カテゴリ:前立腺がん
◆◆ PSAが高いほど前立腺がんは悪いのか? ◆◆
PSAが高ければ高いほど、前立腺がんはみつかり、そして病状も進んでいる印象です
PSAは、前立腺で作られるたんぱく質です。 前立腺がん細胞のみで作られているわけではありません。
PSAは、人間の存在に関わる重要なたんぱく質なのです。 前立腺細胞がPSAを作るのは、正常の営み・状態といえるのです。 血液中のPSA検査では、前立腺細胞や前立腺がん細胞から漏れ出たPSAの濃度を測定しています。
前立腺の腺組織で作られたPSAは腺腔内に分泌され、せい液の主要なたんぱく質となって受精妊娠に重要な働きを果たすと考えられています。
前立腺がん細胞があると、PSAが上昇するわけですが、なぜ、PSAが異常高値になるのかというのは、実はその正確な機序はよくわかっていません。 どうも普段は漏れ出ないPSAが、前立腺がん細胞が正常でないため、PSAが漏れ出てくると考えられています。 前立腺の腺組織が前立腺がんや炎症などで構造が壊れて、腺腔にでるべきPSAが、周囲の血管内に入りやすくなるために血液中のPSAが上昇するといわれています。 前立腺がんになるとPSAは高くなりますが、前立腺がん細胞もPSAをたくさん産生しているようです。 PSAの値が高くなるというのは、前立腺がん細胞がたくさんPSAを分泌しているからでしょう。 前立腺がん細胞が増殖して細胞の数が増えることでPSAも上昇すると考えられます。
それでは、 血液中のPSAが高ければ高いほど、がん細胞の性質は悪いのでしょうか? それともPSAの高値は、前立腺がん細胞の数がただ多いことを単に示しているのでしょうか? PSA高値イコール悪性度が高い すなわち すぐに進行して重篤な状態になりやすく、生存期間が短くなるのでしょうか?
私Uromasterの病院の解析では、PSA40以上であれば、60%以上の確率で前立腺がん細胞は、前立腺周囲に出てしまって拡がっているようです。
がんが前立腺に限局していなければ、 前立腺の外に拡がっていれば、 転移していれば、手術や放射線療法での根治は難しくなります。
しかし、 PSAの値が高くなればなるほど、前立腺がん細胞の悪性度は上がり、治療への効果は低下するのでしょうか?
血液中のPSAの値に比例して、相関して、前立腺がん細胞の性質が悪くなるのかどうかということは実はよくわかっていません。
もし、前立腺がん細胞の性質が悪ければ悪いほど、もとの正常の前立腺細胞と性質がかけ離れてくるのではないでしょうか。
本当に元の前立腺細胞と性質がかけ離れれば、本当に悪性度の高い前立腺がん細胞は、正常細胞が作るPSAなんかは産生しないかもしれません。
本当に前立腺がん細胞の悪性度がたかければ、もとの正常の前立腺細胞の性質とかけ離れてしまうことが予想されます。 PSAをつくる性質が残っているということは、もとの正常の前立腺細胞の性質が残っている証ではないでしょうか。
つまり、PSAが高いことイコール悪性度が高いことではないかもしれないのです。
PSAが高いことイコールがん細胞の数が多いこと、前立腺がん組織のボリュームが大きいことを単に示しているかもしれないのです。
1個1個の細胞の悪性度はあまり高くないのかもしれません。
前立腺がん細胞の悪性度を示すものとして、グリソンスコアがあります。 グリソンスコアは、細胞1個1個の悪性度を表すというより、細胞が集まった組織の形の崩れを表す指標です。 PSAが高い前立腺がん患者さんのグリソンスコアはPSAの値に相関して高いのでしょうか。
そのため、私Uromasterは、PSA 100以上の患者さんの解析を以前行いましたし、今回、PSA 1000以上の患者さんの45人の解析を行なったわけです。
PSA 1000以上の患者さんの45人の解析結果に 興味がある方は、電子配信をご覧ください。
メール形式の配信予定です。 10/01 定期配信『PSAが高値(1000以上)で見つかった前立腺がん その1』 10/15 定期配信『PSAが高値(1000以上)で見つかった前立腺がん その3 5年間生きられる確率は?』 月4回定期配信です。
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最終更新日
2017年11月01日 01時59分28秒
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