最新ニュース

2024年4月6日 このブログのレイアウトを変更しました。レシピ記事の見やすさを優先したデザインにしたつもりです。レシピの選択は右側にある「レシピのリスト:ここから選択(公開順)」から、あるいは右側の「ページのリスト」にある「料理のコース順レシピ・リスト」からどうぞ。

2024年4月2日 このブログのいくつかのレシピ記事の冒頭にあった前書きからエッセイ的な内容の部分を削除しました。料理にあまり関係のない記述を削除し、レシピ記事の導入部を簡略化するためです。削除された部分は、新しく作成されたページ「以前の前書きから」に移動して継続して保存されますので興味がある方はそちらを参照してください。

2024年1月6日 Amazonアフィリエイト・プログラムの基本仕様変更に伴い、本年1月よりアマゾン商品広告のすべての画像が表示されなくなりましたので、このブログからアマゾン直販サイト関連のすべての個別商品広告を削除しました。今後の動向は今のところ不明です。

2023年12月29日 このブログの「R#052 クリスマスの残り物をおいしくグリル」を「おもてなしレシピ~手軽に作れるクリスマス・パネトーネ」に差し替えました。イタリア発祥のクリスマスのデザートです。正式に作るには時間と労力がかなり必要なお菓子ですが、家庭でも手軽に作れる方法を紹介しています。基本のポイントは抑えてあるので、初めての方でも失敗なしに作れるレシピです。最近はクリスマスに限らず一寸したパーティや食事会にも登場することが多くなってきた応用の利くデザートメニューをぜひお試しください。

2023年12月4日 このブログの「R#003 ミニトマトのプッタネスカ」の最後に応用編「アーティチョークとアンチョビのスパゲティ」を追加しました。プッタネスカを基本にアーティチョークの爽やかな酸味を加えたバリエーションです。


右側のレシピ・リストからお好きなレシピを選んで表示できます。(スマホの場合などレシピ・リストを表示しにくい場合は、ここをタップして「料理コース順レシピ・リスト」を表示、そこから選ぶこともできます)スマホの場合、「Webバージョンを表示」を選択するとレシピが探しやすくなります。

おもてなしレシピ~鯛の地中海風、プロバンス風ビネグレット・ソースで R#100

このレシピでとうとうアップロード数100を達成しました。2014年3月に最初のレシピをアップロードしてから3年4か月かかったわけです。それを記念して今回はちょっと豪華に鯛の尾頭付き地中海風です。地中海風といってもそんな料理法があるわけではありません。私がまだ若かったころ旅した地中海の島マジョルカ島で食べた鯛がめっぽうおいしかったのを思い出して、プロバンス風のソースと一緒にレシピにまとめただけです。

プロバンス風のビネグレット・ソースは鯛やいさき、すずきなど白身魚のオーブン・ローストに最高に調和します。このソースを憶えたら、白身魚の味付けにはもう別の調理法は必要ないという気がするほど。ぜひ魚丸ごとの料理に挑戦してください。生の魚の調理は苦手という方も(実を言うと私もその一人)、大抵の大きなスーパーでは頼めば下処理は快く引き受けてくれます。今回の鯛も頼んでえら、内臓、うろこを取り除いてもらいました。もちろん無料です。こんな便利なサービスがあるなら、もっともっと魚を日常の食事に活用してみたいと思うのは私だけでしょうか。

