アトリビュートの勉強:その20・イスカリオテのユダ | スーラ・ウタガワの「画家ごっこ雑記帳」

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画家ゴッホではありません、画家ごっこです。

浮世絵名所の再発見をコンセプトに自分の気に入った名所を探して油絵を描いています。

そんなリタイア後の画家ごっこライフや、美術についての受け売り雑話をアップしているブログです。

お詫び:本文中のビートルズ、ヘイ・ジュードの歌詞が一部間違っていましたので

 

訂正いたしました。読者各位にはメール通知が重複し申し訳ありません。

 

 

 

とうとう、このお方の順番が回ってきました。

 

そう、あのイエスを裏切ったユダくんです。

 

 

 

イスカリオテのユダ

 

 

これはユダヤの一地方である「カリオテの男、ユダ」という意味らしく、

 

使徒の中にはユダという同じ名前のダダイもいたので、

 

区別するためにこう呼ばれていたそうです。

 

 

(陰の声:でも面倒だから、ここでは単に「ユダ」で通しますね(^~^)

 

 

 

 

「最後の晩餐」ウシャコフ画

 

「最後の晩餐」はレオナルド・ダ・ビンチの作品が有名ですが、

このブログでも何度もアップしていますので、今回はこの作品で・・・

 

 

この作品はダ・ビンチの絵に比べて、よほどわかりやすいと思います。

 

誰がユダか? すぐ分かりますね。

 

まず、イエスを始め他の使徒は光冠(後光)があるのに1人だけない。

 

位置が少し仲間はずれのように描かれている(イエスと反対側にいる)

 

そして、ここが肝心ですが「財布(金袋)」を握っています。

 

 

そうです、ユダのアトリビュートは「財布(金袋)」なのです。

 

(陰の声:他に裏切りをそそのかす「悪魔(サタン)」などもあるようです(  ̄っ ̄)

 

 

はい、これでユダのアトリビュートの勉強は終わりました。

 

 

以後は、またダラダラ雑文ですので、お時間のある方のみお付き合いください。

 

 

(陰の声:またまた長いよ〜(^~^)

 

 

 

 

 

ユダはなぜイエスを裏切ったのか?

 

 

まずは定説から・・・

 

 

他の使徒達のようにガラリア地方の漁師出身と違い、都市部のカリオテ出身の

 

ユダはインテリで経理にも明るく、イエスの信任も得て教団の会計係を

 

していたが、誰もチェックしないので、ついつい使い込んでしまいました。

 

 

しかし、金遣いの荒いのを気づかれそうになったので、補填のために、

 

イエスを売ってしまった・・・

 

(陰の声:これは、金欲しさに売った説ですね( ̄ー ̄;)

 

 

 

これとは別に、ユダも過激派熱心党の仲間で、イエスを盟主として

 

武力反乱を起こそうと計画していましたが、イエスは”愛”がどうしたこうしたと

 

言うばかりでいっこうに行動しないので、彼を追いつめれば決起するだろうと思い、

 

ユダヤ教の長老達にわざと売ったという説もあります。

 

(陰の声:反乱をさせるための陰謀説だね(;^_^A)

 

 

 

 

「ユダの接吻」 ジョット画

 

イエスを捕まえに来た捕り手に「イエスはこの男だ」と知らせるために

キスをしたユダ(中央の黄色いマントの男)のシーンです。

 

(陰の声:ダダイとか小ヤコブとかイエスに似た親戚も多くいたからね( ̄_ ̄ i

余談だけど、この「ユダの接吻」はイタリアのマファイアが裏切り者を処刑する

時に真似るらしいです。映画ゴッドファーザーPART2でもやっているよ。)

 

 

 

その 売値はわずか銀貨30枚(奴隷1人の価格・数十万円)だったそうです。

 

ユダとしては、ちょっとイエスに塀の中に入ってもらおう、どうせすぐ出てくる

 

だろうからくらいの甘えた気持ちでしたが、ユダヤ教の長老達はそんなに甘くは

 

無くイエスを磔にして、この新興宗教を一気に潰す気満々でした。

 

 

 

 

「ユダの後悔」足下に投げ捨てられた財布(金袋)があります(・∀・)/

 

 

イエスが磔になることを知ったユダは大慌てで、長老達のもとに行き

 

「お金を返すからイエスを許してくれ」と懇願しましたが、

 

「アホウ!帰れ、帰れ」と追い出されてしまいました。

 

 

絶望したユダは、貰った銀貨30枚が入った財布(金袋)を投げつけて

 

そのまま誰にも会わずに首を吊って自殺したそうです。

 

 

かくして、イエスを売った裏切り者として、ユダの悪名は確定したのです。

 

そして、キリスト教がローマ帝国の国教になった頃には、ユダ=ユダヤ人として

 

ユダヤ人全体がキリスト教徒に迫害される元になってしまったのです。

 

 

(陰の声:かわいそうなユダ、高い買い物になったね(>_<)

 

 

 

 

次に少数(異端)意見を少々・・・

 

 

定説ではユダがイエスを売った悪人説ですが、少数意見ではユダは犠牲者だった

 

本当はユダは「神の使わした者(神に使われた者)」だったという説です。

 

 

まず、前提としてイエスはキリストであり全知全能の神と同一体だから

 

ユダの心なんぞお見通しで、やろうと思えばその裏切りを回避することなど

 

なんでもないことです。

 

しかるになぜ、主はユダの裏切りを許したのか?

