日お話でした
ではまたね♪


チビと今ごろなんか食べてます


ニノ誕生日も沢山してるかな


なう


・・ 


これからゆっくり
オレ鳴やzero
きか飴、他新章を
アップしてゆきます↓
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