基本のレシピ~ミルポワ R#099

イタリア料理にはアーリオ・オーリオ(R#001)、スペイン料理にはソフリート(R#049)という風にその料理には欠かせない基本のレシピがありますが、そのフランス料理版がこのミルポワです。フランス料理にはソースが非常に重要ですが、殆どのソースのベースとなるのが、香味野菜で作るミルポワと言っても言い過ぎではないでしょう。広義のソースにはフォンやブイヨン、グラスやジュレも含まれますが、それらを作るときの最初のステップがミルポワ作りから始まることが多いのです。ミルポワの材料としてよく使われるのは(左の写真の下半分)にんじん、にんにく、セロリそしてエシャロットです。これがフランス料理の基本の基本だと覚えておくのもいいかもしれません。作られる料理によっては、にんにくの代わりにポワロねぎ、エシャロットの代わりにたまねぎ、追加の材料としてマッシュルームや干ししいたけ(湯で戻す)、トマトなどが使われることもあります。ここでは、最も定番の材料と言えるにんじん、にんにく、セロリとエシャロットの組み合わせを紹介します。なお、このミルポワを使った料理の例として「鯛の地中海風、プロバンス風ビネグレット・ソースで R#100」を次回アップロードしますのでそちらもご覧ください。ミルポワを炒めるときに使われるオイルは、レストランなどではオリーブ・オイルよりもピーナツ・オイルとバターの組み合わせの方が普通のようです。なぜミルポワにピーナツ・オイルが使われることが多いのかは知りません。ミルポワがさらに次の段階でソースやジュ(煮込みだし)の一部となることが多く、その分長時間高熱に晒されるから(ピーナツ・オイルは高温調理に強い)なのかとも思いますが、当たっているでしょうか。

デイリー・レシピ~フライパンでラタトゥイユ #098

南仏プロバンス地方の名物料理ラタトゥイユです。オーブンでローストして作る方法もありますが、今回はフライパンで炒め煮風に仕上げる方法を紹介します。この方が時間的に早い(下準備から入れて40分くらい。オーブンなら1時間)し、途中の火加減も細かく調整できます。煮え具合にばらつきが出ることもありません。今回使った具の材料はすべて野菜なので、これ以上健康的な料理は考えられないでしょう。それでいて、たっぷりのオリーブ・オイルと生のハーブが、野菜の持つ一種独特の土臭さを和らげてくれます。なすが苦手の私の夫も、この料理なら食べてくれるほど。さらに、赤ワインを入れることで、野菜がいっそう食べやすくなったような気もします。このレシピでは、夏向きのあっさりとした味に仕上げるため、にんにくを控えめに抑えてありますが、それでもメインの一品として通用するほど満足感のある味になっています。週に1、2回でもこのような料理を食べていれば、野菜不足なんて気にする必要もなくなるでしょう。ラタトゥイユのトゥイユとは「かき混ぜる」の意とか。その名のとおり、蓋が開いているときは、絶えずかき混ぜるのがこの料理をおいしくするコツです。暑いこの時期火のそばに立ち続けるのは、ちょっと辛いかもしれませんが。


たことじゃがいも、マッシュルームのタパス R#097

スペイン人の生活には欠かせないタパスのなかでも最も普通に食べられているたことじゃがいもがメインのシンプルなタパスです。スペインでは家の外でとる夕食は午後9時から11時頃になるのが普通になっているとか。そんな遅い食事を待ちかねてバルなどでワインをひっかけながらつまむのがタパスで、普通バルには10種くらいの様々なタパスが用意されていて、いくつかのバルをはしごしながらいろんなタパスを楽しむのが習慣なのだそうです。なかでもこのガリシア風のたことじゃがいものタパスは、たこが捕れる港町と知られるガリシアの定番の郷土料理で家庭料理としてもポピュラーな一皿。味付けはにんんくとオリーブオイルが主でタパスとしてはシンプルなほうですが、その味のシンプルさゆえにバルには欠かせないスペイン人の大好物となっているそうです。