 

 

 

実はイエスはそろそろ地上の任務を終え、天に帰らなければならない

 

時期にきていたのです・・・

 

それは旧約聖書に<人の子(イエス)は帰らなければならない・・・>と、

 

書いてあるからそのとおりに行動しなければならないのです。

 

 

しかし、帰るためには使命としての<人類の罪を一身に背負って>帰らなければ

 

ならないという、イベントセレモニーが絶対必要条件だったのです。

 

 

(陰の声:それは、教えを定着し伝えるために十字架に磔になるという形が

 

必要だということです(´□`。)

 

 

 

そのための協力者として選ばれたのがユダくんで、田舎者の

 

他の使徒では役に立たず、優秀な彼でなければならなかったのです。

 

 

イエスと打ち合わせをしたユダくんは、信ずる主の言葉だからと引き受けますが、

 

仮とはいえ裏切り行為には躊躇してなかなか実行できなかったのです。

 

 

そこで、イエスは最後の晩餐の時、パンの切れ端をユダに渡し

 

「しようとしていることを(しなければならないことを)今すぐ、せよ」

 

命じたのです。

 

 

 

その後 の状況はご存知のとおり、ユダは裏切りの役を見事に果たし、

 

イエスは無事(?)十字架に架けられることになりました。

 

 

しかし、思いもかけぬことに本当にキリストが処刑されることに驚き、

 

裏切りの罪の意識に苛まれ、イエスの処刑前に自死したのです・・・・

 

 

(陰の声:慌て者ですね、でも、ちょっと逮捕されるくらいと思い、本当に

 

イエスが処刑されることも、復活することも聞いてなかったようです(>_<)

 

 

 

 

「ユダの自死」

 

ユダの最後は首吊りとも、飛び降りて地面に叩き付けられて

はらわたを出した酷い姿だったとも伝えられています。

この絵もはらわたが出ているようです(>_<)

よく見えないけど右手に持っているのは「金袋」かな?

 

 

 

(陰の声:まさか真実を隠すために口封じされたのではないよね(・・;)

 

 

 

また、イエスのこんな言葉も残っています。

 

 

「人の子(イエス)は、(旧約)聖書に書いてある通りに去って行く。

 

だが、人の子を裏切るその者は不幸だ。生まれなかった方が、その者のために

 

よかったかもしれない。」

 

 

これは、通常は「こんな主を裏切るやつは生まれてこない方がいい」と

 

解釈されているようですが、「そんなキリストを裏切る役割を与えられた

 

者は不幸だ、これから誤解されてず〜っと憎まれるようになるくらいなら

 

生まれてこないほうがよかったかもしれないね。ごめん( ̄ー ̄;」

 

という解釈も成り立つかもしれません。

 

 

 

(陰の声:以上すべては異端の説をごっこスーラ現代訳で受け売りしたものです。

 

「ホンマでっか?」というレベルで読んでくださいね(^▽^;)

 

 

 

THE  BEATLES

 

 

どんどん話は脇道にそれますが、

 

ビートルズの「ヘイ・ジュード」という有名な歌をご存知と思います。

 

この呼びかけられている「ジュード」とは定説ではジョンレノンの

 

前の妻、シンシアとの子供の愛称で、シンシアと離婚するとき

 

しょんぼりしているジュードに呼びかけたものとされています。

 

 

しか〜し、この「ジュード(Jude)」はドイツ語ではユダヤ人のことで、

 

実はユダに呼びかけている・・・という都市伝説(?)があるのです。

 

 

Hey Jude, don't make it bad!

ヘイ! ユダ そんなに落ち込むなよ!

 

 

信じるか?信じないか?はあなたしだいです。

 

 

 

ユダは裏切りの罪で12使徒から除籍されています。

 

その代役として、マティアという方が使徒に任命されたらしいですが

 

これという美術資料も残っておりませんのでやめて、

 

次回は番外の大物、パウロをアップさせていただき、

 

このシリーズも終了とさせていただく予定です。

 

 

(陰の声:皆様、飽き飽きされていらっしゃると存じますが、

 

もう1回だけよろしくお願いします。m(゚_゚i)m

 

 

 

<アトリビュートの勉強:その20・イスカリオテのユダ・了>

 

 

 

 

 

 

スーラ・ウタガワの
私撰:関西名所図絵・美術館のご案内


このブログの各ページで個別に発表した、スーラ・ウタガワ作品の
名所絵を場所別に集め「美術館」と称して再度アップロードしています。


第1室:大阪南部の名所図絵   開館中
第2室:大阪北部の名所図絵   開館中
第3室:大阪湾岸部の名所図絵  開館中
第4室:神戸地区の名所図絵   開館中
第5室:京都地区の名所図絵   工事中

*各展示室へのご入場(アクセス)はサイドバーのブックマークをご利用ください。

以上、ご案内申し上げます。     館長:スーラ・ウタガワ