◆「仙人にはなれなかったよ」と、笑いながら画家は言った。

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*庭に積まれた木材.

◆富士山の麓の丘陵地の頂上(!?)に、そのアトリエは建っていた。広い敷地には、やがて彫刻作品になるであろう大きな木材が、あちこちに積まれていた。そして、巨大なアトリエ!
◆たそがれ時に近い午後5時、画家:十時孝好氏の”制作の現場”に立った。
◆アトリエに招じ入れられると、そこには縦5mほどの巨大(!?)な〈UMA〉の絵!

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*十時孝好“UMA”

◆“USAGI ”とともに、十時さんが最も多く描かれるモチーフ。美術雑誌や画集などで何度も見てきた(ような)絵が、あちこちに立て掛けてあった。
◆その他…“犬”や“山猫(?!)”などをモチーフにした作品・スケッチ(デッサン?!)、ヌード、完全に抽象的な作品・スケッチ。そして、大きな“USAGI”の木彫作品や椅子など、数百点もの作品が無造作に置かれ、飾られている。

⇒“ ”内のタイトルは、私が仮りにつけたものです。ご了承ください。

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*アクション・ペインティング?!

◆アトリエの半分は立体作品を作るスペース、残りの半分が平面作品を描くためのスペースになっている(ようだった)。
◆平面側のフロアは、ご覧のとおり。ポロックの作品のよう。
⇒ここにアトリエを建てられて、10年ほどだろうか?!

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*十時孝好“跳躍”

◆壁や棚には大小さまざまな、無数の平面・立体作品!
⇒十時さんの平面作品のほとんどは木材(またはパネル)に描かれています。以前…支持材造りの過程も聞きましたが、丁寧に工程を重ねて作っています。

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*十時孝好“フェニックス”

◆これは?! と思って…「これは古い作品ですか」と訊ねると…。なんと、初期の傑作“フェニックス”の習作だと言う。
◆無造作に掛けられていたが…かつてお願いした講演会の時に、その制作過程のエピソードを聞いた作品! この作品を構想した時、この作品は猛禽(コンドル?! ハゲワシ?!)になるはずだったそうです。が、どうしても上手く進まず…最終的に“フェニックス”になったのだそうです。
⇒本作は横幅5mくらいの作品。習作の横幅は1mほど。

◆藝大卒業後、助手として藝大に残り、合計10年間をそこで過ごした後、渡米。傷心の思い(と以前に聞いた)で帰国した直後の、「産みの苦しみ」を味わわれた作品。金地にほとんど黒だけの作品。勢いがあり、若い頃のみずみずしい感性があふれた作品です。
⇒写真右の影は、キッチンでスパゲッティを作る十時さんの影。

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筍スパゲッティ

◆なんと、十時さんお手製の筍スパゲッティです!(勿体なくて食べられません…怖れ多くて、心の中で泣いておりました)

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*本棚・ストーブ・彫刻小品など

◆平面作品制作側のスペースには、絵の具が何百本と並んだ大きな机(制作台?!)。
◆そして、上の写真の棚。最少限にしたという本~画集・紙焼した作品ファイル、そして辞典類など~と小さな立体作品・陶芸作品などが並んでいた。
◆最後には、いつの間にか増築された2階も案内していただいたが…そこは、まるで迷路! ワンダーランド!? 誰が来ても泊まれるようにしてあるようだった。

⇒以下、1回の文章としては長くなりそうですので、今回はこのあたりで。またすぐ、後半をアップいたします。次回もお楽しみに!


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