・4月19日(日)調布航空宇宙センター一般公開を開催!|JAXAサイト
調布市深大寺東町にある、このJAXA調布航空宇宙センターは、原発事故後の東京を描いた漫画「コッペリオン」の序盤にも登場しますね。
入り口をはいってすぐの展示室にあった、「小型超音速実験機」。小型とあるけど大きいです。2005年にオーストラリアで飛行実験を行った機体とのこと。
「宇宙輸送システムの研究開発」のコーナーにあった、「ALFLEX」という機体。いわゆる「リフティングボディ」なのでしょうか。
笹本祐一先生の宇宙開発小説『星のパイロット』シリーズに出てくる「ダイナソア」という小型の宇宙船を思い出しました。
機体の後ろの、「飛行前にとりはずせ」と書かれた赤色の帯が生々しいです。
笹本祐一先生といえば、SF小説「ミニスカ宇宙海賊」シリーズが、最近、「モーレツ宇宙海賊」のタイトルでアニメ化されました。この勢いで、「星のパイロット」シリーズの続編や、その映像化をやってくれないかなあ・・・。
(「星のパイロット」とほぼ同時期に刊行された野尻抱介先生の宇宙開発小説「ロケットガールズ」は少し前にアニメ化されました。)
将来の宇宙輸送機の構想のイメージ図が展示されていました。
「将来宇宙輸送機の研究」の展示の建物です。
HⅡ‐Bロケットの2段目に取り付けた再突入モジュールだそうです。
この再突入モジュールにより、データを取り研究開発を行っているそうです。
その場で説明をされていた研究者の方のお話を聞いていて面白いなと思ったのは、この黒い球体です。これは液体燃料タンクを作るための研究開発のプロセスでできたものを展示しているものだそうです。
従来の液体燃料タンクはアルミなどの金属を使っていたのですが、コスト削減のためにプラスチックで代替できないか研究しているそうですが、どうしてもパイプなどは金属である必要があり、その接合部分が液体燃料で冷えた際に破裂しないか、いろいろと試行錯誤をしているとのことでした。
うえであげた、笹本祐一先生の「星のパイロット」にでてくる印象深い台詞として、ミッション・ディレクターの、「宇宙船はコンピューターで飛ばしているんじゃない、人力で飛ばしているんだ!」という台詞があったと思うのですが、このような研究者の方々の日々の地道な努力には、頭が下がる思いです。
「月着陸探査試験フィールド」の建物です。
ローバーの模型が展示されていました。
月の地表を調査するための掘削機の模型も展示されていました。実際はもっと小さいとの説明書きがされていました。
月着陸技術の研究の展示の研究室です。
この展示は初公開ということもあってか、私が見て回った展示のなかでは一番、混んでいました。
研究室の入り口には、つぎのような趣旨の説明文がありました。
『将来、月や火星に着陸するにあたり、目標地点に正確・安全に着陸するための、高精度着陸技術が必要とされている。
着陸機に搭載したカメラにより撮影した画像により計測や認識を行うことが有効なアプローチと考えられている。』
『これらの画像計測・認識技術は、すでに自動車の走行支援システムやロボットの目として応用されており、今後の発展が期待されている。』
研究室の上のほうに、人間の目のように2つのカメラが設置されています。
そして、そのカメラの下にあるコンテナ(植木鉢)のなかに置かれた小さなブロックを見学者が動かすと、モニターに表示された、地理の等高線の地図のような模式図がほぼリアルタイムで動きます。これはすごいなーと思いました。
なお、この研究をされている片山先生は、2009年にアメリカのJPL(ジェット推進研究所)にて、客員研究員として火星の画像分析の研究に参加し、その研究成果が、MSL火星探査機計画で利用され、その成果が2012年にNASAに表彰されたとのことです。JPLかー、すごいですね。
スペースデブリ(宇宙ゴミ)に関する展示のコーナーです。
JAXAは入笠山光学観測施設、オーストラリアの観測所などで、デブリの観測を行っているそうです。
デブリをモニターに出した画面です。
青は運用中の人工衛星、黄色はカタログにあるデブリで、赤はカタログにないデブリだそうです。非常に生々しいです。
デブリに対する防御として、バンパーの模型が展示されていました。バンパーを3重に設置することで、デブリがぶつかった衝撃をちらして、宇宙船の内部を守るそうです。
また、防御をするだけでなく、より積極的に、「導電性テザー」という装置の「ローレンツ力」による推力により、運用の終わった人工衛星などの軌道を下げて、大気圏に突入させて燃やす研究開発が行われているそうです。
「ローレンツ力」というと、たしか中学・高校で勉強する、「フレミングの左手の法則」により、左手に例えるなら、中指の方向に電流を流すと、親指の方向に力が発生し、人差し指の方向に磁場が発生するというあれですね。
このあたりはさすが現実の科学技術というか、一昔前に大きくヒットした宇宙開発マンガの幸村誠先生の「プラネテス」とは大きく違う点ですね。
「プラネテス」は、現在のように、理工系の博士号を3つも4つも持ち、かつ、アスリートのように訓練された健康的な心身を持つごく一握りの超エリートだけが宇宙に行ける時代ではなく、一般人が作業員として宇宙に行く近未来を描く、”華々しくない宇宙での日常業務を描く職場もの”の漫画作品です。スペース・デブリを正面から扱った作品はあれが初めてだったような気がします。
JAXAの新しいスーパーコンピューターの本体が公開されているということで、見に行ってきました。
新しいスーパーコンピューターJSS2の設置された建物です。
スーパーコンピューターJSS2の本体です。
このスパコンはロゴなどをみると、富士通謹製なのですね・・・。
スパコンというと、何年か前の「事業仕訳」という政府の馬鹿げた政治ショーにおける民主党の某議員の「2位ではダメなんですか?」という売国的な言動を思い出します。
日本のコンピューターメーカーは、中国や民主党の某議員のような国内の抵抗勢力に負けず頑張ってほしいと思います。
ところで、この調布航空宇宙センター、想像以上に広い施設でした。
いかにも研究施設っぽい、巨大なタンク。
模擬店のようなブースで、記念品などを販売していました。
「宇宙パズル」という名称で、絵柄などのない、真っ白なパズルが販売されていました。最近の宇宙開発マンガの「宇宙兄弟」の序盤で、宇宙飛行士志願者たちを選抜するためのテストのひとつとして、こういったパズルがでてきました。あの鬼のようなパズル、実在したんだ・・・。
油井亀美也宇宙飛行士のISS44次・45次滞在を記念するピンバッチを販売していたので、記念に購入しました。
いろいろと貴重なものを見学できて、楽しい一日をすごしました。
私は大学の学部が法学部で、その後も法律に携わることが多く、そういった意味では、社会科学的に、わが国の政治・経済などの現在や将来を考えると、とても暗い、悲観的な気分になります。
しかし、三鷹の国立天文台や、調布の電気通信大学の学園祭、そして今回のJAXAなどを見学すると、文系と違って、理系の未来は明るいなと感じます。
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