円墳の上に鎮座、往古は御神木の古スギ、数々の祟りと伝説
[住所]東京都渋谷区恵比寿南1-13-3
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福徳稲荷大明神(ふくとくいなりだいみょうじん)は、東京都渋谷区恵比寿南にある神社。御朱印の有無は不明。

創建年代や由緒は不詳。江戸時代にはすでに存在したとされる。『東京都遺跡地図』には、当社鎮座地に遺跡番号55番の古墳(円墳)「渋谷区№55遺跡」が登録されている。

この周辺は古くは下渋谷の稲荷山と呼ばれ、明治の初め(1868年-1877年)頃までは、深い森林に覆われていた。

当社の祠の傍には数百年の樹齢を持つ大きな古スギが聳え、御神木として崇められていたという。

地元では、もしこの木を切ったり、枝を折ったりすると祟りがあると信じられていた。

また、当社から南西70-90メートルほどのところに「奥の院」と呼ばれる小さな楕円形の塚があり、「狐塚」と呼んでいた。

『東京都遺跡地図』によれば、該当している地と思われるところには、遺跡番号56番の「渋谷塚古墳」が登録されている。

明治39年(1906年)、JR山手線の恵比寿駅の開設工事が始まり、多くの人夫が集まってきた。中には、立ち小便をしたり、絵馬をたき火にして燃やしたりという行為もあったという。

その後、立ち小便をした人夫が大けがをして死んだり、たき火をした者たちも原因不明の熱が出たり、怪我をしたりしたと伝わる。

以来、当社に対して狼藉を働く者はいなくなった。

明治41年(1908年)、下渋谷の蕎麦屋鈴木庵の老婦人が、当社神のお告げにより、祠の修理や整頓をしたところ、大病が数日のうちにすっかり治ったという。

またある年、下渋谷の祥雲寺境内にある霊泉院で火事があったが、それに先立って霊泉院の住持鈴木子順師の夢枕に当社神が立ち、「今夜、火難あり」と告げたとされる。

ビルにはさまれた狭い境内だが、今も地下には古墳があるという。境内には渋谷次郎之跡という石碑があるが、詳細は不詳。

【ご利益】
諸願成就
福徳稲荷大明神 東京都渋谷区恵比寿南
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