ロメインレタスのミックスナッツ・ロースト、わたし流 R#096

ロメインレタスというとすぐに浮かぶのはシーザー・サラダですが(ロメインレタスのシーザー・サラダ風 R#024)、ロメインレタスの別の美味しい食べ方に、ローストやグリルがあります。ロメインレタスは焼いてもとても美味しいんですね。このレシピではロメインレタスにわたし好みの組み合わせのミックスナッツをまぶしてローストしています。ロメインレタスはオーブンでローストすると、フライパンなどで炒めた場合と異なり、葉の形がしっかり残ったままなので、仕上がりが水ぽっぽくなりません。そのおかげで、葉にまぶされたナッツの香ばしさとオリーブ・オイルの風味が、この料理を最高の野菜料理にしてくれます。もうひとつのわたし流のポイントは、ロメインレタスのグリル・レシピにつきもののアンチョビを使わないこと。オーブンでローストする場合は、アンチョビを入れない方が、ナッツや野菜のもともとの味がフルに生かされるというのがその理由です。この料理にはロメインのように、葉が直立していて、熱で形が崩れにくいレタスでお作りください。ナッツの組み合わせはお好みで変えても構いません(全部で50g前後に)。この料理に弱点があるとすれば、上の写真でもお分かりのように、取り分けたときに見栄えがあまり良くないこと。でもお味の方は間違いなく保証付きです!

ミッレ・リーゲとソーセージのクリームソース・パスタ R#095

ミッレ・リーゲとはイタリア語で千の線という意味だそうです。写真でもおわかりのように、この太いパスタには、数えきれないほどの細かい溝がついています。そのせいで、このパスタへのソースの絡み加減は、他のどんなパスタよりもダントツにいいのです。その特色を最大限に生かすために、ソーセージとグリーンピース入りの濃厚なクリームソースと合わせてみました。ペンネやリガトーニなどよりも、ずっと太いこのパスタは、液状のクリームソースを絡めると、その水分を吸って乾燥時の大きさの倍以上に膨らみます。ソースの味がよく滲みるだけでなく、口当たりがやわらかいので、イタリアでは歯がないお年寄りでも好んで食べるのだとか。やわらかいといっても決して”伸びてしまった”やわらかさではありません。ソースをよく吸っているからで、素材のセモリナ粉のせいでコシはちゃんと残っています。ほかの殆どのパスタと違い、ミッレ・リーゲを使うと、作り置きしても、冷めても美味しいのです。
スガンバロのミッレ・リーゲ
イタリア産のセモリナ粉
100%使用
イタリア料理を習うと最初に教わることは、パスタは出来上がったらすぐに食卓に出して食べてもらうこと、ということじゃないでしょうか。正式なイタリアン・レストランでは、パスタだけは作り置きは絶対にしないのだとか。作ってから時間がたってしまったパスタ料理は、もうただのゴミでしかないという人もいます。でもミッレ・リーゲを使ったパスタ料理だけは例外。前日の残りものを翌日温め直しても美味しくいただけます。但し、そのためにはセモリナ粉100%のミッレ・リーゲを選んでください。最近は通販でも入手できるので、ぜひお試しを。きっと驚かれますよ。

おもてなしレシピ~骨付き鶏もも肉のグリル、ギリシャ風 R#094

この料理はぜひ写真のような骨付きのもも肉で作って欲しいと思っています。日本では骨付きの肉はあまり尊重されていないみたいですが、欧米ではハレの日の食事や、パーティなどに骨付きの肉がよく使われます。骨付き肉の方が見栄えがするということもありますが、味も骨付きの方が美味しいのです。骨を付けたままで料理すると、骨からにじみ出るコラーゲンなどを含んだ髄液が肉の味を良くすると言われています。それに、骨を付けたまま調理すると、肉の組織が縮みにくいので、その分本来の柔らかさも保たれるそうです。日本でも骨付きのブロック肉がもっと店頭に並ぶようになって欲しいですね。今日は日本でも比較的手に入れやすい、骨付きの鶏もも肉を使ったギリシャ風のグリルを紹介しましょう。
この料理は、理想を言えば、ギリシャの田舎風に、庭などにしつらえたグリル用のかまどなどで、のんびりと遠火焼きしたいところですが、都会生活ではそれも夢なので、蓋つきのグリルパンを使い、中弱火で時間をかけて蒸し焼きしました(焼き時間25分)。この焼き方だと焼き色が付きにくい代わりに、とてもやわらかくてジューシーな鶏肉を堪能できます。スパイスとハーブのマリネ液に一晩つけておいたので、鶏肉臭さは全く感じられませんでした。召し上がるときは、ぜひ写真のようなギリシャ・ヨーグルトにはちみつを混ぜて、鶏肉にまぶしてください。ギリシャ・ヨーグルトとの相性がいいのにびっくりしますよ。一瞬、エーゲ海の島にでもいるような気分になるかも....

