恋、ときどき晴れ

主に『吉祥寺恋色デイズ』の茶倉譲二の妄想小説

話数が多くなった小説は順次、インデックスにまとめてます。

妄想飛行~譲二の場合 その2

2014-12-19 09:43:27 | もしもの話

特別捜査密着24時の『妄想飛行~冗談は脳内だけにしろ~』で野村さんが言っていたこと

>>「9つも歳が違うと同じ学校に通うなんてことないしさ、妄想が膨らむよね」

>>「もう少し年齢が近かったら、こんなこともあったかな~っていう俺のロマンじゃーん」

みたいに譲二さんも妄想してたかな…と思ったらこんなお話が浮かびました。

『妄想飛行~譲二の場合』
今回はその続編です。


 なお、妄想の中の『マスター』は先代マスターです。

☆☆☆☆☆

【☆妄想中☆】

 俺は茶倉譲二、高校二年生。

 昨日、幼なじみの百花ちゃんが俺の住むクロフネの二階に引っ越して来た。

 隣の部屋にあの百花ちゃんが眠っているかと思うと、緊張してなかなか眠れなかったけど、気がついたら朝になってた。

(もう6時か…。そうだ。百花ちゃんが起きて来る前に急いで顔を洗って来よう。)

 鏡をみると髪の毛が寝癖で立っている。

 水をつけて必死で直していると声をかけられた。

百花「おはよう」

譲二「あ、おはよう」

 わざと何気ないフリをする。

譲二「あのさ、学校の行き方とか、わかってる?」

百花「一応、昨日ここに来る前に学校の前は通って来たけど…、ちょっと自信ないかな」

譲二「それじゃ、今日は一緒に学校に行こうよ」

百花「え?いいの?」

譲二「もちろん。10年ぶりだから、吉祥寺の町も色々変わってるし…。案内するよ」

百花「わあ、嬉しい」



☆☆☆☆☆

 昼休み、リュウが俺の所にやってきた。


竜蔵「おい、ジョージ。いくぞ」

譲二「いくって、どこへ?」

竜蔵「一年の教室だ。早く来い」

 リュウに引っ張られるように一年の廊下を歩く。

 百花ちゃんの声が聞こえて思わず教室を覗き込んだ。

 うわ、よりによってハルや一護、タケのクラスじゃないか…。

 と、リュウはその教室に平気で入って行く。俺も仕方なく付いて行った。


竜蔵「おい、おまえら。百花をいじめたら俺が承知しないからな」

 クラス中に響く声で言いながら教室を見回すと、その場はシンと静まった。

 俺は小声でリュウに言った。

譲二「リュウ、何言ってんだよ。みんなびびってるじゃないか」

 俺までそういうヤバいヤツだと思われるじゃないか。

 それに百花ちゃんが一番恥ずかしそうだ…。

春樹「リュウ兄、このクラスにはそんなヤツはいないと思うよ」

一護「ていうか、ジョージまで何ついて来てんだよ」

譲二「え? 俺? リュウに引っ張られて来ただけで…」

剛史「佐々木がどうしてるか気になってついて来たんだろ」

一護「そっちかよ」

百花「リュウ兄。気持ちはありがたいけど…。私、別にいじめられてないから…」

竜蔵「おお、それならいいんだけどよ。おめえ、昔っから泣き虫だからな…。何かあったら直ぐ俺にいえよ」

百花「…うん」

春樹「いや、同じクラスに俺たちがいるんだし…」

 リュウはハルたち3人に色々と責められていた。

 百花ちゃんがちらちらと俺の方を見ている。

 小声でそっと囁いた。

譲二「リュウの暴走をとめられなくてごめんね。あんなことを言い出すとは思わなくて…」

百花「ううん」

 もっと色々話したかったが、予鈴がなって急いで教室に戻った。


☆☆☆☆☆

 一年生の下駄箱の前で何となく待っていると百花ちゃんが出て来た。

百花「あ、譲二くん…。もしかして待ってくれてたの?」

譲二「いや、俺も今帰ろうと思って来たところだから…」

百花「そうなんだ」

譲二「あっ、でもせっかくだから一緒に帰ろうか?」

百花「うん」

 二人で並んで歩きながら…、話題が思いつかない。


譲二「昼休みはごめんね…。リュウがあんなことするとは思わなくて…」

百花「ちょっとびっくりしたけど…」

 言いながら百花ちゃんが少し笑った。

百花「でも、リュウ兄らしいよね。」

譲二「リュウは仲間たちを守らなきゃって思ってるからね。時々行き過ぎるけど…」

百花「昔と変わってないね。すぐ脱線してしまうリュウ兄をいつも譲二くんやハルくんが止めてたっけ」

譲二「俺は同級生だから、学校でもいつもリュウの手綱をもってなきゃならないからね」

 俺は苦笑いを漏らした。

百花「譲二くんらしいね」

 俺を見上げる百花ちゃんの顔があまりにも可愛らしくて…。



☆☆☆☆☆

理人「マスター、マスター。起きてよ」

譲二「…あ、りっちゃん、いらっしゃい…」

理人「マスター、よだれがついてるよ」

譲二「え? ほんと?」

理人「ハハ、うそうそ。でも、気持ち良さそうに寝てて、僕が起こしてもなかなか起きなかったよ」

譲二「ああ、ごめん…。うわぁ、もうこんな時間だ」

 りっちゃんが来ると言うことは、百花ちゃんもとっくに帰ってくる時間だよな。



百花「マスター、ただ今帰りました」

一護「こんちは」

譲二「おかえり百花ちゃん。っと、いらっしゃい、一護」

百花「マスター、厨房をお借りしてもいいですか?」

譲二「いいけど…どうしたの?」

百花「一護くんがチョコレートマフィンの作り方を教えてくれるので…」

一護「その代わり、英語のノートを写させろよな」

百花「うん、いいよ。あ、ごめんね。買い物してきたもの持ってもらって」

一護「お前が、よろけて躓きそうになるからだろ…。全く…。なんでマフィンの作り方教える上に俺が荷物を運ばなきゃなんないんだよ」

百花「はいはい。ごめんね。」



☆☆☆☆☆

 二人が厨房で楽しそうに笑いながら作業している。

理人「あの二人、この頃前より仲良くなったよね」

譲二「そうかな…」

理人「えー、マスターはそう思わない? 百花ちゃんはいっちゃんに色々意地悪を言われるとかえって嬉しそうだし」

 りっちゃん、俺だってそれくらいは気づいているよ。

 一護は口では意地悪そうなことをいいながら、百花ちゃんに何かと気を使ってるしな…。



 あーあ。妄想の中では俺が一番仲がいいんだけどな…。


妄想飛行~譲二の場合 その3へつづく



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