生きる気迫 | ひだまり 日常生活

ひだまり 日常生活

日記を書くことで考えを整理したり、気づいたことを記しています

                

先日注文した本が着きました。
坂口安吾の随筆集です。
タイトルは同じ「堕落論」でも、
編集されている作品が
出版社によって微妙に違います。
私が選んだのは角川文庫。

日本文化私観・青春論・堕落論・続堕落論
デカダン文学論・戯作者文学論・悪妻論
恋愛論・エゴイズム小論・欲望について
大阪の反逆・教祖の文学・不良少年とキリスト


まず「不良少年とキリスト」を読みました。

不良少年とは太宰治のことで、
太宰の没後に執筆されました。

太宰ファンには耳の痛い箇所もあると思いますが、
作品や人柄をすごく評価をしているところも。

--------------------------------------
・・・・先輩を訪問するときは袴をはき、
太宰は、そういう男である。健全にして、
整然たる、本当の人間であった。
--------------------------------p264--
----------------------------------------
・・・光かがやくような作品を書いている。
「魚服記」、「斜陽」、その他、昔のものにも、
いくつとなくあるが、~(中略)~立派なものだ。
---------------------------------p271---

わたしが気に入ったところ ↓

---------------------------------------------
思想とは、個人が、ともかく、自分の一生を大切に、
より良く生きようとして、工夫をこらし、
必死にあみだした策であるが、それだから、又、人間、
死んでしまえばそれまでさ、アクセクするな、
と言ってしまえば、それまでだ。
---------------------------------p269-270---

--------------------------------------------
生きていることだけが、大事である、ということ。
たった、これだけのことが、わかっていない。・・・
・・・・(中略)・・・・・・・・・・・・
 然し、生きていると疲れるね。かく言う私も、
時に、無に帰そうと思うときが、あるですよ。
戦いぬく、言うは易く、疲れるね。しかし、度胸は、
きめている。是が非でも、生きる時間を生き抜くよ。
・・・・・・・
---------------------------------p282-283---

生きる気概、気迫の伝わってくる随筆でした。