デイリー・レシピ~ミニ・アスパラとベーコンの夏向きパスタ R#093

初夏はアスパラガスが美味しい季節。ヨーロッパではこの時期だけ野生のアスパラガス(アスパラソバージュ)が出回る季節でもあります。最近は日本でも冷凍空輸されたアスパラソバージュが手に入るそうですが、なにせ1キロ1万円もする高級食材とか。そんな高級品のアスパラガスはイタリアンやフレンチのレストランに任せましょう。ここでは、近くのスーパーに最近は夏でも出回っているミニ・アスパラを使って、旬の野菜の風味を味わうことにしました。水耕栽培やタイからの輸入物のおかげで一年中ミニが手に入るようです。輸入物の方は一束がたったの110円前後という安さ(2017年現在)なので、気兼ねなく使えるところが有り難いですね。普通のグリーン・アスパラよりずっと細く、茎も柔らかいので、みたところアスパラソバージュによく似ています。
ミニ・アスパラ
味はきっとそれなりの違いがあるのでしょうが、生クリームではなくハーフ・アンド・ハーフ(そのレシピ参照)を使うことで、夏向きの口当たりのさっぱりしたパスタ料理になりました。以前アップロードしたレシピ「春から初夏の野菜スパゲッティR#010」はロング・パスタでしたが、こちらはフジッリのようなショート・パスタを使います。冷製パスタでは物足りない時に、これからの暑い時期でもいけるこの温かいパスタを
ぜひお試しください。最近は大手冷凍食品メーカーから幾種類もの冷凍アスパラガス(細めのものが多い)が、年間を通じてスーパーの店頭に並ぶようになったのも家庭主婦への嬉しい助け舟です。

ひよこ豆とほうれん草のスペイン風グリル R#092

スペイン料理になくてならない調味料といえば、なんといってもパプリカ(パウダー)でしょう。チョリソー・ソーセージからタパスやアヒージョ、そして卵の目玉焼きにまでパプリカが使われるそうです。スペイン語ではパプリカはピメントン(ハンガリー語でパプリカはピーマンの意だとか)。カラー・ピーマンのパプリカとの混同をさけるためにスペインではピメントンと呼ばれることが多いようです。ピメントンの赤い色は、タンドリーチキンのように料理の色付けに使われるだけでなく、布を染めるのにも使われるそう。ハンガリーのパプリカ同様、スペインのピメントンにもスイート(ドゥルセ)、中辛(アグリドゥルセ)、大辛(ピカンテ)があるのだとか。”そうです”とか”だとか”という表現が続いて済みません。私はスペイン語は全くできないので、私の夫にリサーチしてもらった内容を受け売りしているだけですので。日本のスーパーなどの香辛料売り場に並んでいるのは、ほとんどの場合、スイート・パプリカです。独特の香りと風味はありますが、全く辛くないのでお子さんにも安心して使えます。そのパプリカをたっぷり使ったレシピがこれ。ひよこ豆とほうれん草は南スペイン料理によく登場します。かって南スペインがアラブ系のムーア人に支配されていた名残りかもしれません。それにカラー・ピーマンやりんごを合わせてみました。スペインのりんご(北スペインが主産地)はエンパナダ・マンサーナ(りんごのパイ)の材料として家庭料理に欠かせないとか。ここで使ったのは国産のりんごですが、スペインの南と北の味の出逢いがどんなものかを偲べれば、こんな試みも悪くないでしょう。ピメントンをたっぷり使って、スペインらしさ横溢のスペイン料理を堪能してください。


