糖尿病でも運動してはいけないときがある | くらえもんの気ままに独り言

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 今回は久々に糖尿病の話です。

 一応、生活習慣病ブログランキングに参加していますので(;^_^A


 というわけで、糖尿病についてのおさらいです。


糖尿病ってどんな病気?

http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11829347140.html


 簡単に言うと、インスリン(エネルギー源をため込んだり、ATPを作るのに必要なホルモン)の働きが弱くなって血液中にブドウ糖があふれてしまい、全身の細胞を老化させていく病気と思ってよいかと。


 糖尿病の治療法には大きく分けて


1.食事療法(適度な量を適度なバランスで食べる)

2.運動療法(適度な運動をする)

3.薬物療法(内服または注射)


 の3種類があります。


 なかでも食事療法運動療法が特に重要で、この2つが十分でないと薬物療法の効果は薄いどころか、かえって体重増加などの副作用が強く出てしまいます。


 今回はこの中の運動療法について書いてみたいと思います。


 運動療法が糖尿病に対してどのような効果を与えるかというと、まず短期的には血糖値を下げるということでしょうね。運動によってエネルギーを消費すると筋肉の細胞の中のエネルギー源が枯渇するので、血液中のブドウ糖を取り込もうとします。


 糖尿病の方で、特に食後の血糖値が高い方なんかが食後の運動を勧められるのはこのせいですね。


 そして、中長期的には体質の改善といったところでしょうか。具体的には筋量のアップによる基礎代謝のアップ。そして、肥満の改善によって脂肪組織や肝臓がエネルギー源を再び貯蓄しやすくなる(インスリンが効きやすくなる)といった効果が期待できます。


 さらにはストレスの発散など、精神的にも運動にはよい効果がたくさんあります。体が元気になれば心も元気になるってもんです。


 しかし、


 実は糖尿病であっても運動してはいけない状態があるって知っていましたか?


 糖尿病を長く患っていると全身に様々な合併症を引き起こします。


 運動をする際には体を活性化させるようなホルモン(グルカゴン、アドレナリン、コルチゾールetc.)がたくさん分泌されるのですが、このホルモンには血圧や血糖値を上げる作用があります。健康な人であれば、これらが体中にたくさんエネルギー源を運ぶことによって運動によって消費されるエネルギーを効率よく補給することができるのですが、合併症が進行している方にとってはそれをさらに悪化させたりするのです。


運動療法によっておこる合併症の悪化

・眼底出血

・タンパク尿の増加

・神経障害の悪化

・狭心症や心筋梗塞

・急激な血圧変動

・足潰瘍や足壊疽

・変形性関節症

etc.


 というわけで、合併症がある程度進行している方は運動療法が禁止されているのです。といっても筋力や体力が低下しない程度の日常動作は可能ですが。


 そして、合併症の他に血糖コントロールが著しく悪いケースです。


 血糖値が高いと運動で下げたくなるという人もいるかもしれませんが、血糖値が高いということはインスリンの効き目が悪い、またはインスリンの量自体が少ないということを示します。


 この状態で運動をするとブドウ糖が細胞内に取り込まれる量よりもブドウ糖が血液中に放出される量の方が上回り、かえって血糖値が上がってしまったりするのです。


 特にインスリンが欠乏している状態ではATPの産生もうまく行うことができないため、運動によってエネルギーが枯渇してもエネルギーの供給が起こらず、細胞にとって危機的な状況となったりします。


 さらにはインスリン欠乏時には脂肪酸が不完全燃焼しケトン体というものが作られてしまうのですが、これは酸性の物質であり、これが貯まると血液中のpHが酸性に傾いてしまい、命に関わる状態となることもあります。


 血糖値があまりにも高いようなケースでは運動療法は血糖値が落ち着くまで控えるようにし、食事療法および薬物療法によって血糖値の安定化を図る必要があるというわけです。


 運動は健康にいいし、糖尿病の治療の中でも重要ではあるのですが、やってはいけないケースもあるのだということを是非覚えておいてください。


 ちなみにどんな運動が糖尿病の方にオススメかについては、詳しいサイトをご覧になってください(‐^皿^‐)


 

 最後に、このことを国家経済に絡めて考えてみましょう。


 運動公共事業であることはこの前書いた通りです。


(参考)国の借金を体の仕組みで表現してみるとどうなるか

http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11962572273.html


 それでは、糖尿病は?血糖値が高い状態は?インスリンの効きが悪い状態とは?


 そこで参考になるのがこの過去エントリー。


(参考)糖新生と通貨発行

http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11744482091.html


 インスリンの効きが悪い、つまり貯蓄しづらいような状況とは「低金利」の状況と言えそうです。そして「日銀による金融緩和」肝臓からのブドウ糖放出、そして高血糖「超過準備」と言ったところでしょうか。


(参考)ブタ積みは1京円突破 

http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11879096540.html


 つまり、リフレ派の戦略は肥満(デフレ)の治療として血糖値が上がるホルモンを注射(金融緩和)することによって、体重を減らそう(インフレにしよう)ということでしょうか。(糖尿病がひどくなると体重が減るという話は「糖尿病ってどんな病気?」のエントリーを参照。)

 (専門的な話をするとグルカゴン作用とインスリン分泌増強作用を併せ持つ薬剤は肥満糖尿病の治療薬として研究開発中のようですが、グルカゴン作用単独だと血糖値が上がりすぎて危険かと思われます。グルカゴンの話は「糖新生と通貨発行」のエントリーを参照。)


 とまぁ、リフレ派のデフレ治療戦略はかなり問題がありますし、ブタ積みは1京円突破とあるように現在はかなり血糖コントロールが不良極まりない状況と表現しても差し支えないでしょう。

 

 血糖コントロールが著しく悪い状況での運動はかえって状態を悪化させるという話でしたが、もし、国家経済と体の仕組みに密接な関連があるとしたら、過剰金融緩和をやっている今の日本で公共事業を推進することはかえって悪い結果を引き起こすかも?


 もしかしたら、財政出動をする前に金融緩和を適正規模に戻すことの方が先決かも?


 もしかしたら、今の日本経済のボトルネックは緊縮財政ではなくリフレかも?


 最後はややオカルトチックな話になってしまいましたが、来月予定しております久々のリフレカルトフルボッコシリーズの最新作で、本当に財政出動することより先に金融緩和を止めるべきかどうかについて検討してみようと思います(ちょっと考える時間を下さい(;^_^A)。


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