◾︎今回は、下の別冊太陽『俳画歳時記』(昭和56年発行)から、江戸時代以降の俳画数点の紹介をしたいと思います。

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                 *『俳画歳時記』表紙.

⇒「又平に逢ふや御室の花ざかり」蕪村。

◆まずは江戸時代の俳諧の3巨匠…松尾芭蕉・与謝蕪村・小林一茶の作品から。

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                 *松尾芭蕉〈山吹自画讃〉⇒以下の作品画像は、全て『俳画歳時記』による.

⇒芭蕉「山吹や宇治の焙炉のにほふ時」。

◆芭蕉の作品は、書も絵も端正。広々と余白を取っているのも特徴のようです。

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                *与謝蕪村〈天狗図自画讃〉

⇒「せみ啼や僧正房のゆあみ時」夜半翁。

◆夜半(翁)=蕪村の絵は、さすがに本職!    描線の的確さ・自在さ、墨の濃淡の使い分けなど、他の俳人とは一線を画しているようです。

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               *小林一茶〈旅人自画讃〉

⇒「義仲寺へ急候はつ時雨」一茶坊。

◆一茶の作品は、略画と言ってもいいような、一筆描き的な作品がほとんど。それでも、乞われて描いたのでしょうか…意外なほどの、枯れ具合です!

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                *松尾芭蕉〈はるもやや/自画讃〉

⇒「はるもやゝけしきとゝのふ月と梅」はせを。

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                 *与謝蕪村〈鳴滝の梅の図〉

⇒蕪村「うめしろしきのふや鶴をぬすまれし」。

◆芭蕉と蕪村の作例は、特に多数掲載されていました。蕪村の画業は本職ですから当然として、芭蕉のオーソドックスな描写には驚かされます。

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                 *井原西鶴〈画讃十二ヶ月/十月〉

◇西鶴「牢人や紙子むかしは十文字」。

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                 *渡辺崋山〈夕立図る〉

⇒崋山「鳶の香もいふだつかたになまぐさし」。

◆最後に、西鶴と崋山の作品。それぞれの分野での巨人ですが…チョー短詩型の俳諧・俳画の作品も残しているのがうれしいですね!

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                     *自作〈のどけしや〉

◆オソマツながら、私の試作も…。
◆これは、前回紹介したNHK『水墨画入門』の講師:岩崎巴人さんの作品を真似て、初めて描いた水墨画(?!)。次回はさらに、静物や風景を描いたものもアップしたいと思います。
⇒ 2年前になるでしょうか。銀座の二人展の折、同級生が…私が中学生の時に描いた墨絵を返してくれた。およそ半世紀も前のもの。今回の作は…おそらく、それ以来の水墨画。


◇明治以後の“俳画”作品と自分の試作品は次回以降2回…(3)回目と(4)最終回として、ご紹介したいと思います。


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