海老とエリンギ、マッシュルームのアヒージョ R#091

そろそろアヒージョが一番おいしい季節になってきました。ギンギンに冷えたサングリアに熱々のアヒージョの取り合わせは、スペイン料理ならではの醍醐味ではないでしょうか?スペインのタパス・バーでは、具を食べたあとのオリーブ・オイルにバゲットを浸して食べることが多いようです。ちょっとした腹の虫抑えにもなりますからね。夕方タパス・バー巡りをしてから、観劇やコンサートに行き、終わってから深夜にディナーというスペイン流の食事パターンは、日本人にはとてもついて行けない超絶ペース。「スペイン人は1日に5度食事をする連中」という軽口を、ヨーロッパの他の国の人たちが口にしているのを、何度も耳にしたことがあります。それでもスペインでは米国のように病的なほど肥り過ぎの人をあまり見かけません。それは、もしかしたら彼らの食事がオリーブ・オイルとにんにくを欠かせないからかも。手前味噌かも知れないけど、やはり地中海料理が世界一健康的と思いたくなります。アヒージョは具材を、そのたっぷりのオリーブオイルとにんにくだけで煮込む料理の総称です。


アスパラガスとマッシュルームのレヴェルト R#090

レヴェルトはスペインの卵料理の名前です。スペインではスクランブル・エッグに他の材料を加えて作る料理をすべてレヴェルトと呼ぶのだとか。加える材料に決まりはありません。海老や貝類だったり、タラのような白身魚、ハモンセラーノのような生ハム、ほうれん草、スモーク・サーモン、そして最高の組み合わせはあのトリュフ! 卵と合いさえすればいいのですから、組み合わせは無限。ぜひ材料を変えてユニークなレヴェルトも試してみてください。スペインの卵料理のもう一つの定番、トルテーリャ(具入りオムレツ)よりも簡単(裏返す必要がない。形が崩れる心配がない)なので、スペインの家庭ではこちらの方が作られる機会が多いという料理記事を見たこともあります。レヴェルトに使うアスパラガスは、できれば細くて軟らかいものを選びたいですね。硬いとスクランブルした卵と違和感が出てしまいます。春先に出回るやわらかなアスパラガスならさっと湯引きするだけで十分ですが、それ以外の季節のものを使う場合は、ピーラーで皮を剥く、熱湯で2分以上茹でるという下拵えの手間を惜しまないようにしましょう。

おもてなしレシピ~ビーツといかの本格リゾット、ピクルスの付け合わせ R#089

春の訪れを告げるようなリゾットは如何ですか。ビーツを使ったリゾットを作ったら左の写真のような桜色の美しい逸品が出来上がりました。まるでお雛祭りの料理みたい!甲いかの白とイタリアン・パセリの緑も素敵なアクセントになっています。もちろん見かけだけではなく、味の方も期待に背きません。今回のリゾットの作り方は、手を抜かない本格派です。お米はタイ産のジャスミン米を使いました。リゾットを口当たり良く仕上げるには、かなりの経験が必要ですが、このタイ産のお米の方が、国産のお米を使うよりも失敗が少ないので、リゾット向きです。国産のお米(ジャポニカ種)はタイ米のようなインディカ種より粘りが強く、慣れないと出来あがりが、おじやのようにぐちゃっとなりがちです。
タイ香り米の一例
ジャスミン・ライス
ジャスミン米のような中粒米なら煮崩れしにくいので、時間をかけてゆっくり炒めさえすれば大丈夫。イタリーのアルボリオ米やカルナローリ米がなくても、本場のリゾットに負けない出来上がりを期待できます(KALDIコーヒーファームのチェーン店などで手に入ります。300gで400円前後)。
ビーツは水煮するよりもオーブンでローストする方が皮が剥きやすくなります。いかは今回は刺身用のサクを使いました。サクの状態のいかなら調理前に硬さを確かめられるので。なるべく軟らかい甲いかを使いたいもの。
オランダ産ビーツ
いかが硬過ぎると、仕上がりに違和感が出てしまいます。付け合わせには、ぜひ野菜のピクルスを添えて。ローストして余ったビーツも一緒に漬け込めば、1~2時間で食べられる状態になります。リゾットに使う生のビーツが手に入らないときは、S&Wのビーツ水煮缶を使っても。但しその場合赤色が濃く出すぎがちなので、米に加えるとき色加減を見ながら量を調整してください。

