屈強な男たちが次から次へと出てくるのを一人で相手している老人。
なぜこの老人を誰も捕まえられないのか、
不思議な身のこなしでスルリとかわされ、
かみ合わないうちに次々と床に倒されてゆく。
三船久蔵という人の柔道は、
私の知っている柔道とはまるで違う。
力を使わずにどうやって倒すか。
そのことを追求した末の技だという。
筋トレでもやって力をつけて相手を倒すという発想とは、
真逆である。
You Tubeで目にするたびに、つい笑いが出る。
いったいどういう動きだろうと思う。
柔道の神さまといわれる人だから、
本来の柔道の動きというのはこんなふうだろう。
スポーツ化した現代の柔道とは、
べつものともいわれる。
日本人の本来の歩き方というのは、
現代の日本人の歩き方とちがう。
なんばという歩き方が本来の日本人の歩きだが、
明治期に動きの伝統が途絶した。
そのような指摘もある。
動きが変わると思想も思考も変わるという。
本来の日本人の動き。
ぜひ復活してほしい。