BL小説感想日記

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サヨナラリアル/朝丘戻

2016-08-14 16:23:29 | あ行(作家名)
著:朝丘戻    絵:問



十七だった。すこし卑屈でひどく孤独で無謀で、
先生だけが世界のすべてだった。

高校生の真白の背中には羽が生えている。
好かれるのも嫌われるのも、人格ではなく羽。
そんな自身に空虚を感じていた真白は、
「心の底から笑ったことある?」という
美術教師の高岡の一言に救われて恋に落ちる。
真白の告白はつれなく断られるが、高岡を想う真白は
『美術準備室にいると窒息死する』という
不穏な学校の噂を調査し始め……。
人間と獣人が共存する世界。そこで生まれる3つの恋景色。



これは、久々に
キターーーーーー!!!!!!
って思ったね。


朝丘さんの作品どれも好きだけど
なかでも好きなのはこういうテイストなのよ、と。


高校生っていう多感な時期に恋すると
もういつでもその人のことで頭がいっぱになって
幸せも不幸もその人次第っていう不安定さがあるやん?
その不安定さって実は尊いよねって改めて思った。
大人になったらこんな恋愛できんもん。


で、そういう一途さを向けられる機会って
大人になるとなかなかないから
高岡にしてみれば勘弁してくれ状態でさw
断ろうが冷たくあしらおうがひたむきに
思いを告げる真白を無下にできない
というかまんまとハマってく高岡が面白かった。



ある事件をきっかけに校内で逢うことも
話すこともできなくなるんだけど、
事情を知ってる真白の担任の諏訪の配慮で
最後ふたりきりになれたときのシーンが
もう最高でした。


ふたりとも決定的なことはいわず、
お互い言葉をえらんで静かに離れ離れになるのが
もうもうもう!



このシーンはね、
数年後に高岡が当時の気持ちを告白したのを読んでから
また戻って再読するともっとグッとくる。


大人だから、教師だから、
生徒の未来を束縛しちゃダメだ、



って、自分の気持ちより
真白のことを慮る高岡が男前だな~って。
たぶん真白より高岡のほうが愛が大きくて。
激情を理性で抑え込んで真白には教師の顔しか
見せなかった高岡に惚れたねえ。



で、教師辞めて真白と再会したあとの
色気全開の高岡もまたいいのよw


って、わたし高岡好きすぎwww


真白に甘える高岡とかどんだけご馳走。
ふるえたわ。



他2つの話も良かった。スピンなんだけどつながってる。
諏訪先生の高校時代の話が面白くてさ。
諏訪のツンデレがめちゃ可愛い。
たぶん、諏訪に飛びつく読者多いとおもう~。
諏訪の恋人もいい性格しててお似合いだった。


もうひとつの毒蛇の牙をもつ話しは
やりきれなくてしんどいけど
幸せな話かな。



てことで、
これ買って読んでから
部分的になんど再読したことか。


朝丘色が強いから
酔い酔いが苦手な人にはおすすめできないな。


あ、でも一か所へんなとこあったんだよね。
先生ん家に初めて行って焼肉したときに
「先生が食べてるところ初めて見た」とかいうのがあってさ。
あんたら再会したのレストランですやん。
二人で食事しましたやんってなりましたw


これ編集者チェック入らんかったんかいな。
まあ、いいけどさ、ちょっともったいない。



★5

2016年34冊目








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