デイリー・レシピ~カリフラワーとじゃがいもの具沢山スープ R#088

雪印メグミルクという会社からハーフ・アンド・ハーフの日本版みたいなクリーム「料理がクリーミー」が発売されたのがうれしくて、またそれを使ったレシピをアップロードしました。ケーキをつくるときのようなホイップ用途には使えませんが、クリーミーな煮込みやパスタ料理などにはぴったりの材料です。動物性乳脂肪が生クリームの半分以下(15%)なので、肥り過ぎをあまり気にしないで使えます。消費期限も長めで(冷蔵庫で1か月から1か月半)、ぐつぐつと長時間煮込んでも分離しにくい性質があります。酸にも強いのでワインをたっぷり使った料理にも向く、これぞキッチンにやってきた頼りになる助っ人です。おまけに生クリームより値段もかなり安いので、家計にもうれしいすぐれもの。乳製品売り場にぜひ定着して、定番アイテムになって欲しくて、もうひとつこれを使ったレシピを追加しました。(その後、タカナシ乳業から同じコンセプトの「クリーミー・プラス」も発売されています。↓の楽天市場の広告参照。)*1

寒い季節はほかほかのスープがことのほか美味しく感じますが、季節のカリフラワーを使った、低カロリーの”食べる”スープです。名前はスープでも、これだけでも立派にメインの料理になります。大きな鍋に沢山作って何度も温め直して食べても味が落ちません。ぜひお試しください。

*1 なお、「料理がクリーミー」「クリーミー・プラス」を置いていないスーパーなども多いので、自分で自作する方法を別レシピで掲載しました。資料編~ハーフ・アンド・ハーフの作り方を参照にしてください。どなたでも簡単に作れます。

デイリー・レシピ~ソーセージのカルボナーラ R#087

おなじみのカルボナーラですが、パンチェッタの代わりにソーセージを使い、合鴨のパストラミで濃厚な味を加えてみました。パンチェッタが手に入らなくても、この方法でイタリアで食べるようなもったりした味の本物らしいカルボナーラを味わえます。このレシピで一番肝心なことは、一にも二にもタイミングです。ゆであがったスパゲッティをソーセージが入った鍋に移すタイミング、そして卵を含んだソース・ベースをスパゲッティにかけてからどのくらいで混ぜるのを止めるかのタイミング。この二つがドンピシャリと行かないと、カルボナーラがカルボナーラらしく出来上がりません。このタイミングを言葉で表すのはもちろん、写真でもうまく伝えるのは非常に困難です。自分で試行錯誤してコツをつかむしかないかもしれません。2人前のスパゲッティ(乾燥状態で160g)に対し、卵の量は全卵1個、卵黄1個分が黄金ルールです。クリームは生クリームよりもハーフ・アンド・ハーフの方が上手くゆきます。 ハーフ・アンド・ハーフは家庭でも簡単に作れます。このブログにあるそのレシピハーフ・アンド・ハーフの作り方)を参照してください。あるいは、最近は日本でも生クリームの半分程度(15~18%前後)の乳脂肪を含んだ製品(下記)が一部のスーパーに出ています。ハーフ・アンド・ハーフに近いのでカルボナーラには最適です。容量はいずれも200ml。使用量はハーフ・アンド・ハーフと同じ100mlです。


デイリー・レシピ~鶏団子のクリーム・シチュー R#086


寒い冬が終わって春が近づくと、さまざまな春野菜がスーパーなどの店頭に並ぶようになります。この料理に使った芽キャベツもそんな春野菜の一つ。まだまだ温かい食事が欲しいうちに、野菜たっぷりのクリーム・シチューを作りました。出来合いの市販のクリーム・シチューの素は便利ですが、どれもラード(豚脂)がたくさん含まれています。健康維持にはラードを全く使わないクリーム・シチューが欲しいので、手作りのハーフ・アンド・ハーフを使った健康的なクリーム・シチューを考えました。ハーフ・アンド・ハーフは生クリームと牛乳で簡単に手作りできます(ハーフ・アンド・ハーフの作り方、レシピ参照)。シチューの具の野菜は定番のじゃやいも、にんじん、玉ねぎ、しいたけに、季節野菜のカリフラワーと芽キャベツを加え春らしさを演出したつもり。鶏団子は簡単に手作りできますが、時間がないときは市販の出来合いの鶏団子でもそれなりに美味しく出来ます。カリフラワーはそのままだと煮込むうちに崩れてしまいますが、このレシピのように強力粉を入れた熱湯で軽く湯がいてから使うと形が全く崩れません。こんな下処理のひと手間を惜しまないことで、料理の出来上がりに大きな違いが出てきます。欧米の一般家庭では寒い季節の間は、シチューや煮込みスープのような作り置きできる鍋料理が主な食事になるようですが、手間を省けるというだけでなく、経済上の理由からも何日分かを一度に作れるこのような料理が好まれるようです。この料理も他の多くのシチューやスープ類と同じく、作ったその日よりもさらに一晩置いてからの方がずっと美味しく召し上がれます。特にクリーム系のシチューは味が淡泊なだけに、具に味が滲みこむのに時間がかかるので、その傾向が強いようです。私の家では普通三回の夕食に充てることができる量をいっぺんに作り置きします。作るときは手抜きをせずに手間と時間を十分にかける必要があるとしても、二日間は夕食作りから解放されるので、多忙な主婦にとっては大変ありがたいレシピといえるでしょう。

おもてなしレシピ~仔牛肉のインボルティーニ、プーリア風 R#085

イタリア料理では肉、魚、野菜などで何かを巻いた料理をインボルティーニと呼んで、しばしばパーティなどのメニューに登場します。今回は仔牛肉でリコッタ・チーズを巻いてみました。プーリア州の地方料理ではペコリーノ・チーズ(羊の乳から作る)を巻くことが多いそうですが、ペコリーノ・チーズは日本ではあまりみかけないのと塩分が多いで、代わりにリコッタを使っています。巻くのに使う肉は冷凍の仔牛肉が残っていたのでそれにしましたが、普通の牛肉でも美味しくできます。その場合は、脂身の少ない赤身のブロックを選ん塊を適当な大きさに切り分け、肉たたきで延ばします。この料理には味の重要なアクセントとして、少なくとも3種のハーブ(イタリアン・パセリ、ローズマリー、バジル、セージなど)を使いたいものです。付け合わせは、プーリア州の地方料理に倣って茹でたオレキエッテを添えています。好みでフェットチーネに変えても。インボルティーニの外側を巻く材料には肉ばかりでなく、カジキマグロの切身やナスの薄切りもよく使われます。どんな材料で巻くにしても、焼き過ぎて外側がパサパサになったり、中身のチーズが漏れ出したりしないようにするのがポイントです。

チノ=イタリアーノ~合鴨のパストラミと娃々菜のスープ R#084

毎年今ぐらいの季節になると娃々菜(ワーワーツァイ)が近くのスーパーに出るのが待ち遠しくなります。娃々菜はミニ白菜とも呼ばれますが、中国語で白菜の赤ちゃんというような意味です。その名のとおり普通の白菜よりだいぶ小ぶりですが、白菜より柔らかい(特に白い部分)のでスープや中華粥などの具として大変重宝します。
娃々菜

今回はクリスマスの残り物の合鴨のパストラミと合わせてスープにしました。大きな白菜ですと白い部分がどうしても固すぎて折角のスープの口当たりが悪くなってしまいます。娃々菜なら白い部分もとろけるように柔らかくなりますし、白菜のように一番外側の葉を捨ててしまうこともありません。合鴨からはとてもおいしいだしが出るので、寒い冬の時期には欠かせない我が家の定番料理の一つになっています。

デイリー・レシピ~カネリーニ豆とソーセージのカレー風味炒め R#083


前に付け合わせとしてコーンと豆、じゃがいもの炒め物を紹介しましたが(メカジキの香草風味パン粉焼、コーンと豆、じゃがいもの付け合わせ R#032)、じゃがいもの代わりにカネリーニ豆を使ってみたら、とてもおいしい総菜ができたので、独立したレシピとして紹介します。カネリーニ豆は日本の白いんげん豆に似た豆ですが、イタリア産のカネリーニ豆は、加熱するだけで薄い表皮がとろけてしまうぐらい軟らかく、多くの豆特有のボソボソした口当たりがないので、スープやリゾットなどによくも使われます。今回はソーセージやスイート・コーンと合わせて炒めてみたのですが、思った以上に美味しく仕上がりました。やわらかいカネリーニ豆は炒めただけで他の材料とよくからみあい、まるでソースのような役目をしてくれます。豆好きにはこたえられないううれしい働きです。調味料は、カレー粉少々とひとかけらのバターだけ。その方がカネリーニ豆の美味しさが引き立ちます。上の写真では、炒めた後、最後に刻んだコリアンダーを散らしていますが、それが好みでなければクレソンを茎ごと一緒に炒めるのもいいと思います。
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カネリーニ豆の代わりにじゃがいもを使う場合:
(上のレシピからのスピン・オフ)
右ずっと下の写真は、このレシピでカネリーニ豆の代わりにじゃがいもとグリーンピース、コリアンダーとたまねぎの代わりにクレソンを使ったものです。ソーセージはアンティエ・ブランドのハーブ・ソーセージを使っています。これでもとても美味しいので、カネリーニ豆がない場合におためしください。

おもてなしレシピ~キャセロールで作るラザニア R#082

前にココットで作るラザニア(R#012)をアップロードしましたが、今回は4から6人分を大きめのキャセロールで作るラザニアを紹介します。米国ではちょっとしたお客様をもてなすとき、よくラザニアを作ります。生のラザニアやホワイトソースも手製する本格派から、ケータリング会社から半製品の状態で取り寄せる人まで作り方はさまざま。私も最初は夫の会社の同僚の奥様達を見習って、ホワイトソースから手作りしていましたが、日本でもハインツの缶詰ホワイトソース(特選)が手に入るので、今ではそれを愛用しています。その方が急なお客様にも対応できますし、手間が節約できる分、デザート作りなどに時間を振り当てられます。キャセロールで作る場合は、お客様の目の前で上の写真のような、出来立てのアツアツをオーブンから出して、取り分けて食べて頂きます。取り分けるとどうしても形が崩れるので、見栄えがわるくなってしまうのがキャセロール料理の欠点。でも、気の置けないお友達どうしなら、取りわけ方の上手下手を競ったりして、かえって親しみが増すこともあるでしょう。お洋服を汚した場合に備えて、ナプキンはもちろん、ホットタオルやシミ抜きを用意しておく方がいいかもしれませんね。大事なお客様や大人数のパーティの場合は、ココット皿で作るラザニアの方がお勧めです。どちらの場合も、ミート・ソースはこのブログで紹介したビーフ・ラグー・ソースを使っています。そちらも参照してください。なおここで使っているキャセロールは、耐熱陶製の蓋の無いタイプのものです。正しくは大型のグラタン皿と呼ぶのかもしれませんが、米国でキャセロールというと、このようなタイプの容器で作ったオーブン料理を指すことが多いので、この名称にしました。

なおこの料理に使うラザニアですが、最近は下茹でなしで直接ソースと一緒にオーブンで焼くタイプのものが多く出回っています。その場合、このレシピのようにラザニアを半分に切って三角に折りソースをその間に入れるという方法は使えません。そのため、下茹でなしでラザニアを使う方法のレシピを従来のレシピの下に追加しました。ここをクリックするとその場所へジャンプします。